258 / 342
束の間 7
「っ、ふ……あ、ぁあっ椎堂……まっ、下着……っ汚れるっ」
「どうせもうグチョグチョなんだし、今更じゃね?」
「んっ、そう言う問題じゃ……ぁあっ!」
必死に腰を浮かせて下着を取り払おうと試みるが、それが却って圭斗の指の感触を強くする形になり、無意識にゆらゆらと淫らに腰が揺れてしまった。
「腰動いてるっての」
「く、うるせ……っん、ぁう……あぁっ!」
いつの間にか三本に増やされた指がバラバラと中を広げながら出し入れされて、その度にぬちゅっと粘度のある水音が室内に響く。
「すご、もう蕩けてんじゃん」
圭斗の言う通り、怜旺の中はすっかり蕩けきって蜜を滴らせていた。それが圭斗の指の動きをスムーズにし、ヌチヌチと更に厭らしい音を立てる。
「あー、くそ……早くぶち込んでやりてぇ」
耳たぶを甘嚙みしながら酷く熱っぽい声でそう囁かれて、ゾクッと腰から甘い痺れのような快感がせり上がって来る。同時に胸の突起をぎゅっと摘まれて、怜旺は嬌声を上げながら悶えた。
「ここも真っ赤になってすげぇ硬くなってんな。気持ち良い?」
本当はどうなのかなんて聞かなくても解ってるクセに。執拗に胸の飾りだけを弄られ、嫌でもそっちに意識が集中する。
圭斗が触れてくれる部分全てが熱くて、気持ち良くて堪らない。けれど、まだ足りない。もっと欲しい。もっともっと奥の方迄、狂おしい程の快感で貫いてほしい。
頭の中をグルグルと駆け巡る浅ましい欲望がつい、口をついて出てしまった。
「も、いいから……はやく……」
強請るように手を伸ばし、ズボンを押し上げ窮屈そうにしている圭斗の屹立に触れる。そのままゆっくりと形をたしかめるように撫でると、圭斗は低く「くそ……ッ」と呻いて怜旺の手を掴んだ。
「っ、やっとソノ気になってきたか」
「くそっ、てめぇのせいだ馬鹿っ」
こんな明るいリビングで、なんて恥かしくて堪らないのに、どうしても身体が疼いて仕方が無い。もっと圭斗が欲しくて、もうどうしようもない。
圭斗の肩口に顔を埋めてそれを誤魔化すようにぐりぐりと額を押し付ける。そんな怜旺の行動に気を良くしたのか、圭斗はクスリと小さく笑った。
ともだちにシェアしよう!