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72咲哉の選択と最期 《大輝視点》

《だから調査したが不明だ》 「お前らが知らねぇはずねぇだろ? 咲哉が口止めしてんだろ? 店も辞めてたみてぇだし、 あの安藤刑事も辞表出して失踪したらしいじゃねぇかよ、体調悪そうにもしてた…… 言え!咲哉はどこだ?」 《チッ本当にしつこい奴だなお前は…… そんなに聞きてぇなら教えてやる。 だが聞く覚悟が必要だぜ?いいのか?》 「それは俺が判断する、言え!」 《ハァ咲哉は白血病、余命半年で今月には入院してもう寝たきりだそうだ、 恐らく持って数日だ、残念だ》 「お前は…その時から知ってたのか?」 《ああ》 「テメェなぜすぐ俺に言わなかったんだ! ならアイツはずっと無理して俺に協力してたのかよ!知ってたら俺は」 《咲哉に口止めされてたんだよ、息を引き取ったら遺言をメッセージで入れとけと指示されてな、後はお前のサポートを頼まれたらしてやれとよ》 「ふざけんな!口止めされてようがすぐ言えクソッタレが、病院教えろ!今から行く」 《大輝もしかしたらもう……》 「いいから言えーー!」 《○○病院だそこの○○○だ》 ツーツー 咲哉…あの馬鹿野郎!1番に相談して来いよ…… 「どうしたの?」 「咲哉に何が?」 「出かけてくる、ウチにいろ」 「えっ?何があったか教えて一緒に行くよ」 「そうだよ咲哉にも世話になったんだから」 「咲哉には時間がねぇんだ、白血病の余命は半年でもう入院していつあれしてもおかしくねぇんだとよ……」 「そ…そんなぁ」 「咲哉が白血病?」 「嫌な予感がすんだ、 早く行かねぇと……行くか?」 「「うん」」 俺らはタクシーで咲哉の病院に急いだ。 面会時間は今夕方だが夜までだから入れた。 部屋前に着くと既に医者とかが居て呼吸が低下してるみたいだ。 咲哉は最後に会ってから1ヶ月経ってないのに痩せほせて顔色も悪く意識もギリギリなんだろう。 チキショー! 俺は…なんで気づけなかったんだよ! 「咲哉一体なんでこんなことに……」 「悪い2人は座って待っててくれ……」 俺は最後2人きりになりたかった 「分かった」「俺っちらは待ってるね」 中に入ると担当医か? 「貴方は?」 「俺は……咲哉の恋人だ」 「申し訳ないですが親族以外は……」 「その親族は来てんのかよ?なぁ?」 来てる訳ねぇだろうな、 死んだら来るくらいどろ 「それは……」 「俺は6年の付き合いだ 咲哉はどうなるんだ?」 「実は西森さんの呼吸機能が低下してます、 残念ですがもう……」 「……2人きりにしてくれお願いします」 「ドア前にいる、 変化があったら呼んで下さい」 医者は物分かりが良くて助かる 俺はそばまで寄って身体に触れた 「咲哉、俺だ大輝だ」 「た…い…き?きちゃったの? ホムラか…ごめんねたいき、だまっ…てて」 酸素マスク付けながら呼吸荒くゆっくりだが話せた 「本当に馬鹿だ、治療断らなかったら治った可能性もあるんだろ?何でだよ」 「ハァハァたいき……僕ねしあわせ…だったよ、 もう…充分…幸せを…もらったよ? でもね聞いて… ほしいことが…あるんだ…… ごめんね僕はね……」 なんだって? ゆっくりだが真実が語られた でも俺は咲哉が…… 「咲哉… それでも俺にとっては愛した恋人でしかない。 俺にはお前が必要なんだ…… 咲哉が居なきゃ俺は何も出来ないクズだ…… だから行かないでくれ愛してるんだ」 クソッ涙が出てきやがる 「たい…きぼく…なんかに…ないてるのかい? 嬉しいよ…でももうぼくは…必要……ない…さ 大丈夫…きみには……はるか…たちがいる…ぼくのことは……わすれ…」 チュッ マスクを一度ずらしてキスした。 「バカ忘れられるかよ、 奇跡でもいい…ヒック俺ばかり助けられてきたのに、俺は咲哉を助けてやれないなんて……」 「せめないで…きもち…わかってる…から… さいごに……あえて…よかった…ハァハァハァ いままで…あり…が…とね、たいき…あいし……」 涙流しながらも笑顔だった……が ピロンピロンピロン…ピーーーー 咲哉の力が抜けて目を閉じた 「咲哉?