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124 宏と隆之の想い《桐原宏視点》

俺は警察官としても、ゆきの恋人としても、 楓の夫としても、大翔の父親としても全て失格だ。 お互い結婚してからも30前半までは身体関係を続けてしまった。 だが遂に俺は決断した。 お互いの家族のために俺達は……… ここはラブホで定期的にエッチしていた。 パンパンパンパンパン 「アアン…宏のアソコ…ハアン…アアッ…アアッ気持ちい」 「ゆきの中キツキツでいい締め付けだ」 「当たり前だよ……ウウン…宏専用なんだから…アアッ」 「じゃあイクよー…ウウン」 「僕もイクーー…アアッ…アアン…ハア」 ドピュッドピュッドピュッ 「ハアハア最高だった…宏のアソコ本当大好き…宏世界一愛してるよ」 「俺もだよ…チュッ…チュッ…ゆきを愛してる」 たまに会ってはこんな関係を続けてきた。 「宏なんで?僕を捨てるの?」 「ゆき…俺達は互いに子供もいるんだいつまでもこんな関係ダメだよ」 「なら別れればいいじゃないか? どうせ好きじゃないんだから僕の屋敷で暮らそ?」 「本当にすまないゆき、もういくよ」 「一生そばにいて守ってくれるって約束したのに……結婚指輪も渡したくせに!」 「ゆき本当にごめん、さようなら」 「待って行かないで!ヒック…ひろし!ヤダー」 泣きながら引き留めるがゆきをおいて 俺は一方的に去った。逃げたんだ…… それから連絡も一切取らずに 数年後に警部補に昇格し、桐原班主任となった。 だが夫婦仲はよくなかった。お互い愛情は薄かった。せめて大翔だけはいい子になってほしくて偉そうな事をいつも教えてきた。 そして遂に立花グループと関わる事になってしまった。敵として。 ある連続失踪殺人事件を担当したのがきっかけでその過程で立花グループが関与してる可能性が出てきたのだ。 上場企業の幹部や財閥関係や暴力団関係者もいた。彼らは共通して立花グループに出入りまたは関連してた。 今の立花グループはかなり黒い噂がある。ゆきは会長になったらしいが最近は連絡を取ってない。 桐原班は立花グループに絞って徹底的に調べてみたが、少し経った頃上層部から捜査中止を命じられた。明らかな殺人事件でこんな短期間で捜査中止など通常あり得ない。 ゆきの事も気になり1人でも調べたが有力な情報はない。 だが前にゆきがベットで立花グループの命綱の存在を聞いたのを思い出した。 鍵は2つあり、データチップだと。 それが手に入れば、全ての実態を掴める。 だが危険は伴うだろう。賭けだ。 悩んだ末 俺はゆきに連絡し、屋敷で2人で会いたいと言ったら喜んで通してくれた。 「宏やっと帰ってきてくれたんだね…チュッ」 部屋に通された。 去年奥さんは亡くなってる。 実際会いたかった可愛いゆきに。 変わらず若くて可愛い。魅力される。 俺は……まずゆきを思いっきり抱いた。 やっぱり愛してたから本気でゆきが疲れきるまで数年分思いっきり愛し合った。 ベットに裸でぐったりしてるゆきの隙をついて金庫を開けた…ナンバーはわかってる。 俺とゆきの誕生日を混ぜた番号だ。 2人で決めた秘密の番号。 中に書類が多かったが1つだけデータチップがあった。これだ! 1枚でも収穫だ。 「ゆき今日は帰るね?」 「宏?えっ帰っちゃヤダ…泊まってよ?」 「明日も仕事なんだ、またねチュッ」 「宏もう僕を捨てないよね? 一生離さないでね?約束だよ?」 ゆきは普段は大人らしく見せてるが俺の前じゃ昔の子供の時みたいに甘える。 「約束するよ愛してるゆき。チュッまたな」 「うん、また待ってるからね宏」 バタン ゆき…許してくれ だがこれがゆきとの最後の別れになってしまうとは思わなかった…… 「あらっ刑事さん要らしてたんですの?」 ハッ!気づいたら暗めの廊下で前から来た。 気配を感じなかった。 