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13.※
本能に傾きかけている紫音が打ちつける速度を速めていくが、それが悦くて、風呂場であるのにも関わらず、上擦った声を上げていた。
そして、それに興奮してなのだろう、紫音のがさっきよりもキツくなるぐらい大きくなっていた。
朱音にかまけている余裕がなく、紫音も愉しそうにしているのを感じ取り、朱音は嬉しくて仕方なかった。
「は⋯⋯ぁ、朱音⋯⋯。イキそう⋯⋯っ、ナカに射精 しても、いいっ?」
「いい、よ⋯⋯紫音の、せーえきほしっ!」
「⋯⋯っ! 射精 すよ⋯⋯っ!」
ドクンッと、脈打ったのを感じた直後。
紫音自身よりも熱い液汁が奥へと迸った。
「~~~ッ!」
朱音なのか紫音なのか、どちらとも分からない悶え声を聞きながらも、朱音は一滴も溢したくはないと、紫音のを肉壁で締めつける。
鼓動のように紫音の屹立が小さくなっていった時、ほぼ同時に肩で息を吐いていた。
「⋯⋯は⋯⋯、朱音、だいじょ、ぶ?」
「ん⋯⋯はぁ、紫音⋯⋯は⋯⋯、きもち、よかった⋯⋯?」
「うん、朱音のおかげで。⋯⋯ありがとう、負担にならなかった?」
「大丈夫⋯⋯。大好きな、紫音のためなら⋯⋯このぐらい」
汗で張りついた髪を掬い上げている手が触れた時、敏感となった肌がビクビクと反応をした。
「嬉しいことを素直に言ってくれる朱音のことが、僕も大好き。大好きだよ、朱音」
「⋯⋯ふっ」
舌を入れそうな勢いでキスの雨を降らす紫音の熱烈な愛に、あの快感をまた味わいたい気持ちに包まれる。
「いつまでも挿入 れたままだと辛いでしょう? 今、抜く──」
「やだ」
足までも紫音の腰に絡める。
「⋯⋯朱音」
「俺、もっとシたい。ねぇ、しおんにぃ、いいでしょ?」
上目遣いで甘えた声を出してみせる。
朱音とこれ以上行為を続けたら、次の日に響いてしまうと思っているのだろう。だがしかし、その朱音が行為を続けたいとお願いをしている。それに対して、そのお願いを聞き入れてあげようかと悩んでいる、そんな顔を見せていた。
また紫音にワガママを言っているが、これだけは譲れない。
じっと待っていると、紫音はこう言った。
「⋯⋯少しだけだよ」
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