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107 立花隆之視点
「これはこれはお待ちしておりました松原様」
「この私を呼び出しからには余程の理由があるんだろうな?立花会長」
フッこの老害が!
「ええ本日お呼びしたのは貴様は用済みと言う事だ」
「なっなんだと」
「貴様が犯したミスで立花グループに傷を残した。」
「わ…私を消せば貴様も家族も終わりだぞ…」
「残念だが既にアンタは見捨てられた。
全ては力がある者が勝つ…ではご苦労さん」
相澤が連れ出した。
「後は我々が…」ガチャ
ハァ毎度気持ちの良い物ではない。
宏がいたら…僕は
ガチャ…なっ!コイツは・・・
「見事ね隆之…
貴方の仕事ぶりには感心してるわよ…」
「居らしていたのですか?……社長」
「ええ立花グループ社長が来ては不服かしら?」
「いえ、とにかくご指示通り松原は消します、せっかくですのでご夕食もご一緒にいかかでしょうか?」
「そうね、頂こうかしら久しぶりに雪哉と
千尋も会いたいしね」
「了解しました」
僕は会長だがこのババアには逆らえない…
会長は御飾りに過ぎず
裏で実権は握ってるのはこの女だ。
この女は立花グループ社長であり父方の妹…つまり叔母だ。
立花皐月いや正確には相澤皐月
そう……相澤の母親でもある。
そして相澤の妹がNo.3副社長の美玲だ。
つまり2人とは従兄弟で3人とも屋敷育ちだ。
美玲にはあまり好かれてないし、お互い様だ
相澤を屋敷管理係長にしたのも中田をクビに
して消したのも本当は僕ではなく全てこの女と美玲副社長の策略だ。
中田の事は僕も知らなかった。
中田は生まれた時から知ってるし、
唯一宏を受け入れてくれた。
なのにこの女は中田を排除した。
千尋も気に入ってたからかなり不振がってたな。
僕が追い出したと思ってるし、事実を知って社長に噛みついても困るからそう思わせたのも僕だ。
そういえば
小学生の時に1度だけ宏をうちに連れてきた事があるなぁ懐かしい。
屋敷を見せたかったから、でも失敗だった。
《ここだよー僕の家》
手を繋ぎながら歩いて連れてきた。
《凄いなぁ…ゆきとの差を感じるよ。
俺なんか入っちゃダメじゃないの?》
《大丈夫だよ。1度見せたかったし、
将来は宏と2人で住むんだからね》
《そんなの無理だよ…俺は潤一や美玲…
家族の人達にも嫌われてるんだよ?》
《宏はいつも弱気なんだから…僕が継げば出来るし、継げなかったり一緒に暮らせないなら2人で駆け落ちしよ?》
《世の中甘くないよ……》
《僕は離れないからね…永遠の愛を誓ったし、身も心も既に君の物なんだから》チュッ
《・・・・・でもまだ行くのはまずいよ》
《大丈夫パパ達居ないし、もし帰ってきても僕が居れば手は出されないから心配ないよ。さっ行こ?》
手を繋いで僕は中に入れた
《いらっしゃいませ、桐原宏様、
執事の中田でございます。
優しいお顔していらっしゃる。
坊っちゃまをこれからもよろしくお願いします、私はお茶の用意いたしますね》
僕は屋敷内を案内し始めた。
《やっぱりすごいな…こんなの初めて見た》
でも相澤がこっそり見てて僕の両親を呼んでバラしてしまった。
屋敷内を見せてて僕がトイレに行ってる間に
《貴様ぁ誰の許可を得て入ったんだ!
警備もなぜ侵入を許した!
貧乏人の悪ガキが…泥棒か?》バシーン!
《ウウッ!ゴホッゴホッ》
《アンタ息子を変にタブらかしたり、
下品なこと教えたり、学校で怪我されたりもしたそうね?
しかも今日あの子はピアノのはずだったのに…有名な先生のレッスンをすっぽかしたなんて…最近まではそんな子じゃなかったのに
アンタはあの子の悪影響だわ。
たかちゃんに二度と近づかないで!
隆之はアンタみたいな貧乏人とは違うのよ。将来会社を継ぐ大事な後継者なの》
《ピアノの事は知りませんでしたがごめんなさい。
でも近づくななんてそんな約束は出来ません!俺はゆきを大事に思ってます。
お家の邪魔にならないようにしますのでどうか許してください》
バシーン!
《口答えとはよほど躾がなってないガキだな、地下室へ連れてくぞ!
思い切り身体に叩き込んでやる!