ここのメイドだ。何度か会ってるんだが この女若いがただ者じゃない気がする。 ニコニコしてるが嫌な感じだ…刑事の勘だな 「ええお邪魔いたしました」 通りすがったら後ろから 「あまり余計な詮索はされない方が宜しいですわよ刑事さん… 身の破滅になりますわよ?」 警戒してるのはお互い様のようだな 「ご忠告どうもメイドさん…貴女こそ、 その張り付いたようなつ・く・り笑顔が 剥がれないといいですな……フッでは失礼」 互いに睨み合って俺は立ち去った。 自宅のPCで確認したらやはり黒だった。 担当事件の証拠以外に立花グループのこれまで全ての悪事がびっしり詰まったファイル だった。 これだけで立花グループと関連してる連中は一掃も出来る。 まさかここまでとはしかしAREXとは何者だ? ゆきではなさそうだし、違うと願いたい。 社長も違うとなると専務か? それとも隠れ蓑にしてる大物か? あるいは形だけのカモフラージュか? 考えるほど謎だ コイツの正体を探らないといけないが、 恐らく楓や大翔が危険になる。 相手が相手だからな…… 当然奪ったのは既にバレてるか 時間の問題だろう。 調査が入る前に公安部の古い知り合いにそっちは任せて俺は少し家族と距離を置こう。 最悪の事態を考えチップはどうするか、、、 取り返されるのは絶対避けねば 実はいつも身に付けてるこのゆきへの愛の指輪とペンダント、昔ゆきと撮った写真の奥に隠し鍵を閉めた。 ケースにしまい、大翔の引き出しの見つかりづらい位置に隠した。 箱の事は話さず 大翔に鍵だけ厳重に隠すよう渡したら、厳重に隠したようだ。 戻るまでの間だけだ。 まさか子供に託すとは思わないと願いたい。 ゆきなら大翔には手を出さないと信じたい。 そう思って託した。 万が一手を出すようならチップを人質に仕返すまでだ。 数日俺は楓に出張と伝えて車で1人捜査を開始した。 だがすぐに展開はあった。 電話が誰だ? 《久しぶりだな宏》この声は間違いなく 「相澤潤一か?」 《貴様が盗んだのは知ってる。 今夜指定した場所に来い…分かってると思うが1人でだ。電波は傍受してる誰にも連絡もせずチップも持って来い。 さもないとここにいる隆之のケツ穴に銃弾をぶちこむぞ?そんな事させないでくれな》 予想外にも家族でなくゆきを人質にしたか…クソ流石潤一だ…俺の弱みもよく理解してる 「分かっただからゆきに手を出すな…」 夜中俺は指定された田舎の人通りのない場所に呼ばれた。恐らく始末する気だろ。 奴等なら偽造も出来るだろうしな。クソッ 銃の携帯や防弾ジャケットも着てない。 丸腰だ。だがデータは渡せない 最悪消されても場所は奴等には分からん。 桜木達には前日に軽く伝えてはいた。 後は任せるしかない。 最悪は見つからなくてもいい。 つまりデータがなければ立花グループの動きに制限がかかり、奴等の何らかの壮大な計画は進められないからだ。 チップがある内はこちらが優勢だ。 潤一を上手いこと確保出来ないかか命懸けの賭けだ。 だが奴も1人じゃないだろう。 仲間を配置につけてる可能性もある。 楓大翔、ゆき本当に済まない。 ガチャン……なっ! 後ろから銃だな間違いない…潤一か? 「動かないで下さい刑事さん? スマホは下にだして拳銃や装備品あるなら ゆっくり出して捨てて下さい」 あのメイドか! やはり何らかの訓練を受けてるな。 気配がなかったし、明らかにプロだろう。 「これだけだ、銃や警棒もない、ゆきは?」 「やぁ宏、本当に久しぶりだな。 隆之は屋敷だ。 2度と会えないお前を待ってる。 アイツには宏は返しに来るそうだと伝えたら浮かれていたな」 「ほぅ潤一……いやAREXと言うべきかな?」 「・・・やはり見たか… 流石宏気づいていたか」 「まぁ薄々な、よく考えたら お前の家族が社長や専務そして 立花の血筋はお前とゆきの息子達だけ。 