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貰い物-5-C-

 中と外とで吐き出された熱。ぐ、ぐ、と更に奥を貪ろうとするように腰を揺らされ、洋佑の足が頼りなくふらふらと揺れる。 「ひ、ぁ……、ふ、……」  だらしなく緩み切った表情。口端から伝い落ちるものを佑がそっと拭ってくれる。 「……」  そのまま啄むように口付けられる。何度か唇を食んだ後、身体を起こした佑は、洋佑の下腹をそっと撫でる。 「……洋佑、さん……」  名前を呼ばれて返事をしようとするが、上手く声が出ない。鈍い動きで自分の腹へと触れる佑の指をそっと握った。 「…洋佑さんの中……すごく熱い」  指で肌を押されると、中に埋め込まれた熱が震える。びく、と全身が反応を返す様に、佑は嬉しそうに笑った。 「んぁ…、…だ、め……」  大袈裟に反応を返してしまう。震える性器の先から、とろりと残滓が零れ落ちる。それを見た佑の指がそっと性器を包み込むように絡められる。  緩りとした動きで根元から先端へ。中に残っていたものが押し出されるように溢れてくると同時、新たな熱を呼び起こされるようで、洋佑は泣き出しそうに顔を歪めた。 「ぁ、ア…いっ、たばっか…だから……!」  震える指に制止する力はない。ひくひくと震える腹。中に埋め込まれたままの熱を締め付ける肉壁は蕩け切って、些細な刺激も逃すまいと佑の性器へと絡みついた。 「…、……洋佑さんの中…凄い…気持ちいい」  恍惚とした口調。洋佑の性器から扱きだした残滓を下腹へと塗り付けるように指で撫でながら、佑はぐ、と腰を押し付けた。 「あ!………ぁ、…」  大きく体が仰け反る。首輪につけられたままの鎖が音を立てて肌を打つ。 「…た、すく……」  羞恥と快感の大きさに声が濁る。洋佑の目の端から零れ落ちる涙に気づくと、佑は静かに動きを止めた。 「……ん。……ごめんね、気持ち良すぎて……無理させちゃったね」  両手をベッドについた。名残惜し気に顔を見つめた後、静かに腰を引こうとした。  が、動きが止まる。 「……洋佑…さん?」  体を離そうとする動きを阻むよう、洋佑が太腿で佑の腰を挟み込んだからだ。自分でも驚いたように目を瞬かせた後、洋佑はベッドについた佑の手にそっと重ねた。 「……あ、……抜かないで……、ほし、」  重ねたままの指が震える。 「……も、と……佑がほし、…から……このまま、で……」  中に埋め込まれた熱を締め付ける。抗いがたい快感に佑の表情が厳しくなる。 「っ…でも。……このままだと、僕……」  既に半ば力を取り戻している佑の性器が洋佑の中で跳ねる。脈を強めるその感覚を確かめるよう、一度強く絡みついてから解ける。 「い、いい……から……無茶、していい」  重ねた指を引きはがすと、腕を辿って佑の方へと滑らせる。頬を包み込んだ後、力のない笑みを浮かべた。 「俺……もっと……、佑が欲しい……」  すり、と内腿を佑の腰に摺り寄せた。足を絡みつかせると、自分の方へ引き寄せようと力を込める。 「……よ、うすけ…さん」  佑の声が掠れる。少しの間を置いた後、シーツの上に置かれた手が震える。同時に、ぐ、と腰を突き上げられた。  洋佑の声とベッドの軋む音が混ざり合う。ちゃり、と跳ねた鎖が鳴り、絡みつかせた足が解ける。 「……あ、あっ…ふ、……──ア、…」  洋佑の声と絡みつく肉に煽られたように。佑はシーツに爪を立て、激しく腰を振りたてる。一突きするごとに吐き零したものと潤滑剤の混ざったものが零れ、粘着質な水音が嬌声に混じる。 「洋佑さん……洋佑さん、……ッ……」  快楽も何もなく。ただ欲する心が強すぎて、何度も何度も腰を打ち付け、時折、中を掻き混ぜるよう体を揺らす。  ふらふらと揺れる足。佑の下で身体をくねらせ、嬌声を上げる洋佑の肌に、幾筋も汗が落ちて流れていく。 「……ひ、ぅ…───、………っ」  行為の激しさに言葉にならない声が上がる。ばつばつと肌を打つ音が一瞬止まった。ふるりと体を震わせた佑が、眉を寄せて口を開く。 「……――っ……ッ出、…っ……」  呻き声のように呟くと同時。ぐ、と腰を押し付けられた。一番深い場所へ性器の先端を擦り付けるように。一度だけでは足りず、二度、三度、と震える性器の先から溢れだす白濁。  堅く眼を閉じて体を震わせた後、ゆっくりと眼を開いた。 「……洋佑、さ、ん……」  ぽたりと汗が落ちる。半ば倒れ込むような形で洋佑の上に覆いかぶさり、こめかみや髪へ唇を寄せ、緩く食まれる。  互いに荒い呼吸を繰り返し、は、は、と乱れた息だけが部屋を満たす。  佑、と名前を呼ぼうとしたが声が出ない。代わりに汗で滑る肌に腕を回して静かに抱きしめた。 ──洋佑さん。  名前を呼ばれた気がする。返事をしなければ、と思いながら洋佑は静かに眼を閉じた。

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