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捜索 2

「じゃ、行くぞ都築」 「は、はいっ」 圭斗たちに別れを告げ、今度は都築を後ろに乗せて怜旺はバイクを走らせた。 どうして次から次へとトラブルが起きるのだろうか。憤りを感じつつ、何故都築が麗華と一緒に居たのか? 疑問が頭を過ぎる。 「なぁ、都築。どうして麗華と一緒に居たんだ?」 「……芹沢さんとは、中学の同級生だったんです。それで、田中さんから芹沢さんの居場所を知らないかって聞かれて、詳しく事情を聞いたら、行方不明だって言うから居ても経ってもいられなくって」 「それで、ずっと探してたのか?」 「はい。でも、全然見つからなくて……っ、何度電話しても出てくれなくて……。もしかしたら、何かに巻き込まれたんじゃないかって思ったら心配で……っ」 自分の腰を掴む手が僅かに震えている。自分達ではどうしようもなくなって、藁をも縋る思いで自分に連絡を寄越して来たんだろう。 麗華に小春から連絡があったのが16時ごろ。それから、少なくとも2時間近くは経過している。  何となくではあるが、そう遠くには行っていないような予感が怜旺にはあった。本気で家を出るつもりなら、友達にあんなメッセージを寄越したりしない。 自分と小春は違うかもしれないが、本当は見付けて欲しくて 敢えてあんなメッセージを送ったのではないだろうか。 「取り敢えず、心当たりをあたってみよう。芹沢が良く行きそうな場所とか教えてくれ」 「ありがとうございます……!」 都築は怜旺にしがみ付く腕に力を込めると、背中に顔を押し付けて来た。そんな都築の様子を背中で感じながら、怜旺はバイクのスピードを上げた。

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