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ドキドキ文化祭 12
空はもう日が沈みかけていて、冷たい風が優しく頬を撫でる。
「……なぁ……ここ、誰もいねぇぞ?」
繋いだ手に思わず力が入り、恥ずかしくなって俯きながら上目遣いで見上げてみると、そっと頬を撫でられて圭斗の顔が近づいてきた。
「随分、大胆だな……センセ」
吐息のかかる距離で見つめられて、擽ったいようなむず痒い感覚が身体中を支配する。早鐘のように打ち付ける鼓動が煩い。顔が、熱い……。
「べ、別にそう言う意味じゃ……」
「ふぅん? じゃぁ、どういう意味なんだ?」
いつもの調子を取り戻し意地の悪い笑みを浮かべた圭斗は、からかうように手の甲で怜旺の頬を撫で、髪に指を絡ませた。
さっきの言葉が何を意味しているかなんて言わなくてもわかっている筈なのに、敢えて怜旺に言わせようとするあたり、圭斗の性格の悪さが窺える。
言えよ、と促すように指先で頬を撫でられ怜旺はチッと小さく舌打ちするとゆっくりと圭斗のした動きで肩に手を置き膝立ちになる。
「……キス、してもいいか?」
圭斗の唇をそっと指先で撫でて、そのままゆっくりと自分の唇を重ねた。
離れがたい名残惜しさを感じつつそっと唇を離すと、すぐに不満そうな表情を浮かべた圭斗が再び迫ってきた。
肩に置いた手を掴み、後頭部に腕を回して強引に引き寄せると、再び唇が重なり吐息まで絡め取られるような濃厚な口付けが交わされる。
何度も角度を変えて唇を食まれ、時々舌を差し込まれて歯列をなぞり上顎を舐められてゾクゾクとした快感が背筋を駆ける。
「ん……ふ……ぁ」
何度も繰り返し口の中を犯され、鼻から抜けるような甘ったるい吐息が洩れた。いくら人気が無いと言っても此処は学校の屋上。
いつ、誰が来たっておかしくはない。もしこんなところを誰かに見られでもしたら……大変な問題になるのはわかっているのに、拒めない。
強引で、激しくて……でもどこか甘く優しくて……圭斗とのキスは酷く心地が良くて、気づけば自らも強請るように舌を絡めていた。
じゅるりと卑猥な音を立てて舌が引き抜かれ、混じり合った唾液がつぅっと糸を引いて落ちていく。
「ブドウ味のキスも悪くねぇな」
「……っ、ばかじゃねぇのっ」
ニヤリと笑ってからかうような口調で言われ、恥ずかしさに圭斗の肩へと顔を埋めた。
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