来いガキ!まだ分かっとらんようだからな
立花家の怖さを教えてやる》
《フッざまあみろ、
僕の坊っちゃんに手を出したのが悪いんだ》
《宏お待たせー…宏?
もう迷うから待っててって言ったのに…
宏どこー》
《坊っちゃんどうしたんですか?》
《じゅん…宏見なかった?》
《宏なら用事が出来たからって今帰りましたよ。それより坊っちゃん今日はピアノの
レッスンでしたよね?
先生がお待ちですから行きましょ》
《ピアノなんかどうでもいい!
それに勝手に帰るはずないよ!宏は父子家庭で夜までパパはいないんだよ。
第1僕より優先する用事なんかないんだから!勝手に帰っりもしないんだから!
じゅん!宏になにしたの?》
《では明日お聞きになれば宜しいじゃない
ですか?》
今みたいにスマホや携帯すらなかった時代
だから家電以外連絡する手段はなかった
少しして何度も電話したが宏は出なかった。
宏は地下室でかなり親父に棒や鞭で身体中
暴行された後外に放り出されたらしい。
翌日は休んでた、帰りに宏の家行って
しつこく問い詰めたけど何でもないと元気なふりをした…僕に心配させないように。
でも身体中の痛みを我慢してたんだろう…
しばらくは明らかに避けてたけど、
僕は常に宏から離れなかった。
何かあったのは察してたけど…
恋人なんだからちゃんと言ってほしいのに
《宏もう僕が嫌いなんだ…ヒック》
1人で泣いてたら
《おいおい坊ちゃんよー、
愛しの宏にも見捨てらたな。
これからは俺と仲良くしよーぜ》
コイツはいじめっこどもだ。
リーダーは身体大きくて太め。
すぐ手を出すし、男女関係なくエッチな事してくるスケベなクズだ。
じゅんも今いないし。怖いよ宏
《や…やだよ…》
《よし全部脱がしちまえ》
数人で押さえつけられて上と下1人ずつ脱がし始めた。
《イヤー!やめてー…助けてひろしー》
《口ふさげ…本当可愛いなたかゆきちゃーん
たっぷり可愛がってやるからな》
裸にされてコイツらに触られてる。
気持ち悪い……宏以外に触られたくない
《ウウッーー》チュッ
《いいケツだよし》
リーダーが下を脱いだ。
嫌だー暴れたが押さえられて逃げれない
宏助けてー
《おい!ゆきに何してんだ!》
《チッ宏か…あとちょっとだったのによ!
クソ逃げるぞ》
《後で許さねぇ!ゆき大丈夫か?》
《宏もう僕が嫌い?》
《大好きだよ。
嫌いになんかならないさ。
本当無事で良かった》
宏が服を着せてから抱きしめてくれた
《怖かったよ…ありがと宏大好き》
チュッ…レロッ…レロッ…チュッ
懐かしいなぁ、宏はいつも守ってくれた。
相澤の
本当の任務は僕自身を監視させるためだ。
とっくに気付いてるよ。
いくら忠実でも
アイツも母親には逆らう事はない。
アレを奪われた事で更に僕の信頼はおちた。
宏……奪うならアレじゃなく僕自身を奪って
ほしかったよ
約束したよね?
《宏…僕ら大人になったら絶対結婚しようね》
《ああ、ゆきは俺が一生守ってやるからな》
《頼もしいな…でも浮気は許さないからね?
絶対約束だからね未来の旦那様…チュッ》
《おいっ宏!坊っちゃんに触るなこの野郎!》
《潤一か!…ゆきとの事いい加減許してくれよ、お前と喧嘩したくないんだ》パアーン!
宏が横からじゅんに殴られた
《いい奴ぶってんじゃねー!オラー》
ガシッ!
《クソこの!》
2人の喧嘩がまた始まってしまった
《やめて!じゅん…宏に暴力しないで!》
僕が間に入った
《暴力じゃなくて警護です!
何度言えば分かるんですか?
宏は坊っちゃんに相応しくありません、
貧乏人の癖に優等生気取りやがって!
悪影響にしかなりません》
《だまりなさい!僕は宏が好きなの!
また家に告げ口したら本当に家出するからな、宏と駆け落ちするもん!…ヒック》
バッ!泣きながら宏に抱きついた
《ゆき…》 《坊っちゃん…》
小中学生の時はいつもこんなだったな…
コンコン
「入れ」
「失礼いたします会長ご夕食の準備が出来ました」
「ああ」
大翔に出会ってからは過去を振り替える日が増えたな
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