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第51話
「バカだなぁ……せっかく君と付き合えるようになったばかりなのに……そんな裏切る様なことするわけないだろ?確かに、見合い写真受け取ったのはまずかったけど……」
「俺なんかといると……その……世間体とか良くないんじゃないかと思ったんだよ……」
奏一の方も見ずにユイトが言うと、奏一はパチパチと目を瞬きした。そして、隣からユイトを抱きしめてくる。
「そんなこと心配してくれてたんだ……嬉しい……でも、そんな心配はする必要なんてないよ」
「なんでだよ」
ちょっと嬉しかったが、ユイトは少々ぶっきらぼうに尋ねた。
「俺、いずれ機会作って君を親に会わせようと考えてたんだ。この人がいるから、結婚はしませんって言うことも兼ねてね。第一さ、君がいるのに裏切る様な事すると思った?」
「……そんなことはない……信じてる……悪かった……俺の方も。そうだよな。奏一にしちゃ信用されてないと思っても仕方ない……それに、暴走しちまったこともごめん……」
ユイトが素直に謝ると、奏一の手が伸びてきてユイトの頭を撫でた。
「いいよ。たださ、君がいないとどうしていいかわからなくなる。世の中真っ暗になってしまうよ。俺のこれからには、君がいないとダメなんだ。だから、もう二度と突然いなくなんないでくれよ……」
ユイトを抱きしめる腕に、ユイトは手を添えた。そして、今回自分が勝手にいなくなったことを反省する。
「うん……」
「しかし、メールも電話も繋がらないし、家も引っ越されちゃって、本当に焦ったよ。だから、店に会いに行くしかないと思ったんだけど、行っていいのか散々迷ってね。それで、今になった。……ずっと会いたかった……もう離れないでくれよ……好きだよ……ユイト君……」
「俺も……」
二人はどちらともなくキスをした。
Fin
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