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捜索

回された腕が強く腰を抱き寄せ、もう片方の手で後頭部を固定される。そうして再び唇が重なり合うと今度は深く口付けられた。 舌を絡められ、口腔内を蹂躙される感覚に頭がぼうっとしてくる。歯列をなぞられて上顎を舐められるとゾクゾクとした快感が背筋を這い上がってきて堪らず圭斗の首に腕を回した。 圭斗もそれに応えるように角度を変えて何度も、深く口付けを繰り返す。まるで呼吸さえも奪われてしまうような口付けに、身体がどんどん熱を帯びて行くのを感じる。 息苦しさから酸素を求めて口を開けば更に激しく舌を絡められて、頭がくらくらした。 「んっ……ぁ……」 飲み下しきれなかった唾液が口の端を伝って滴り落ち、それを追うように首筋を舌で辿られて思わず上擦った声が出る。そのタイミングで尻ポケットに入れていたスマホが着信を告げ、怜旺は我に返ってびくりと大きく身体を振るわせた。 「……ッ、悪い」 慌てて圭斗から距離を取り、背中を向けてスマホをチェックすると、電話の主は都築だった。 一体、何の用だろうか?  チラリと圭斗に視線を向ければ、いい雰囲気を邪魔されてあからさまに不機嫌そうな顔をしている。 ほんの一瞬、気付かなかった振りをしようかとも思った。だが、なんだか胸騒ぎがして、圭斗に断りを入れてから受話器を耳に押し当てる。 「もしも――」 『先生! どうしよう。芹沢さんが……っ、居なくなったって……っ』 「は!?」 電話の向こうの都築は酷く混乱しているのか、何を言っているのか全く要領を得ない。ざわつく周囲の音が事態の緊急さを物語っており、嫌な予感がどんどんと膨らんでいく。 「落ち着け。取り敢えずそこに行くから、場所を送れ」 『は、はい! わかりました』 怜旺は通話を切り、スマホをポケットに仕舞うと圭斗に向き直った。 「悪い。ちょっと急用が出来た」 「あー、小春の事だろ? 俺んとこにも麗華から来たわ」 「たく、一体何なんだ……」 彼女の身に一体何があったのだろうか? この間一緒にいた男と関係しているのか、それとも――? 「考えんのは後だ。アンタが取り乱してどうすんだよ。取り敢えず麗華達に合流しようぜ」 そう言って、圭斗がヘルメットを投げて寄越す。 「そ、そうだな……。悪い」 「謝んなって。それより、早く」 促されるままヘルメットを被ると、バイクに跨りエンジンを掛ける。圭斗が腰に腕を回したのを確認してから、怜旺はアクセルを回した。

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