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137エンドロール……100%の地獄

さっき大きな爆発音がしたけど何だろう? 大輝………怖いよぉ…… ウィーン! 急にドアが開いたけど親父も稲葉もいない? どういう事だろう、また見張られて試されてるのかな? それとも大輝が?来てくれた? でも出てみると朝になって明るかった、シーンとしてるし誰も居ない。 ゲート前で車が燃えた跡があって親父の兵士達も死んでる じゃあやっぱり大輝が助けに来てくれたのかな? でも親父や稲葉は? 「たいきーーーいるのーーーはるかだよーーー」 なんの反応もないけどキャンピングカーはあった。 じゃあ親父たちもいるはず 海に近い親父の言ってた施設から煙が上がってるけど爆発音はこれかな? 大きい建物だけど核搭載ミサイルだ しばらく周囲を見てたらパトカーのサイレンが何台も来てるせいかまだ遠いけどすごく響いてる。 待つべきなのかな?でも俺はまた保護されて大輝に会えなくなっちゃう… 俺はゲートを出て森に出てみた、そしたら少し先から血の匂いがしてきた。まさかと思ってダッシュで駆け寄った。そしたら親父だった……… 「これってやっぱり大輝が?」 親父がやっと死んでくれたんだ、言い方悪いけどもう親父の恐怖からよやく解放されたんだと安心した。これで大輝とまたあの生活に戻れるんだ でも大輝は?どこに言っちゃったの? そう言えば稲葉もいない……2人で駆け落ちじゃないよね? 辺りを見渡して手が見えたから近づいたら………俺は驚愕した 「う・そ……たい・き……たいきーーーーー!アアッーーーーー!」 大輝が頭を撃たれて倒れてた……そして稲葉も大輝の胸元で死んでる。 横から頭を撃っている、大輝を殺して自殺したんだ…… 「たいき・たいきー」 俺は稲葉を蹴り飛ばして引き剥がしてから抱きついた 「大輝起きてよ、お願いだから……死ぬときは一緒だって約束したじゃないバカ!」 もういい……なら俺も死のうと思って銃を拾おうとしたら 「そこでなにしてる?警察だ」 「いやっ!離してよーたいきーー!」 俺は警察に見つかり半ば無理やり保護された。 それからは病院で治療や精神科を受けながら警察からも散々取り調べみたいな事情聴取を何日もされた。 結果的に俺は罪に問われず施設行きにされた。 警察では親父は大輝の銃で撃たれていて大輝と稲葉は稲葉の銃の弾丸だった事から大輝が親父を殺した後稲葉が大輝を殺害して自決したと言う事になったらしい。 多分大輝は稲葉を……千尋として見てしまった だから撃てなかったんだ…… 躊躇いがなきゃ大輝は…… でもそんな優しさを持ってるからこそ好きになったのに…… 核施設は完全に破壊されてたそうでJやNGTも明るみになり関連人物は政界から司法機関、財閥経済界様々の人間が逮捕され立花グループ事件以来の大事件になった。 小野田総理や東官房長官に翔太君まで大輝が殺害したってなってる…… 大輝は大量殺人を犯したイカれた重罪人として世間では扱われてる。 事情も知らない癖に皆偉そうに好き放題言って! それから総選挙がすぐ行われて当然社会党は世間を完全に敵にして平和党が圧倒して議席確保したため政権交代となった。 社会党小野田政権で強行して改正してきた憲法も大幅に見直すと新たな総理は言ってる。 太田さんがいればもう一度総理になれた可能性もあったかな? 1ヵ月以上経って俺は精神科でしばらく入院して施設に着いたのは12月も終わりかけてた。 1度施設に光希と直人が来てくれた。 「陽加ーー」 「光希?……ウウッ…ウワーン・たい…きがヒック!」 俺は泣きながら抱きついた 光希も涙を流してた 「うん…聞いたよ、ごめんね陽加気付いてあげれなくて……」 「来てくれただけでもうれしいよ、本当はもう死んでしまいたいくらいだけど……」 「ダメだよ陽加、死んでも大輝は喜ばないよ? 