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37 大輝の闇落ちの覚悟《大輝視点》
あれから深夜にブツが届いた。
光希は今寝てる。
カバンには全て揃っている。
Jの品は全て足がつかない物を扱ってる。
万が一しくじった場合の備えだ。
Jは明るみに出ない様メンバーも少人数らしいが実態は俺も詳しくは知らない。
実際俺もホムラ以外面識はない。
訓練も命令も仕事以来も奴から受けていた。
恐らくはそれも警察やモグリが入り込まないように対策してたんだろう。
ウチにも護身用に警棒と壁のある場所にスタンガンはある。外には持ち出せないから家での侵入者用だ。流石に銃は置いてない。
万が一サツが捜索しに来た場合を考えてだ。
咲哉には当時教えていたがな。
やはり2人にも奴が来る前に教えておくべきだった。
今届いたのは身体それぞれの部位に衝撃を和らげる
パットや防弾防刃ベスト…サバイバルナイフに、咲夜達には陽加を奪還してもらう為無線機も用意させた。
スマホでのやり取りはマズイからな。
後は拳銃二丁に念の為マガジン複数も用意させた。
当然サプレッサー付きでだ。
一丁はよくあるベレッタM92だ。
ちなみに俺は両利きだ。
どちらも相当訓練を積んできた。
もう一つは9ミリ拳銃を足に装備しておくつもりだ。
車も当日手配してもらい俺が運転する。
帰りは最悪俺が…
戻れない場合は咲哉に運転してもらう。
俺も咲哉も18で免許取ってるからな。
銃の事は内密にする。
咲哉も光希も反対する…絶対にな。
争ってる時間なんかねぇからな。
俺だって出来る事ならやりたくねぇよ。
だが相手が相手だ。
充分な装備をしていかないと逆に殺される。
あの時も奴は俺を殺ろうと思えば出来た筈だが奴は見逃したが次は殺されるだろう。
だが生かした事…後悔させてやる!
今度は心を捨てて本気の俺に戻って…な
《でも暴力はやだよ?さっき怖かった……
もう昔の大輝にもう絶対ならないでね?
もしなったら別れて出ていくからね?》
陽加……お前を助ける為には父親を倒さなきゃ、奴はいつまでもお前を追ってくるぞ。
俺がやるしかねぇんだ。
奴は銃は持っているのだろうか?
一応法律上は禁止だが奴もプロだったなら
所持していてもおかしくねぇ。
だからこそ油断は出来ねぇ。
この部屋は毎月全てが引き落としで俺が居なくても18になるまで俺なしでも充分暮らせる。
生活費も2人の為の金も金庫にそれなりの大金を入れてるからそっちも心配はない。
正面から勝負ではなく確実に仕留める。
処理も確実に行うが万が一俺が負けたらせめて共倒れにはさせなければならない。
仮に戻れてもそれは陽加の父をこの手で消した意味になる。また手を汚した事にも。
いくらクズな奴でも罪悪感はある。
片を付けたら俺自身もけじめは取る。
最後の闇の仕事の開始だ。
ウィーン
「ああ」
《情報は揃ったぜダークナイト…
伝えた上でお前の計画俺も聞いてやるぜ》
「随分早かったな」
《流石だろ?
ソイツの経歴が調べたら
すぐヒットしたもんでな。
名前は井上靖雄48歳今の住所は○○最近契約したらしい。
すぐ見つからない為移動したんだろうぜ。
米国籍持ちで20で渡米したなんと元CIAだ。
まぁグリーンカードさえあれば元の国籍関係なく試験や訓練さえクリア出来りゃ所属はできるから不思議ではないがな。
30で退職後帰国後に結婚し、1年後息子が生まれ嫁さんは直ぐに死んじまったそうだ、
それからはシングルだな。
恐らく陽加は何も知らないんだろうぜ。
帰国後は経歴を買われてか、
昔潰れちまったが
当時はかなり有名な大企業だった……
立花グループ…に奴は所属していた。
奴は会社の裏で雇われた暗殺部隊所属の
工作員の1人だったそうだぜ?
つまり俺らと同じくらい危険な奴だ。
奴自身は倒産後証拠もなく特に逮捕された記録もねぇな。
現在記録上には勤めてる情報はねぇ、つまり今も裏社会の人間なのかもしれねぇな》
じゃあ名字は井上陽加か?
アイツは米国籍まで持ってやがるのか、
しかも元CIAエージェント…
真っ正面じゃ確かに勝てねぇはずだ。
レベルが違いすぎる
それに立花グループ裏側の社員だった……って
久しぶりに聞いたが……
会社の不正が明るみにでて倒産にまでなり
世間でかなり注目を集めていたし、
そんな昔ではないし俺も当然知っているが…
陽加達は恐らく知らねぇかもな。
今は倒産したとは言えJでも要注意に入る程
危険な相手だったらしい。
まぁ俺が所属した時には既に倒産していたし、昔の話したがまさか残党がいたとは…
「そうか……俺の計画は決まってる」
《本当に良いのか?知ったら陽加って子は》
「ああ分かってる、だがもう決めた」
《ならさっさと仕留める事だな…
歳は俺とあまり変わらねぇが元CIAだ。
奴が勘づく前に仕留めろよ時間が勝負だ。
後躊躇うなよ?》
「誰よりも知ってるだろ?
俺は格闘より本当は銃の方が得意だと。
覚悟は決めた。
車明日の夜に停めといてくれ、夜中の方がやり易い。本当に最後の電話になるかもな。
世話になったなホムラ」
《ハハハ…珍しく弱気だな…
仮にもお前の元ボスだぞ、お前は勝てるさ。
負けたら俺の恥でもあるんだぜ?
だが抜かるなよ?ダークナイトとして戦え。
車は自宅前に停めて置けば翌日部下に引き取りに行かせる。
良い報告を期待して待つとしよう。
じゃあな》
思った以上のヤバい存在のようだ。
一瞬の隙が命取りだろう。
最後の手染めかあるいはこれを機にまた闇に戻ってしまうのか、最悪は……
とにかく明日全て片を付ける
早く済ませたい
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