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確かめたい 10

互いの視線が交わり、熱っぽい眼差しを直視できずにふいっと視線を逸らすと、それが気に入らなかったらしい圭斗が顎を掴み自分の方へと向けさせた。 「目……逸らすな」 圭斗の指先が怜旺の唇に触れ、ゆっくりと形を確認するように撫でていく。 それだけで鼓動が高鳴り、どうしたらいいのかわからなくなってしまう。 戸惑いを隠せない怜旺にふっと笑いかけた圭斗は、怜旺が強く拒絶しないことを良いことに、その唇に自分のそれを重ね合わせた。 驚きに目を瞠るが、不思議と抵抗する気は起きなかった。そうすることが自然だと思ったし、寧ろ戸惑いは残るものの、嫌ではないと感じている自分がいる。 「どんな姿だって、関係ねぇよ。俺が好きになったのは、すっげぇ強くて優しくて……他人を思える心を持った獅子谷怜旺だから」 圭斗の真っ直ぐな言葉と眼差しに、胸の奥がきゅんと疼く。 嬉しいような切なくて苦しいような言い知れぬ感情がぐるぐると身体中を駆け巡った。 「椎堂……俺は……」 「いいから、何も言うな」 もう一度抱きしめられて、大人しく圭斗の胸に身体を預けた。躊躇いがちに怜旺もおずおずと圭斗の背中に腕を回すと、きゅっと力を込めた。 「大丈夫。俺はアンタの側にいるから。ずっと、何があっても……。俺は絶対アンタから離れない」 「……椎堂」 「俺はアンタを裏切らないから。俺を信じてくれ」 耳元で優しく囁かれる言葉に胸が熱くなる。ずっと欲しかった言葉と温もりに、ずっと抑え込んでいた感情が一気に溢れだしそうになり慌てて圭斗の肩口に目元を擦りつける。 「なに泣いてんだよ」 「泣いてねぇよクソッ」 悪態を吐きながらも、目元を真っ赤に染めながら肩を震わせる怜旺の背を圭斗の大きな手がゆっくり優しく撫でていく。 「好きだよ。怜旺……」 「……ン」 「大好き。……好きだ」 何度も繰り返し囁かれると、熱い想いが心の中に溢れてくる。 「うっせ。何度も言うな馬鹿」 憎まれ口を叩きながらも、怜旺の耳は真っ赤に染まっており全然説得力がない。こう言う雰囲気はどうも苦手だ。嫌でも昔を思い出してしまって胸が苦しくなる。 「ハハッ、何照れてんだ」 「照れてねぇ!」 げしっ、と圭斗の脇腹を足で蹴り上げる。いてぇよと言いながら圭斗はゆっくりとキスをして怜旺をベッドに押し倒した。安物のパイプベッドがギシリと嫌な音を立て軋む。 「なんか、エロいな……」 「……アホか」 照れ隠しに悪態を吐くが、圭斗はさして気にした様子も見せず怜旺の首筋に顔を埋めた。

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