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手繋占い 総合評価4.5 口コミ66件 あん 一カ月前(★5) パートナーとの相性占いに来ました。ずっと誰かに言って欲しかった言葉を、そのまま言って貰えたような気持ちでした。 最後に私だけをブースに残して言って貰えた言葉が、今でも私の支えです。 とても優しい先生です。ありがとうございました。 あと、誰かと手を繋いだのは久しぶりで、少しホッとしました。 つつみ 一カ月前(★5) 職場での人間関係に悩みがあり、先生の手繋ぎ占いにきました。どちらかといえば、占いというより勉強会みたいな気持ちでしたが、先生が最後に言ってくださった言葉が、今でも胸に響いています。 ずっと誰にも言えずに居た気持ちを救い上げてもらったような気持ちでした。 誰かと手を繋ぐ、というのも久しぶりの経験でとても温かい気持ちになれました。 ひとみ 一カ月前(★5) 恋愛相談に来ました。今の彼との関係に悩んでいましたが、先生と話して別れる決意が出来ました。 最初は知らない男性と手を繋ぐ事に抵抗はありましたが、この手のお陰で気付けました。先生とは手を繋げましたが、彼とはもう手は繋げません。 (もっと見る) 「ねぇ、知ってる?最近、東京で評判だった占いの先生が沖縄に来たんだって」 「なにそれ、知らない」 「手繋ぎ占いって言ってね、なんか目隠ししながら手を繋いで占いするんだって。ほら、ブログで紹介されてんの」 「……目隠しした人と手を繋ぐの?こわっ!」 「でも、当たるっぽいよ!めっちゃ口コミいいし……ほら!」 「えーっと何々……待って、最新のヤツ、めちゃくちゃディスってるけど」 「へ?うそ、昨日見た時まで皆星5だったよ?……ってほんとだ」 ---------- 城 三日前(★1) 全然当たりません。受ける必要無し。 ----------  ふと、俺の傍を通り過ぎて行った女の子達の会話が耳に入る。その言葉に、俺もスマホで口コミサイトを確認してみる。そして、目に入ってきた★1の口コミに溜息を吐いた。この口コミを書いた人物に心当たりがある。 「ジョーさん、風評被害はやめてください」  俺の隣のデスクで、姿勢よくパソコンに向かう相手に、スマホを見せた。そんな俺に、その相手は悪びれる様子も、手を止める事もなく答える。 「……下手をして、知らないヤツに時間を取られたら嫌だからな。念のためだ」 「誰もこんな高額な占い料じゃ予約なんかしませんよ。それに……ジルはもう予約しなくて良いじゃん」  付き合ってるんだから。  そう、何度も言ったが、それでも目の前の美しい男は占いの予約を止めようとしない。それどころか、勝手に値段を上げてくる始末。 「俺は、誰にも負けたくない」 「もう……」  金色の髪に美しい碧眼の宝石を嵌め込んだ、人形のような横顔。そしてアルファ。全ての性の頂点に立つ性。誰もが羨み、誰もが彼を求める。にも関わらず、この男が求めるのは、何故かこの俺だ。  ベータで、特に何の特徴も、秀でたモノもない。この俺。ただ、最近少し変わったと言えば、メガネが新しくなった事くらいか。 「三久地先輩、週末追加オプションを付けたいんですけど」 「追加オプション?」  そんなモノは無いのだが。  すると、それまでパソコンから一切視線を離す事をしなかったジルが、ジッと此方を見ていた。碧い、碧い瞳が、まっすぐ俺を見つめる。あぁ、綺麗だ。 「週末、ホテルの俺の部屋で俺が帰る前に、巣作りをしてくれ」 「巣……。え、いや。俺。あの……ベータなんですけど」 「頼む、金なら払う」 「いや、あの付き合ってるのでお金とかは……」  綺麗な男が必死に、俺にオメガの真似事を求めてくる。滑稽で、なんとも哀れな気がするが、どうやらこの人は、そう言う俺の気持ちも含めて楽しんでいるらしい。 「シチュエーションプレイというヤツを、やってみたいんだ」 「……はぁ」 「セックスというのは、そういう“フリ”をするのも楽しいと、ネットで見た。今まで、そういう余裕は無かったからな。楽しそうだと思って」  まるで、思春期男子のように目を輝かせながら提案してくる彼に、思わず「可愛い」と声に出してしまうのだから、俺自身も相当滑稽かもしれない。でも、こうして俺を求めてくれる人が、公私共に居るというのはとても充実するというモノだ。 「……分かりました。下手でも許してくださいね」 「ああ。下手なのがまたいい」 「……」 「もしかして、俺は気持ち悪いか?」 「……ちょっと」  なんだか、俺のせいでジルの性癖が妙な方向にねじ曲がっているような気がする。申し訳ないやら、面白いやら。そんな事を思っていると、それまで楽し気だったジルの口から不安そうな声が漏れる。 「もしかして、別れたいと思ったか?」  碧眼の瞳が、ジッと此方を映す。眼鏡を買い直したお陰で、瞳の奥までしっかりと見える。 「手繋ぎ占いかぁ。でもちょっと気になるかも」 「でしょ?」  すると、先程喋っていた女性社員達が俺達の向かいのデスクに座った。あれ、どうやら同じ課の人達だったらしい。全然気づかなかった。 「でも、こないだ予約取れたんだよね!奇跡的に!」 「へぇ、じゃあどうだったの。目隠しした人出てきた?手、繋げた?」  その女性社員の声に、それまでフワフワと沸き足立っていた俺の気持ちが、激しい心臓の音によって一気に汗を拭き出した。  隣から、俺に向かって向けられる視線が強く、鋭さを増す。あ、ヤバイ。 「いや、予約取れた直後にキャンセル依頼のメールが来たの。ほら」 「えーっと、なになに。今週末の占いの予約は、諸事情によりキャンセルさせて頂きます。大変申し訳ございませんが、またの機会をお待ちください。ありゃ、残念だったね」 「ほんと、めちゃくちゃ期待してたのにさー」  あ、あ、あ、あ。  まさか、全文読み上げられるなんて。どうしよう、少し顔が熱くなってきた気がする。どうしよう、どうしよう。どうしよう。  隣から向けられる視線に、妙な熱が籠るのを感じる。いや、これは俺の顔が熱くなってしまっているからか。  もう分からない。 「……手つなぎさん」 「ジル、仕事をしましょう」 「手つなぎさん」  何度も名前を呼ばれる。もう止めてくれ。あぁ、熱い。 「手つなぎさん」 「っ!」  デスクの上に投げ出されていた俺の左手に、ソッと手が重ねられるのを感じる。 「さっきの予約とオプション。週末と言わず……今晩頼む」 「~~~~っ!」  手の甲を、熱い掌と指が遊ぶように這いまわる。そんな相手の顔を見つめる事も、ましてやパソコンの画面すら見る事も出来ず、ただ俯きながら静かに頷いた。  あぁ、もう。最悪だ。  その日、俺の手繋ぎ占いに、また一件の口コミが増えた。 ---------- じる 今日(★5) とても、幸せになれた。 ---------- おわり →色々吐露したい後書き

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