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第1話

 [離婚してくれ] 浮気が原因だった、数週間前に奥さんと別れイヤイヤ期2歳児親権はこちらが持ち親とも縁をきった、仕事もうまく行かず数年続いたが体調不良により退職。しばらくは退職金で賄えたがそろそろ限界だな、保育園の付きあいもおろか、ママ友の噂になり標的になった息子、遥(ハルカ)は虐められていると。ハブかれていると園から状況を聞いて、子育てに疲れていた時にボーと、タオルを顔を隠しベンチを占拠してる良い歳したスーツ姿のオッサンが16時32分くらいに座ってだらけていた、よく、日向ぼっこ出来るな。遥近寄るなコッチで遊びなさい。  職を探しながら、子育て、貯金とコロナ禍流行る病気おおいし、特に資格もない、営業サラリーマンだった、売り上げノルマも達成できず帰宅したらイライラする元妻に、うまく関係を保たないような親とも縁をきり、万が一息子になにかあったらいけないからと電話番号は残してあるが一切ラインもしていない親戚の前ではいい顔するような両親だった、適当に嫁をあしらって無視も平気にしたりマウントしかとらないような俺も正直だからな、疲れていた。コレくらいしか特技はない。  [そんなとこいたら、日干しになりますよ…] [ん…?] ムクっと、ダルそうに冷感タオルを降ろしながら俺を見てきた。 泣けなし140円水を手渡した。 [よかったら] [いいんですか?後悔しますよ俺なんかに…] [2本くらい一緒ですから…暑いですね毎日毎日] [本当にありがとうございます、電気代節約ですよお恥ずかしい。お子さん座りますか?帰ります] う、わ、たかい…190センチくらいあるんじゃないか?図体しっかりしてるし、見上げてしまった。 ヨレヨレスーツに意味のない冷感タオル首に巻き頭を下げてきた、給料日前だから本当に助かりました。お恥ずかしいと、ニヤニヤした男。ちょっとだけ天然が入ってるのかモサモサ系だ…短髪…高身長、なんの仕事してるんだろ。募集かけてないかな… [なんのお仕事なさって…] [ゔぇぇ…パパ…!] [は、遥!どしたっ] 急に痛がり泣き叫ぶ遥に近寄ったスーツオッサンもきてビックリしたが、手を見せてみなさい。 [血が、なにで切ったんだ!大丈夫かっ] どうしよ、とりあえずアルコールシートで [アルコールでは染みたらいけない、とりあえずせっかく頂いた水で流しますね大丈夫、ちょっと貸してごらん。染みたらコッチの手を上げてね]  子供に慣れた優しい口調にて、草むら中でなにかで切ったのか、右手の人差し指を男性に預けた。ペットボトル水を流し冷感タオルで冷やししばらく抑えた。  [大丈夫かい?] [す、すみません冷感タオルが…] [気にしなくていい、とりあえず止血しないとかなり不快な良かったら近くにアパートあるんで来ませんかまだでるな…病院も閉まってるだろうし]  情けなく頼ってしまった… [すみませんお言葉に甘えて…] [お利口さんに出来るかな]  まだ泣いてる息子冷感タオル抑えながら抱っこし隣のパーキング駐車場へ、白のFDがみえた、スポーツカーだ、ド緊張だ。血で汚してしまったら…賠償金が倍に?!スポーツカー見るのは好きだ、FDも憧れだった…まさか、の。少し嫉妬心が搖らいでしまった、助けてくれたヒトがスポーツカー乗りって。  し、失礼します…恐る恐る息子もスポーツカーがすきでトミカを集めているド緊張したのか顔が固まり内装をキラキラした目でみていて泣き止んでいた。 [スポーツカー好きかい?良かった五月蝿くてごめんね] [いえ…むしろFDに乗れるなんて、羨ましいです] [ありがとうございます、乗ったらもやしナムル生活ですからね…久々食べたのが生徒に手料理してもらったんですよお恥ずかしい不健康だってね] [きょ、教師さんなんですか…]  久々会話した、会話ってこんなんだっけ……天井ギリギリだし、このヒト…体がデカい教師に振る舞う生徒も気になる。話し、直ぐに教師をしているスーツオッサンアパートについてしまった。息子のためだ、初めてのひとの場所についてくなと習ったが、仕方ない病院費も払えない無職ですとニヤニヤしてる俺の顔を真顔で見てきた。  