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ごめんね、大好き㉞
成宮先生の熱い舌が遠慮もなく俺の口に入ってきて、余裕もなく犯されていく。
息を吸う暇も与えられずに、必死に舌と舌を絡める。チュクチュク、という水音に目眩がして、頭がボーッとしてきた。
かろうじて、成宮先生から流れ込んできた唾液をコクンと飲み込んだ。
やっぱり、俺は成宮先生が好きなんだ。
「これ以上気持ち良くなったら死んじゃうかも」
焦点の定まらない視線で、成宮先生を見上げる。
それでも、『相性』には逆らえるわけがない。
心も、体も。
だって、まだ結ばれてもいないのに、こんなにも気持ちいい。
「葵が好きだ」
成宮先生が照れ臭そうにはにかみながら、優しく微笑んでくれた。
その言葉ば、乾ききった砂場に流れた雨水のように、スッと俺の心の中に染み渡っていく。
「お願い。挿れて……もう我慢できない。千歳さんが、欲しいよぉ」
「馬鹿みたいに可愛いじゃん。良くできました」
ご褒美のキスを貰った後、俺と成宮先生は久しぶりに結ばれた。
久しぶりのセックスに、俺だけでなく、成宮先生もいつもより興奮していて……心の中で、あぁ、明日はきっと立てないだろうなぁと冷静に思う自分がいる。
そんな俺を見透かしたように、
「安心して抱かれてろ。お前の有給は明日までだから」
って、成宮先生が笑っていた。
「なぁ、葵。
ごめんな。でも、大好き」
きっと、この人が俺に謝るなんて、もう一生ないだろうなぁ……と考えながら、俺は意識を手放した。
でも、鈍感な俺は気付いてなんかなかった。
智彰が俺の首筋にキスマークを付けていて、それを成宮先生が見付けていたことを……。
後日、ご立腹された成宮千歳様に、俺はお仕置をされることになるんだけど……それはまた、後で話すね。
【ごめんね、大好き END】
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