直人と話してたんだけど来年の4月からだけど家に来なよ、ね?」 「久しぶりだな、陽加、大輝の事は本当に残念だけどお前は生きなきゃいけねぇよ、だから家で療養しながら仲良く暮らそうぜ?1年我慢してくれ」 「グスッ…2人の邪魔じゃない?」 「俺は…そのお前の事も…好きだぜ?」 「黙れ、変態!でも本当に俺っちらは歓迎だよ?行くとこないでしょ?」 2人の好意は嬉しかったけど断った それから施設生活だったけど何もやる気が起きず 高校進学も進められたけど行く気にもならなかった 周囲がうるさいから心療科だけは通い続いた。 溜まり場や繁華街自体行ってないし、2度と行く気もない。 あと大輝を忘れるなんて俺には出来ないから恋人ももう作らない 結局俺も幸せになんかなる資格なかったんだ……… そもそも俺の存在がいけなかったの? なんで親父はあんな風になったの? なんで大輝は死んだの? なんで俺だけ生きてるの? 俺もそろそろこの生き地獄のような生活終わらせようかな? 俺は施設を抜け出して久しぶりに大輝と暮らしてたマンションに来た。 鍵はあるからすんなり開いて入ったら購入してるからまだそのままみたいで安心した。 久しぶりにベットに横になると大輝の匂いだ 大輝にもらったスマホも見つけてツーショット見たらまた涙が出てきた。 《すぐ帰ってくるからいい子でな陽加》 《ただいま、陽加》 大輝……待っててももう帰ってこない…… なら俺が行ってもいいよね? 生きようと頑張ってみたけど、やっぱり大輝のいない世界は耐えられないよ 椅子に上がり固定したロープを首に付けた ウィーン!ウィーン!ウィーン! スマホ?光希からだった…… 《死んでも大輝は喜ばないよ》 それでも…… ごめんね光希俺やっぱり耐えれそうにない さようなら光希 今行くから待っててね大輝? ドタン!   ギューーー! ウィーン!ウィーン!ウィーン! 《光希視点》 ウィーン!ウィーン! 陽加でない……なんか嫌予感がする 「どうだ?」 「出ない……今日大輝の部屋見てくるってやり取りで言ってたから今から行こうかなと思ったんだけど……俺っち陽加行ってくるよ、なんか嫌な予感がする」 「確かに、分かった俺も行くぜ」 俺っちらは急いで大輝のマンションに向かった。 やっぱり無理やりにでも家で暮らさせるべきだったかも……1人にさせた陽加は抱え込む癖を忘れてた。大輝がいなくなって尚更…… 施設暮らしは今の陽加には酷に決まってる。 何とか一緒に暮らせるようにしなきゃ ピンポンピンポンピンポン 「陽加ー光希だよ開けて?施設じゃなくて家においでー」 全く返事はないけど灯りは点いてた 鍵はあるからこれで…… ガチャン! 「鍵かけてなかったみたいだな」 直人がドアノブ回したら開いた 急いで中に入って探したら寝室の隣の部屋に陽加はいた………居たけど……… 「そんな……そん……な…はるかー」 「なんだよ……遅かったかクソッ!」 「はる・か?陽加ーーーー」 目の前には首を吊っていた陽加がいた。 もう死んでるのは分かる………… こんなの酷すぎる あんな事がなければ大輝と陽加は今も幸せな生活をしてる筈だったのに、陽加はふりをしてただけで本当は心がボロボロだったんだ…… 「おい自分を責めるなよ光希……俺はずっと側にいるから……」 もう俺っちは何も言えなかった…… 結局誰も幸せになってない…… 自分の欲にまみれた人間達に全て壊されてしまった 皆居なくなって生きてるのも俺っちだけなんて………そんなの……そんなの……ウウッ…… もうこんな世界……消えちゃえばいいんだ…… 137最終……桐原大翔《大輝》立花千尋《稲葉》井上陽加……BAD.END    完

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