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腐れ縁Days!#1

  ――携帯電話から憎いあいつからの着信mailが昼間の学校の授業中に一通届いた。 〈こんな時間から送るな!〉 携帯画面を見ながら授業中に心の中で憎いあいつに呟いた。  クソ蓮爾…っ!! あいつと出会ったせいで俺の人生は全部パァで。その上、今じゃお先真っ暗の一歩手前の人生を辿ろうとしていた。希望にみちた明るい高校生活とは遥かに縁遠い。苛立ちながら舌打ちをすると、メールをクソッタレな憎いあいつに授業中すぐに返信をした。 〈こんな時間から俺にメールをしてくんな!!〉 早打ちしながら速攻あいつに返信をした。あいつのメールなんて、見なくてもわかる。あいつはいつも俺に●●関係のmailしか送って来ないからだ。俺にとっちゃ、気難しい授業の内容よりも。あいつの内容の方がフルでわかりやすかった。 俺は携帯電話を上着のポケットに仕舞うと、机に頬づえをつきながら何気なく心無しに一人でため息をついた。疲れたようにため息をつくと、隣の席に居た男子生徒。上杉薫が人懐こく聞いてきた。 「ねぇねぇ、春輝いまの誰?」  俺はめんどくさそうに適当に答えた。 「犬から!」  薫は俺の言葉に苦笑して、笑いながら言った。 「犬て誰だよ? アレ、お前ん家って犬飼ってたっけ――?」 薫は不思議そうに首をかしげた。俺は、あやふやに適当に答えた。 「最近、飼ってる」 俺は心の中で再び自分に呟いた。飼われてるのは寧ろ俺の方だ。俺が寧ろあいつに飼われている。この場合そっちの方がフルで正しいし。その方がわかりやすい。俺は心の中でそう自分に正論して自分の今いる現状を正した。 ムカつく。俺が犬ならあいつが俺の『飼い主』か――? その場でイラつくと、自分の机をバンと大きく叩いた。授業中だった為、国語の教師の谷村に直ぐに注意されるとクラス全員がその場でくすくすと笑った。俺の横にいる幼馴染みで天然のお人好しの薫が、指を指して口を押さえながら笑った。 「あはははっ! バカだな春輝~! 谷村に注意されるなんてさ、お前らしくもない!」 薫はそう言って俺に指をさすとアホみたいに爆笑しなが笑い続けた。さすがにイラつくと薫の足を容赦なく思いっきり踏んづけた。 『いてぇっ!!』 今度は薫の大声にみんなが注目して、国語の教師の谷村が自分が持っていたチョークを薫に対して投げ飛ばして来た。谷村のコントロールは、正確だった。手慣れたチョークの投げつけ方は見事に薫の額に命中した。薫は痛そうな顔をしながら席から立ちあがると怒鳴った。 「おい、谷村ふざけんなっ!!」 谷村は薫の口の聞き方に苛つくと、再びチョークをバシバシ投げつけた。そして、チョークを薫に投げつけ終わると、顔を激昂させながら校庭3周をその場で命じた。  それはまさに鬼の形相でナマハゲのような顔になっていた。薫は渋々自分の椅子から立ち上がると俺に一言言い残した。 「春輝のせいだからな…――!」 薫はそう言って教室を渋々出て行った。俺は薫を見送ると、谷村の授業を真面目に黙って聞く事にした。

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