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 ーー最近、頻度が半端なく多い。  そう、頻度というのは翠に無理やりやられる頻度ではあるが、前までは数日おきだったのに対して、ここ最近はほぼ毎日だ。  休み時間に連れ出されては空き教室でヤるのがほとんどで、同じクラスの奴らは休み時間にたまに教室を抜け出している俺と翠のことを、まあ幼なじみだしなと流していた。  仁に至っては別のクラスだから、俺と翠が教室を抜けているのはもちろん、まさか体を重ねているなどと思ってもいないだろう。  おそらく今日も、翠からの呼び出しがある。面倒だし疲れるが耐えるしかないだろう。  ーーと、身構えていたところ、今日は学校で呼び出されることはなかった。もしかしたら翠は今日はそういう気分では無かったかもしれない。  俺は、そう楽観的に考えていた。 「綾、クリーム付いてる」 「え、どこ?」  仁に指摘され、口の周りをごしごしと拭った。  学校から帰って来た俺達は、コンビニで買ってきた菓子やらスイーツやらを広げながら適当にだべっていた。  さすがの翠も、仁の前では俺に何もしてこない。手を出して来る前と同じように接してくる翠に、とりあえず俺は安心していた。 「そこじゃない。ここだ」  こちらに手を伸ばす仁は俺の口の端を親指の腹で拭うと、自らの口に運んでぺろっと舐めた。 「·····言ってくれれば自分で取れたのに」    淡く染まる頬を隠すように顔をふいっと背けると、仁は別にと、食べかけていたゼリーを口に運んだ。 「俺が取った方が早いだろ」  そんな俺達のやり取りを見ていた翠は 「君達さ、本当に距離感バグってるよね」  と、笑った。  ーーまあ、否定はできない。  君達、というよりかは仁の距離が近いのだ。仁は幼い頃から俺の世話を焼いてくれていて、ある意味兄のような存在だ。平然と俺に触れてくる仁にとっても、俺のことを弟のように見ているのだと思う。  すると机に肘を付き、俺と仁を見ながらなにかを考えている様子の翠は、「結構前に仁くんに聞いた時は否定してたけどさ」とぽつりと呟くのだ。 「仁くんさ、やっぱ綾人くんのこと好きなんじゃないの?」 「···············は·····?!」  突拍子もない翠の言葉に思わず俺と仁の声が揃うと、翠はまたも笑った。 「その反応、図星でしょ」  頬をじんわりと赤く染める仁を見る翠は、にやにやと目を細めている。   「········翠、冗談を言うのも大概にしろ」  深く息を吐く仁は、勘弁しろと言わんばかりにがしがしと頭をかいた。  俺は翠の言葉にほんのりと熱くなる頬を隠すように俯き、目線だけちらっと横にいる仁に向けた。すると、いつから見ていたのか、仁と視線が重なってしまう。  すぐさま仁にぱっと顔を逸らされると、仁はまたも息を吐くのだ。 「·······俺は先に自分の部屋に戻る。翠、あまり綾をからかうなよ」  空の容器をゴミ箱に捨てると、階段を上がった仁は自室へと行ってしまった。  仁の態度にショックを受ける俺を見る翠は、何かを企むかのように微笑んでいた。

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