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 狭い肉壁をかき分けて入ってくる熱に身震いすると、熱い手の平がするっと頬を撫であげた。  可愛い、可愛いと吐息混じりの翠の声が脳にまで響くと、直結したへその裏が疼いてしまう。  ーーここ最近の翠は、おかしい。俺のことを都合のいい性欲処理の相手としか思ってないくせに、腰の浮くような甘い言葉ばかり吐いては、こうして俺の心を弄んでくる。  さっきだって冗談とはいえ付き合うか、だなんて正直たまったもんじゃない。そして、明らかに翠の冗談なのに、真に受けてしまっている俺もいる。  ーー本当、嫌になる。 「っあ··········ッ」  太ももの裏を押し拡げられると、腰がさらに密着し、ぐぐっと奥底まで圧迫されてしまう。奥にまでぐちぐちとピストンされ、震える手で翠に必死に手を伸ばした。  するっと指先を絡め取られると、そのままベットに押し付けられ、身動きが取れなくなってしまう。そんな俺は下腹部に溜まっていく熱を逃がしたくて堪らなかった。   「ぁ········ッ、ぁぁ···············、んッ··········」  翠の柑橘系の香水が交じったほんのり甘い香りが脳を埋めつくし、下腹部に直結すると、腹の底がじわじわと熱持った。  すると翠の指先が手の平を滑り、ぎゅっと手首を掴まれてしまう。 「可愛いよ、綾人くん」  甘く唇を吸われると同時に股の奥がびりびりと痺れ、宙で震えるぴんっと張った性器から先走りを漏らしてしまう。  腹の底がぴくぴくと麻痺し、未だ中で主張している翠の性器をきゅうと圧迫すると、翠はまじかと笑った。 「中イキするなんてさ、可愛いって言われるのそんなに嬉しいんだね」  そういうとこも可愛い、と小さく呟く翠は背に腕を回し、きつく俺を抱きしめた。そのまま、腫れ上がった亀頭に凝りを押し潰されると、果てたばかりの腹の中がまたも熱を帯びてしまう。 「ーーッや、ぁ··········っ、すい··········、いくっ、また·····、ぃ·····、くっ··········ーーッ」  どくんと胸が高鳴ると、ぴんっと張った性器から白濁の液が溢れた。そして奥に打ち付けられると同時に弾けた熱い液で、腹の中を埋め尽くされてしまうのだ。  未だどくどくと中に注がれていく精液を感じながら「綾人くん」と、きつく抱き締められる。  ーーなぜ、そんなかすれた声で、切なく俺を呼ぶのか。  翠のことが、分からない。幼いころからずっと一緒なのに、翠の本心を今まで見たことがない。縮まりそうな距離がなかなか埋まらなくて、もどかしい。  この憎たらしい男の心の中が見れたらいいのに。そしたらこんな関係、今すぐ終わらせてやるのに。翠はなぜ、俺とこんな関係を続けているのだろう。ただの遊びなのか、それともーー 「·····おやすみ、綾人くん」  答えを見い出す前に、翠の暖かい腕の中で俺の意識はそのまま暗闇の中へと落ちていった。

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