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  ――301号室の部屋のドアをノックすると、バカ蓮爾がニヤケた顔をしながら出てきた。そのままドアの前で寄りかかりながら凭れると、両腕を組みながら一言「入れ」といって部屋に招きいれた。俺はドアの前で奴に向かってキッと睨んだ。奴は視線に気づくなり、クスッと笑った。 「何だハル。今日は随分と、ご機嫌斜めだな? せっかく俺達2人だけの濃密で濃厚な"愛の時間"だと言うのに。フッ…――」  そう言って蓮爾はSっ気タップリにニヤリと笑うと、後ろを向くと奥の部屋へと入って行った。俺は蓮爾の後ろから遠巻きで見つめると片方の肩にかけていたスクールバックをグッと掴むなり。沸沸と苛立ちが、こみ上げてきた。そして鞄を強く握り締めた。感情的になると持っていた鞄をおもいっきり投げつけた。 『腐れ外道死ねっつ!!』  俺は蓮爾に向かって言い放った。と言うか、奴にはその場で死んでくれと願うようにバックを力一杯フルで投げつけた。俺の殺気に奴は気がつくと瞬時に素早い動きでスクールバックをかわした。奴の素早い動きに、おれは自分の心の中で思わずツッコミを入れた。  なっ、なんて事だ――!? この距離的位置から投げた鞄を素早い動きで見事にかわすとは……!? これが、腐れ外道蓮爾の恐るべき驚異的な身体能力だと言うのかっ!? バカなっ!!  奴に驚愕しながら震撼していると、蓮爾は鞄を可憐によけて自分の前髪を軽く片手でキザにかきあげた。 「ハル~今からそんなに熱くなってたら後でもたないぞ? クスッ。」  やはり腐れ教師こと、クソ蓮爾は鬼畜でサドの座に相応しい程の妖艶な微笑を浮かべて、クスッと笑ってきた。眼鏡を外して笑うと、自分の余裕を堂々とみせつけた。悔しさの余りに蓮爾に強く言いはなった。 「スパイゾルゲくそ蓮爾! てめ~調子こいてるのも今のうちだからなっ!?」  俺の言葉に奴は目を丸くすると、その場で腹をかかえて可笑しそうに笑った。その態度にムカッとなると奴に向かって、今度は自分の履いてた靴を脱いで奴の顔面に向けて投げつけた。 『死に腐れろ~~っ!!』  因みに靴の前には、鋭い鋭利な刃物が飛び出る様に仕込まれている。いつか、奴にとっての命日を築いてやろうと思った俺は、夜な夜な毎晩家族が寝静まった後に一人で薄暗い部屋で仕込み靴の開発に打ち込んでいた。そう、神田川に出てくる歌の母さんが夜鍋で手袋を編んでくれたの如く、俺は奴に憎しみと怒りをぶつけながら仕込み靴を作り上げた。 『ガチで今日がお前の命日だくたばれっ!!』  そう言って祈る様に靴をおもいっきり投げつけた。鋭利な刃物が仕込まれた靴が蓮爾の顔を襲うと、タイミングが僅かにズレただけで左頬を軽くかすめる程度だった。

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