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第33話
奏一に思いが通じた日、あのままずっと一緒にいたかったのだが、仕事に行かなければならず、ユイトは渋々ながら奏一の家を夕方には出た。休みをもらったばかりだし、さほど経っていないのにまた休むのも気が引けたのだ。仕事だから、仕方がない。本当は気持ちが盛り上がっていたのでイチャイチャもしたかった。せっかく自分の想いを告げることができて、奏一の気持ちも知ることができたのだが……おあずけとなった。
それに、夜に会えれば良いのだがユイトは夜の仕事なので、今の稼業が恨めしく思える。会いたくても会う時間が限られてしまうことが、もどかしくて仕方ない。
いっそのこと、今の仕事を廃業してしまおうかとも思うくらいだ。とは言え、実家に仕送りができているくらいのユイトだが、今の仕事を辞めたとしても違う仕事をしていけるのだろうかと、自分でも謎に感じてしまうのだ。以前新社会人として会社勤めをしたことがあったが、ホストを始めてしまってからは、なんとなく、以前のようには戻れないような気がする。まぁ、将来もどうなるかわからない世界なのだけれど……。
結局、告白の後からは何日も会えず、次に会えることになったのは次の金曜日、ユイトの休みの日だった。
告白した日の次の日は日曜だったし、時間を作って会いたかったのだが、今度は休日出勤になってしまったという経緯がある。
これまで会う時は、奏一の家ばかりでユイトは自身の家に呼んだことがなかった。自分から呼ぼうとしなかったというわけではなく、単に奏一の家に行くのが通常になっていたからだ。今になって、奏一を家に呼んでいなかったことに改めて気づいたのだ。
そこで、ユイトは今度こそ自分の家に奏一を呼ぼうと決めた。
そんなに派手な暮らしをしているわけではなく、ユイトの部屋はごく普通の一DKだ。豪華とは程遠いのだが、想いが伝わったのなら、好きな人を招きたいと思った。
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