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幸せのランタン④
「あー!ジャック・オー・ランタンだ!可愛い」
「だろ?お前、こういうの好きだと思って」
「うん、大好きです。病院で作ったランタンは腐っちゃったから……」
「だよな。良かった、気に入ってもらえて」
成宮先生からのプレゼントは、カボチャの形をしたランタンだった。
オレンジ色のカボチャにライトが灯れば、真っ暗な部屋が温かな色に染まる。ユラユラ揺れるライトに、思わず2人で見入ってしまった。
「めっちゃ綺麗ですね」
「ああ。すげー綺麗だ」
「ありがとうございます、千歳さん」
「あぁ。こんなんで喜んでもらえるなんてな……」
成宮先生が本当に幸せそうに笑うから、俺まで嬉しくて泣きたくなった。
本当にこの人が好きで堪らない。そんな想いが溢れてしまって、苦しくなる時さえある。
「葵、trick or treat」
「はい。trick or treat」
2人で微笑み合えば、壁に映し出された影がピタリと重なる。
「なぁ、お菓子と悪戯……どっがいい?」
成宮先生の子供みたいな表情を見れば、この人が何を望んでいるのか、どうしたら可愛い恋人でいられるのか……なんて、手に取るようにわかってしまう。
ワガママな、でも優しいあなたのお気に召すままに。
俺は幸せで幸せで……成宮先生の手を取って頬擦りをする。
「俺、悪戯のがいいです」
「本当に?」
「はい」
思った通り成宮先生が嬉しそうな顔をする。
そのまま、唇と唇がチュッと重なった。
「葵はどこに悪戯されたいの?」
「え?」
「ここ、とか?」
「あん……やぁ、やめて……」
擽ったがりの俺の首筋を、いやらしく成宮先生のほっそりとした指が這い回る。それだけで、体が勝手に期待にをしてしまい、頬が熱くなって体が切なく疼き出す。
そんな俺の反応に、成宮先生が満足そうに目を細めた。
「じゃあ、ここかな?」
「あッ、んふぅ、ヤダ……」
スルりと鎖骨を撫で下ろして、既にぷっくりと膨らんだ胸の突起に触れる。その瞬間、体がピクンと大きく震えた。
洋服の上から摩ったり、指で押し潰したり。意地悪く刺激を与え続けられた。
「あッ、あぅ、あぁ……ッ。嫌だぁ……」
「何で嫌なの?」
「だって、気持ち良くなっちゃう……」
「いいじゃん?気持ち良くなれば」
そのままキュッと両方の突起を摘まれる。
「あ、んぁ……あぁ!」
あまりの快感に、思わず体を捩らせ軽く果ててしまった。
「こんなことして……千歳さんは責任とってくれるんですか?」
「構わないよ?いくらでも責任とるぜ?」
そのままチュウっと口付けられる。うっすら浮かんだ涙をペロッと舐めてくれた。
サワサワと緩く反応し始めた俺自身を撫でて、キスはより深いものになっていく。
チュルンと口内に舌が侵入してくれば、夢中で熱い舌を絡め合い、蜂蜜みたいに甘い唾液を口一杯に頬張った。
それだけで、俺はトロトロに蕩けてしまうのだ。
「ランタンの明かりがユラユラ揺れて……」
「ん?」
肩で息をしながら、唾液に光る成宮先生の唇を見つめる。
その艶っぽさに下半身が熱くなるのを感じ、成宮先生の頭を抱き抱えた。
「俺、メチャクチャ興奮します……」
「いいねぇ。たまんねぇわ」
まるでジャック・オー・ランタンみたいに、ニヤリと笑う成宮先生を見て、ゾクゾクッと背筋に甘い甘い電流が流れて行くのを感じた。
「ねぇ、千歳さん。いっぱい悪戯して?」
「こらこら、そんなに煽んなよ ……まだ仕事残ってるんだから」
「お願い……」
「ふふっ。仕方ねぇなぁ」
【幸せのランタン END】
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皆様、こんにちは。いつも読んでいただきありがとうございます。
最近、プライベート(特に看護師さんのお仕事)が忙しく、満身創痍のため、少し連載をお休みするかもしれません。
看護師さんのお仕事は、楽しいんですがそれ以上に激務で……体が参ってしまいそうです( ´꒳` ;):꜆꜄꜆꜄꜆
皆さんも、お仕事はほどほどに……♡
舞々より
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