子供らがNo.1で黒幕とは思えない。 つまりAREXは実際お前か妹しかあり得ないが、今回の電話してきて確信したよ」 「ああその通りだ。 だがAREXは別にどうという事はない。 俺の計画ではAREX等必要はもうないからな。 全員消して隆之を俺の嫁にするだけだ。 会長を裏から操り国を陰から発言出来る程に権力を蓄えてな」 「その為にお前達は裏で虐殺や金銭で悪事を繰り返して、更に揉み消すか? 昔からお前は政治や法律、強硬的なくらい 思考、理想にうるさかったがやってる事は クズの極みだな。 金か消すかしか能力のない そんなお前なんかに国は変えられねーよ…… 所詮腐ってる政治家とお前は変わらないな」 「黙れ!チップはどこだ? お前は隆之の心を奪い、チップまで奪い、 ハアだがお前が消えれば立花グループも 隆之も俺だけの物だアハハ」 「俺とゆきは伊達に愛し合ったわけじゃないさ、お前はゆきへの愛情表現をいつも間違えてんだよ。もうやめよう ゆきは会長だが恐らく会社に利用されてるんだろ?もうゆきを解放してやれ」 「ならチップを寄越せ!」ガチャン 「それは無理だ。 残念ながら俺もお前にも見つけられないさ。 それに俺は警察官だ… お前達のようなテロリストを放置させるのはもっとしたくないから… 潤一もう終わりだ罪を償おう…オラッ」 ドシッ! 賭けるしかなかった。 コイツは説得は通じない。後ろの女もな。 2人を戦闘不能にして捕まれないか。 潤一の銃を蹴り飛ばし、怯んだ瞬間に 「潤一様」 後ろのメイドも何故か一瞬隙が出来た。 今だ!コイツ潤一に忠実みたいだな。 隙は見逃す手はない! 素早く銃口から体を避けて腹部に中段蹴りを入れ…怯ませた衝撃でメイドが銃を落とした。 銃が手に入れば勝機はある。 俺は取ろうとしたが先潤一が自分の銃を取ろうとした……クソ距離がある 先回りし、足で遠くに蹴りあげたら 掴みかかられ格闘になった。 だが2対1は部が悪い…潤一と戦闘中 メイドが再び銃を取り銃口を向けてきた。 チッ!潤一とやり合ってたら時間が掛かる。 クソッダメか………次の瞬間 バァン! 「ブハァッ!……」ドタ! 後ろから撃たれた心臓か? 意識……がなく………… 《ゆ…き…》 同時刻 立花家屋敷内 《立花隆之視点》 宏?……なんか声が聞こえたような 気のせいかな……なんか胸騒ぎがする 大丈夫…宏は帰ってきてくれた。 僕らは仲直りしたんだ。 チップはじゅん達が受け取るそうだ。 当然宏には手は出さないよう伝えた。 あの時アレを盗んだのは許せないけど 宏は僕の愛する旦那様だ。 もうすぐ会える。 早く来ないかな…待ち遠しいよ。 ちょっと遅いのが気になるな でもあの時エッチして分かった。 宏は僕をずっと愛してくれてる。 でも当たり前さ 7歳の時から愛し合ってたんだ。 僕から離れられる訳ないし、宏の事なら誰よりもなんでも分かる。 今までに2人で逃げようと言ってくれたら 僕は迷わず着いていったのに…… 彼は真面目過ぎなんだ…… 昔よく喧嘩もしたね。 僕がワガママだから下らない事で…… 《宏の浮気者!》 《だから違うってゆき!》 《だってだってだって! アイツちょっとお嬢様だからって宏を僕から取ろうとした! 僕の方が大好きになってお金もウチの方があるんだから、なのに宏はデレデレしてるし、バカ!》 《ゆき…やましい事はないから信じてよ。 告白断ったのこっそり聞いてただろ? 俺が好きなのはゆきだけだから》 《本当に本当に僕だけ? 離れていかないよね?》 《結婚して一生そばでゆきを守るって 約束したろ?》 《宏…絶対約束だよ?》チュッ 一生そばで守る…今度こそ約束したんだ。 アレが戻ったらまた会ったら、 今 度こそ警察なんかやめさせて 僕の側にいてね………宏

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