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71 陽加のバイト体験

「い…いらっ…しゃいませ」 「そんなに緊張しないで? みっちり仕込まれたんでしょ?自信持ってね」 「はい…フゥこちらへどうぞ」 ここは悠里さんが働いてるドッグカフェだ。 前にバイトを悩んでる事話したら店長が 「ならウチで働いてみませんか?」 という訳で雇って貰えたのだが………… 数日前 「ダメだ!お前らはウチにいろ! サツにまたマークされても困る」 「大丈夫だよ大輝、中央町じゃないし、 新しい身分証もあるんだから」 「とにかくダメだ!バイト禁止、 俺の稼ぎで3人余裕で暮らせんだ」 「でも働きたいんだ俺も」 「この話は終わりだ、もう寝るぞ」 「大輝の分からず屋!」 「チッなら勝手にしろ!」バタン! 「勝手にするもん、バカ!」 大輝はその日はデスクやシロの小屋のある隣の部屋で寝たみたいでベットに来なかった。 なんであんな頑ななの? 初めて正人の時以来の喧嘩した。 光希は 「明日にはいつも通りになるよ」 とは言われたが朝の空気は重かった。 大輝はバイトだと言ってさっさと行っちゃうし。 俺もしばらくは接客や仕事を覚えて裏方をまず覚えて今日から接客も開始だ。 仕事は覚えれたが接客は緊張した。 悠里さんが付いて今日はやった。 最初は緊張したが慣れたろ会話等も出来るようになった。 結構仕事は楽しいもんだと分かった。 前みたいに身体売って稼いでた自分が情けなく思う。 何とか今日も無事に終わった 「陽加ちゃんお疲れ様」 「悠里さんお疲れ様です」 帰り道 「また明後日だね、 じゃあこっちだからまたね」 「はい、お疲れ様でした」 俺も帰宅すると2人とも夕食準備終えてた 「ただいま」 「陽加お帰りー今日はどうだった?」 「最初は緊張したけど慣れてきたろ楽しかったよ、悠里さんもフォローしてくれたし」 「良かったじゃんね大輝?」 「どうでもいい」 大輝はあれからずっと不機嫌のままだ。 「大輝お願いだから許してよ? ただ働きたいだけなんだから」 「ならウチの店来い!」 「もう働き始めたんだよ? 今辞めたら迷惑になるよ」 「ハァ……チッ分かった勝手にしろ、 とりあえず無理はすんなよ?」 「分かった、ありがと大輝」チュッ 「良かったね陽加」 大輝公認になった事で本格的に働き始めた。 悠里さんや店長や他の裏方スタッフも1人いるけど皆優しい。 1週間くらい経つとだいぶ慣れるもんだ。 「悠里さんは大学卒業したらどうするんですか?」 「僕はあの店で正社員になって経営も学んでくんだ」 「彼氏さんは?」 「彼は今はバイトしてるけど、卒業したら大手の不動産企業に内定もらってるよ」 「へぇ幸せな家庭になりそうですね」 「そうだね……陽加ちゃんはどうするの?」 「俺もしばらくはバイトします、 彼氏とも上手くいってますよ」 「それはなにより、あっあれ彼氏なんだよ、 じゃあまたね」 「はい」 確かに顔は大輝が上の上なら あの人は中の上くらいかな? いかにもインテリ系真面目タイプな大学生、 でも悠里さんも言ってたけどああ言う人程嫉妬深そうだし、固そうな人苦手だな 俺もダーリンの元に帰ろ ガチャ 「ただいまー」 「お帰り、陽加咲哉と最近連絡した?」 「ないけど咲哉に何かあったの?」 今度は咲哉が?…… 「あれから全く連絡がつかないらしくて大輝が調べてるらしいよ」 一体今度は何事なの?

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