74 / 139

73大輝の立ち直りと新たな生活

咲哉が亡くなってしばらく経った。 大輝は少しずつ調子を戻してきたが、 でも何かが違う気がする……なんか表情が、 特に目付きが怖くなったねと言い合ってた、 光希も感じてたようだ。 《咲哉が荒れてた大輝を変えたんだ、 奴の暴走を止められたのも咲哉だけだ》 《恋人としても仕事柄でもパートナーだった、離れていても色んな意味でも大輝にとって絶対的な存在だったんだろう》 大輝にとって咲哉の存在は絶対だった。 俺や光希にとっての大輝と同じように…… いや……悔しいけど俺ら以上にだね 咲哉がいなきゃ大輝は今頃どうしてたか 分からない。 俺だって大輝を失ったら立ち直れない…… 咲哉には助けてもらったし、俺だって悲しい。 咲哉が不憫すぎる…でも 「大輝?」 今日はデスクで仕事してるけど…… 「なんだ?」 無表情で感情のこもってない返事 「お昼出来たよ?」 「いらねぇ……」 「・・・分かった、後で温めてたべてね?」 「・・・・」 「アンッ!」 返事はなくシロが返事してる。チュッ キスだけして部屋から出た 「大輝は?」 「いらないってさ……光希!」 そう言うと光希は大輝の部屋に入って ガチャ 「大輝、咲哉の事は俺っちだって悲しいし、 大輝の気持ちも分かるけどずっと落ち込み続けてても咲哉も喜ばないし、俺っちや陽加もだよ」 「光希……」 「確かにそうだね、それに最近の大輝怖いよ、 また聞いてた昔みたいになっちゃわないか…… 俺そんなのやだ!」 「・・・・ごめんな2人にまで辛い想いさせちまって彼氏失格だな」 「俺達がちゃんと引き継ぐからさ、もちろん 咲哉の事を忘れろなんて言わないけど3人で乗り越えよ?」 「ああ努力するよ…」 「じゃあまずは一緒に食事たべよ?」 「ああ……分かった」 徐々に大輝にも笑顔が戻りしばらく休んでたバイトにも復帰したりといつもの生活に戻れた。 そしてあっという間に9月に入った。 俺もカフェバイトにだいぶ慣れてきた。 「元彼さんの事は残念だろうけど君らが支えてあげたらいいよ。俺にも気持ち分かるよ」 「ありがとうございます、 あっいらっしゃいませ、こちらのお席どうぞ」 「ありがとう、新人さんかい?」 「はい1ヶ月くらいですが?」 「いらっしゃいませ、またですか?」 「失礼だな、パパが来ちゃいけないのか?」 「パパ?悠里さんのパパですか?」 「そう、心配性でたまにいらっしゃるよね?」 「ハハ変な虫がつかないか見に来たんだ。 アイスコーヒーな」 「これは松丸様いらっしゃいませ」 「店長いつも息子がお世話になっております」 「いえいえ、彼はとても仕事熱心で頑張ってますよ」 「それで君は?」 「あっ井上陽加と言います、 悠里さんにはお世話になってます」 流石悠里さんのお父さん 似てるけどイケおじになるんだろうな。 堤○一に顔が少し似てるかも 「陽加くんか、 ウチの晴翔に名前が似てるね」 「はると?」 「晴翔は僕の弟だよ2歳下の20歳でね……」 「へぇ悠里さんの弟ならイケメンか可愛いんじゃないですか?」 「今では身長は俺より少しだけ超されちゃったけどね、アイツも恋人がいるんだけど ただ……いや何でもないごめん」 「・・・・」 なんだろ?親子揃って黙った。 何かあったのだろうか? たまに悠里さんは悲しい顔するけどまた過去に関係があるのかな? 世の中辛い人生を送る人はたくさんいる。 溜まり場で初めて俺も分かった。

ともだちにシェアしよう!