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第3話

アイツ…俺にあんなこと言っておいて、やっぱり女の子取っ替え引っ替えしてんじゃん!良かった、付き合わなくて…と自分を納得させようとするが、やっぱり許せない。最後の、あの時の顔は何だったんだよ!本当に失恋したような顔してたくせに…くそーっ。 「おい、お前!」 階段の下にいるヤツに向かって叫んだ。 「やっぱり、あの時言ったこと嘘だったんだよな!良かったよ、あの時断って!本当に!こんなヤツ…信用しなくて良かったよ!」 まとまらないこと言ったけど、文句の一つでも言えたから少しスッキリした。言うだけ言って下にいるコイツにぶつかりながら走って下駄箱に向かった。今更、恥ずかしくなって、猛ダッシュで靴を履き替え走った。 しばらくすると、グッと腕を掴まれた。驚いて振り向くと、そこには必死で走って追いかけて来たのだろう…息を切らすアイツがいた。 「な、な、何だよ!」 「はっはっ、待って。はーはー…りんちゃん…来て」 また引っ張るようにしてコイツの家に連れてこられた。 「何だよ!」 「りんちゃん」 引っ張っていた手を、さらに引いて抱きしめられる。 「りんちゃん、やっぱりダメ?」 「何がだよっ」 「付き合おう?」 「嫌だ…」 「りんちゃん…」 「だってお前、いっぱいいるじゃん…そーゆー相手。 俺はヘタクソだからお前を気持ちよくして上げらんないけど…だからと言って他のヤツとされるのは嫌だ。俺は俺だけ好きになってくれなきゃ無理。だから、お前とは付き合えない。だけど、あんな事言ったくせに、少しでも考えたのに…ムカついたから文句言っただけ。」 「りんちゃん、考えてくれたの?俺が他のヤツとしなければ付き合ってくれるって事?」 「まだ、分かんねーけど、これからの態度次第で考える。信じらんねーもん」 「分かった。待ってて。」 ソファーに座って携帯で何かをしてるコイツをチラチラ見る。数十分後 「今、関係のあるヤツ全員消した。これからは、りんちゃんだけにするから」 「まだ、付き合うって決めてない」 「うん、待ってる。りんちゃんに振られてから何人かとヤった。でも、ヤり終わった後、りんちゃんに会いたくてしょうがなかった。それを、埋めるように、また違うヤツ抱いて…」 「もういいよ!お前っ、本当動物だな!でも、ちゃんと考えるから…」 「うん」 それから、またソファーに座るコイツに跨って座ると、ぎゅうぎゅう抱きしめてくる。 「お前、そんな体格なのに甘えただな」 「///…こんなヤツ嫌?」 「まぁ、、俺にだけならいいかも。可愛いヤツ 笑」 しばらく抱き合ってその日は帰った。 次の日、あんな所で叫んだもんだからアイツといた女の子は置いてけぼりをくらって俺に怒っていた。体育館裏に一人で来い。と呼び出され、今に至る。 「てかさ、あんた何なの?前にも、私にぶつかって来たよねっ。私に恨みでもあんの?」 「いえ、ないです。あの時も昨日もすみませんでした」 「…で?大輝とはどんな関係なの?」 「いやーそれは、言えないって言うか…はは」 「何笑ってんのよ。正直に言いなさいよ」 「っいや!すみません!これは言えないって言うか言っちゃダメだと思うから勘弁してください!」 「最近のアイツの態度がおかしいのはあんたが絡んでんでしょ?セックス終わっても何か心ここにあらず…みたいでさ。かと思えば、いきなりもう私とはヤらないって言い出すし…まぁ、私だけじゃなくて他の子もだけど」 「いや…それは…」 「いいのよ、別に。私たちセックスはするけど、お互い恋バナもする仲で付き合ってるとかではないの。聞いてもらう方が多いけど、最近は、ふと寂しそうな顔するのよ、あの大輝が。それが何なのか気になるだけ。それを、あんたが知ってるんじゃないかって思ってね。…で?知ってるわよね?」 「こわっ!」 「大輝には言わないから」 これは、話さないと終わらない気がして、ことの顛末を話した。

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