202 / 342

確かめたい15

圭斗の長い髪の毛がくすぐったくて思わず身体を捩る。 普段やっていることと大差はない筈なのに、妙に気恥ずかしいのは何故だろう。 「ん……」 「獅子谷……」 耳元に熱い吐息がかかり、そのまま唇が落ちてくると耳朶を軽く食まれる。 その感覚にひくりと身体を震わせると、首筋を吸われ軽く歯を立てられた。 「ぁ、んっ……ン……ちょっ、あ……っし、ど……ちょぉ待てっ!」 流石に焦った怜旺が身体を捩り逃げようとすると、圭斗はむっと眉間に皺を寄せながら怜旺の身体を押さえつける。 「んだよ」 「いや、その……だって……」 「キスはしただろ。抱き締めるのも許してくれた。でもって今押し倒されてるってこの状況で何を待てって言うんだ」 「……っ、ここじゃ……嫌だ」 怜旺の言葉に圭斗は目を瞠った。 「お前な……何をいまさら」 「だ、だって……隣には、上城ん家があるし……」 手の甲で顔を隠し、もごもごと口籠る。圭斗は深く長い溜息を吐き出しにやりと笑った。 「なに、そんなでけぇ声で喘ぐ気か?」 「んなっ、ば、馬鹿ッ! ちげぇよ!」 「じゃぁ、なんだ」 「……なんとなく、恥ずいだろうが……っ、明日も学校で会うんだし……それに……」 「それに?」 続きを促され、怜旺は困り切った様子で頬を真っ赤に染めると視線を圭斗から逸らしてぼそぼそと呟いた。 「……ここ、俺の部屋だろ」 「そうだな。で?」 「で? って……此処でシたら……その……色々思い出しちまうだろうがっ!」 恥辱に耳まで真っ赤にしながら叫ぶと、圭斗は口をぽかんと開けて怜旺を見つめた。耳まで赤く染めた怜旺の思いがけない発言に一瞬呆けてしまったが、耐えかねたように吹き出すと、可笑しそうに腹を抱えて笑い始めた。

ともだちにシェアしよう!