咲哉ー、起きろよおい! 咲哉クソッ! ドクターなんとかしてくれ!」 医者がすぐ来て蘇生始めたが心拍は戻らない 親父お袋、頼むから咲哉を助けてくれ…… 連れてくなら俺にしろ! 何でもするから咲哉を返してくれ… 必死で祈ったが……現実は ピーーーー カチッ 「○時○分ご臨終です、恋人さん残念ですが……ただ間に合われてお話出来たのは幸いだったと思います。確かにご家族の方は1度きりしかこられませんでしたので」 なんでだよ…… 「・・・・・・」 医者は色々話すがあまり入ってこない 俺は棒立ちしてるだけ 2人も気づいたら部屋に居て泣いてた。 「咲哉……」 「そんなぁ……」 俺は涙が出ながらも最後に咲哉を抱き締めた。 咲哉に会えるのもまさかいきなり最後になるなんて…… 「後は家族に任せますんで……」 「分かりました……」 ふらふらになりながらも 俺は2人を連れ再びタクシーで帰ったが、 夕食の時間だが3人とも食欲なく、 シロの世話やソファーに座るか、 俺はベットで1人でぼぅーとしてた。 まだ咲哉の死が信じられない…… 生前の告白には驚いたが今はそんな事どうでもいい…… 何でだよ…別れたけど愛が冷めてた訳じゃないし、俺の欠点を補ってもくれる唯一の相棒でもあった。 俺にとって咲哉は出会ってから今まで絶対的な存在だったのに…… その咲哉が死んだ……咲哉を俺は救えなかった……病気に気づいてやれなかった…… ブー…ブー…ブー 《咲哉の情報入ったぜ、最後看取ったそうだな?一応親族が引き取り簡単に家族葬で済ませてこりゃさっさと終わらしちまうようだな、 俺が言うのもなんだがひでぇもんだな、、 あと安藤って刑事首吊り自殺したらしいぜ、 咲哉の病気を知って遂に発狂したらしい》 んな事どうでもいい…… 「オイ…お前咲哉の事も全部」 《ああっ知ってたよ、アイツも厚生したんだ、今更軽蔑したか?》 「治療してれば咲哉は助かったのか?」 《可能性は低いが確かに0ではなかったが検査さしたのも遅かったみてぇだし、治療はかなりの苦痛を伴う。ガンと同じだ。 最後はアイツが望んだ事だからな…》 「俺は望んでねぇ! テメェは知った時点で俺に言うべきだった!」 《お前は親族じゃねぇんだよ! 決定権もねぇし、苦痛を浴びながら死にたくないと言って決めた事だ。 ずっと愛してた咲哉が死んで ショックなのは分かるがアイツの気持ちも分かっやれ…とりあえず咲哉の遺言だしよ。 相談があれば連絡し…》プツン 知るかよ……咲哉… 「クソッタレが!アーー!」 俺は泣きながら壁を殴り続けた 「やめて大輝!俺が居るから泣かないで?」 「咲哉は悲しいけど俺っちらは生きなきゃ? 間違っても後追いとかダメだよ。 俺っちを置いてくなんて」 また荒れちまいそうなくらい心が…… 「・・・ありがとな… ただ今日だけはそっとしてくれないか?」 「分かった明日から頑張ろうね」 頑張れるかわからない、咲哉の存在は俺にとって大きかった。 とにかく今は1人になりたい…… 《安藤慶太視点》 咲哉が白血病に入院したと聞いて驚いた。 店のサイトから削除されて退店してた。 気になって調べたら既に状態が悪いようで長くは持たない…… そんな…愛する咲哉を失うならもう命なんか いらない、俺はもう狂ったな 辞表とバッジを返してさっさて家に帰った。 俺は警察官を名乗る資格なんかなかったんだ。 今まで刑事として何も成し遂げていない。 何のために警察官になったんだ? 愛した人間まで皆失う。主任……咲哉 もう人生なんかどうでもいい……さようなら 紐を用意して……台に乗った 主任今行きますね、咲哉待ってるよ……フゥ ガタン!ギュー! 「ウウッーー・・・・」 ・・・・・・ 西森咲哉 安藤慶太警部補 72. END

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