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第34話
お父さんが来る当日。緊張で口数が減る。
「大丈夫だよ。親父には言ってるし」
「それでも!初めては緊張するの!」
「はいはい、じゃー緊張がほぐれるようにキスしようか」
「ばか!何言っ…」
ピンポーン
「ん?もう来た。早いな。」
優が出る。
「何であんたがいんだよ!」
慌てて、玄関へ行くと怒りを露わにする優がお母さんを睨んでる。
僕「あ、お母さん!入ってください!どうぞどうぞ。」
母「あら、亮ちゃん!優也怖いわ 笑笑」
僕「気にしないで下さい。笑笑」
優「おい、どーゆーことなんだよ」
僕「お母さんと仲良くなちゃった。テヘ」
優「テヘじゃねーよ!こんな奴と」
僕「優優優!お母さん、僕たちのこと認めてくれてるよ!」
優「は?何で?あの時…」
僕「優の出張中、お母さんの所に行ったんだよ。それで僕たちのこと認めてくれてて…いろんな話して、、ねーお母さん」
母「そうそう、優也は亮ちゃんじゃないとダメだって分かったから、思う存分愛し合ってちょーだい」
僕「お母さん!からかわないで下さいよー!笑」
母「何言ってんの?亮ちゃんも満更でもないんでしょ?そんなことより、亮ちゃん優也も、もうすぐお父さん来るから準備してしまいましょ」
優「何がどうなってんだよ…」
僕「まぁ、いーからいーから」
ピンポーン
母「あ、お父さんかしら」
優「出てくる」
優、ちょっと照れてる?怒ってはなさそうだから良かった。お母さんと目を合わせて笑った。そこへ、お父さん登場…めちゃくちゃイケメン…さすが優のお父さん。
僕「初めまして…」
父「あーあー堅苦しい挨拶は抜きだ。亮太くんだろ?優也とお母さんから聞いてるよ。今後も優也をよろしくな」
僕「こちらこそ、よろしくお願いします!」
優はお父さん、お母さんと食事をした記憶がないらしく照れたような不貞腐れたような、何とも言えない顔で終始いたがこの四人での時間は間違いなく前向きな時間で楽しく過ごすことができた。小さい頃お母さんがいなくなってお父さんも仕事が忙しく優といる時間はほとんどなかった…優、お父さん、お母さんは、多分互いに必要としていたけれど叶わなかった。だけど、これからは離れていた分同じ時を過ごしてもらいたい。何だか切なくなりながらも今一緒にいることへの嬉しさが込み上げてしまった。
優「亮太何泣いてんだよ!」
僕「僕は…家族が増えたと思って…嬉しくて。優、、優がお母さんお父さんをどう思っているの分からないけど…僕には優が必要だから、、優を産んでくれたお母さんも辛くても頑張って仕事してお母さんと優を見守っていたお父さんもかけがえのない存在だよ」
優「俺だって分かってるよ。母さん、俺この背中の傷、全然気にしてないから母さんも気にしなくていい。この傷のお陰で大事な人も見つけられたし…亮太が受け入れてくれてるから。これ以上傷ついたり悔やんだりしたら亮太に失礼だからな!あと、親父さ…もう俺に遠慮せずに母さんと向き合いなよ。めちゃくちゃ母さんのこと好きだよな?」
父「な、な、何を、急に恥ずかしいじゃないか…でも…そろそろ愛美(まなみ)と一緒に暮らしたいな」
母「光秀さんたら//…優也ありがとう」
僕もお母さんもお父さんもぐしゃぐしゃに泣いて優も目が真っ赤になっていた。こんなに幸せでいいのだろうか。だけど、この幸せが永遠に続きますようにと願わずにはいられない。
食事会が終わってから、優のお父さんとお母さんは一緒に暮らすようになった。たまに両親宅へ行くがいつまでも新婚のようでとても楽しそうだ。
僕たちも負けずラブラブです。
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