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80 前田大輝と桐原大翔

スパリゾート旅から帰って寝る準備までは終わった。寝る時は全員裸だ。 ベットに入ってから切り出した。 「大輝、俺らへの隠し事話して?悠里さんの言ってた桐原大翔って人は大輝なの?」 「俺っちらは大輝からちゃんと説明してほしいよ?もう色々聞いてきたんだから今更隠さないで?悠里さんに聞いていいならそうするけど」 「ハァ……本当は必要ないと思ってたし、言いたくなかったんだ。 桐原大翔は呪われてる、知ってるのは咲哉だけだったが、聞いてくれるか?」 咲哉は知ってたんだ? 呪われててるとか穢れてるとか何があったんだろうか?もちろん 「「うん」」 「分かった、もう一度1から説明するが、 改めて俺の本名は桐原大翔だ。16まではな、 こっからは長くなるぜ」 俺達は大輝の話に驚いた。聞けば聞く程。 父親は刑事で母親は検察官だった。大輝、いやここは桐原大翔か。 10歳で父親は立花グループを捜査していて不正の証拠を入手して狙われてしまい暗殺された。 大翔自身は中学に入ってからが酷かった。 成績優秀、スポーツも出来て模範生徒だった。 同じクラスだった悠里さんと恋仲になりすぐ恋人関係になった。 だがそれから3年間でたくさんの試練の連続だったそうだ。何度か大輝は殺されかけた経験があるし、立花グループの話しも全て聞いた。 立花千尋って人の事も立花家族の事も、3年での事件の事も…… そして高校退学になるまでを一通り聞いた。 「立花グループって確か陽加のお父さんの?」 「ああ、聞いた時はびっくりしたがな、さっき言ったネックレスはこれだ、これがパンドラの箱だった。」 ペンダントに指輪2つ赤と青の宝石 中身は2人の小中学生くらいのツーショットだった。1人は大輝に少し似ててカッコいいし、もう1人はお坊っちゃんみたいな服で可愛かった。 「親父とさっき言った立花千尋の父親だ、この中に元凶のデータがあったんだ、久しぶりに見たな」 そう言うとペンダントを閉じてケースに閉まった。大輝は切なそうな表情だけど無理もないよね 「全部聞いたけど俺は大輝のせいだとは思わないよ、皆桐原大翔に責任転嫁してるだけで大輝が、いや大翔自身が悪い訳じゃない」 「俺っちも同感……でもまさか咲哉の前に悠里さんと付き合ってたなんて、悠里さんも大変だったんだろうけど、今は新しい恋人がいて大輝には俺っちらがいる。 桐原大翔はもう居ない、前田大輝なんだからそれでいいと思う」 「うん、俺らはずっと大輝って呼ぶよ? とにかくもう大輝も楽になろ? 俺も光希も前に進んだんだよ? 今日で桐原大翔は終わり、悠里さんとも会いたくないならもう無理しなくて良いからね?」 「バイトは続けられるのか?」 「大丈夫だよ、仕事は仕事だからさ、 あまりしつこく聞かれてもいやなら大輝の話はしないから安心して」 「分かった……頼むな」 とにかく桐原大翔については全て分かった。 名前は個人的には好きだな でもトータルで考えても大輝のせいにするのはあんまりだよ……大輝自身も何度も死にかけたし、俺らより壮絶な人生を歩んできた 大輝だって充分被害者なのに……皆酷すぎる 大輝の両親を殺した会社の暗殺部隊にいたクソ親父も許せない。久しぶりにアイツに怒りが沸いてきた。 でも1つだけ気になったのは大輝ってまだ 悠里さんの事が………好きなのかな? ちゃんと別れた訳じゃないから想いがあるのは仕方ないと思うけど、悠里さんだって彼氏がいる訳だし、でも2人が再会してしまった事で 俺らを捨てて2人がまた付き合ってしまうん じゃないか不安はある。 咲哉もそうだけど悠里さんはなんかそれ以上の 特別な感じがする、あのお互いを見る目…… お互いを話すときの表情…… もちろん全部ただの憶測だし嫉妬で考えすぎなだけだと良いけど……

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