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9.※

「は······ぁ、ん······っ、け、い······さ······もっ······と、っと······」 カリ首を包み込むように手を滑らせ、扱くと姫宮も一緒になって腰を跳ねさせた。 その弾みで唇が離れてしまったが、この際気にしていられない。 発情期(ヒート)の時、前にも誰かに慰められたような気がする。誰だっけ······でも、誰でもいい。とにかく、気持ちいい······。 「これで、いいのか······」 「んっ! イイ、イイのッ! 後ろも! 後ろも弄ってぇ!」 空いていた手を取ると、そのまま愛液で溢れた後孔に誘う。 戸惑う指先が孔に導かれた瞬間、声にならない嬌声を上げ、御月堂に包まれていた自身から、透明になりかけた乳液が飛び散った。 肩で息をしていると、「大丈夫か」と声を掛けられた。 「治まったか······──っ」 言葉を遮るように口付けた。 「ううん、まだ欲しいっ。慶さまの、愛が欲しい······っ!」 ちゅ、ちゅ、とついばみを繰り返した後、自身の唇を合わせるように口付けた。 さりげなく膨らんだ御月堂の雄を触りながらも。 「······っ! おい、そこを触るな······っ」 「だってぇ、苦しそうなんだもん······っ。ねぇ、お口に入れてもいい······?」 「口、って、どういうことだ」 「ナカに挿入()れてくれないのなら、口で慶さまのせーえきを飲むの······いいでしょ······」 「いいも、何も······!」 「じゃあ、飲むね」 鼓動を高鳴らせ、チャックを焦らすようにゆっくりと開け、下着をずらすと、むわっと汗の臭いを纏った御月堂の雄が、窮屈していたようで、飛び出してきた。 「やめろ、愛賀」 御月堂の制止を聞かず、愛賀は肺いっぱいに吸った。

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