ドク…っ ビックリした、目があった…他人と。 初めて30分前に会ったデカい男、二部屋アパート一人にしてはデカいだろね羨ましい。綺麗にしてるとゆうか使用感がないキッチンリビング、テレビ、ゲーム機に興味津々、遥。  [いいよ、好きなゲームやってもまだわからないか…] [これなら、多少は…僕も持ってましたから]  金がないから売ったんだよな結局時間もないし、ゆっくりできないし… 携帯ゲーム機を貸してくれたうえに、包帯まで巻いてくれた。感謝しかない、まだ捨てたもんじゃないですね世の中。物価も上がり光熱費もあがり、一人で子育てなんて正直無理だ、と貯金も二桁切ったが職も見つからないんだ。いっそのこと体を売ってしまおうかと、声をかけたつもりだったが… [お時間ありますか?今日は元々休みだったんですけど、生徒がヤンチャしましてね…やれやれですまよ、良かったら珈琲いけますか?なにか好きなものあれば]  [珈琲すきです…] [俺もすきです…珈琲] なんか、凄い落ち着く…椅子。 うん、椅子だ、場所じゃなくても椅子に座れたことが他人が淹れてくれる珈琲なんて贅沢やな… [ミルク砂糖は?] [両方いれます、手伝います] [ゆっくりしてください] ゆっくりしてください、初めて言われた。 結婚してからとも結局バツイチになってからも、親からもいわれたことない言葉をこのヒトは持っている。  素直に嬉しかった。 [どうぞ…] […っ]渋く低いいい声だし、スポーツカー乗っていて仕事もうまくいっていて、俺はなに一ついいコトなんてない。  ポタポタ…っ、す、すみません。勝手にでてきた涙を拭った。 震える唇…[僕にも子供がいたんですけど、事情で別れてしまって親権は向こうに…会ってないんですが成長してる写真だけ許可が得てね…たまに連絡がくるんですよ。お恥ずかしいながら、姑コビリが原因で奥さんがつかれてしまって縁を切りたいと理解力が僕には無かったんです…すみませんこんな話を小さいお子様いるのにしてしまって] [僕も一緒ですよ…姑関係で親とも縁を切り、嫁さんから離婚を切り出されて…バツイチになってしまいました] なんだか、境遇一緒?女関係ゴタゴタして親ガチャではないが、事情が事情子供はいたけど写真だけ会えるのは、逆に申し訳なくなった。会いたいだろう、教師もコロナ禍で消毒しまくりクレーマー対応に昼休憩も無いとテレビ特殊最近みた。  休みもほとんどない、残業続きだし部活があれば大会もあるだろう…盆休みはないのだろうか。  話が弾み夕暮れサイレンがなった… [すみません、こんな時間まで…!] [いやこちらこそ話が弾んでしまっま、嬉しかったですあのもしよかったら、連絡先交換しませんか] [あ、は、はい……こちらこそお礼がしたいですしまたお茶奢ります僕が] [またおいで、名前聞いていいかな] [はるかだよ!ありがとう…おじちゃん] [こら、お兄さんだろっ] [はは、子供は素直が一番。お父さんが元気にお守りとして、ストラップあげるよ。お利口さんできるかなまた、良かったら遊びにおいで] [あの、どちらの学校の先生ですか?] [〇〇高校です、〇号線沿いの] [あー…わかりました、今日は本当に助けて頂きありがとうございます] 頭を下げたら、息子も真似し頭を下げた小さい体で。成長したな、感動しながら玄関ドアを閉めた。  バイバイ返してくれる、本当に優しい人に声をかけてしまった。 教師に、スポーツカー、携帯ゲーム機に付いていたストラップを息子が嬉しそうに握ってニコニコしている。  まだまだ捨てたもんじゃないな、世の中。 [遥、ありがとう…] [ん?お腹すいたー] [今日はなにしよかねー餃子作ろうかっ] [いいねっ] また、カタコトしか喋れないが、発達も多少は遅れてる相談相手も居ない。ママ友すらいない、迷惑かけて園では一人ぼっちなってしまった。 息子には、本当に申し訳ないと思ってる。 [パパがんばるぞー] [僕も〜またあいたいなー] [だな…]  夕暮れが眩しかった、キラキラして目に焼き付けた。

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