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番外編 イツキは勉強熱心 イツキ1
オレとメイが結ばれ付き合い出してから、もう一年が経とうとしている。
二人の仲は至って順調。アズサも最初以外はメイにちょっかいをかけては来ないし、メイも女子に惹かれている様子はない。
かなり不本意だが、あのクソビッチの誘惑でメイがオレへの愛に気付いたのだから、感謝すべきなのかも知れない。ムカつくけど。
そう思えるほどイツメイは順調なんだが・・・唯一不満があるとしたら、メイが大体週一くらいでしかヤラせてくれない事だ。
そりゃ、受け入れる側の体が大変なのは分かるよ?オレだってメイを大切にしたい。けど・・・最後までしなくても、抜き合いとかフェラくらいなら良くない?
オレたちは高校生でヤリたい盛り。毎日だって出したいはずだ。なのにメイは「中途半端にすると中に欲しくなるから嫌」って・・・そんな事言われたら、誘ってると思って襲っちゃうよね?で、本気で襲ってメイにキレられた事も数回ある。
オレはもっとメイと触れ合いたいんだ。イチャイチャだって人目がある所ではしてくれないし。学校では公認なんだからいいと思うんだが。メイは学校でイチャついていると、美見会のヤツらのオレたち二人を見る目がギラギラし過ぎるから嫌だって言うんだよな。
美見会は、オレが指示しなくても抜群の働きをしてくれる。イツメイのすごく頼もしい味方だから、オレとしては多少のサービスくらいしてやりたいんだが。
そんな事を考えながら、オレは自転車で三十分くらいの場所にある繁華街に来ていた。電車だと乗り換えが面倒だし、人目も鬱陶しい。繁華街の中での移動も歩くより自転車の方が楽だからね。
今日は、付き合って一年の記念日に渡す、メイへのプレゼントを探しに来た。お揃いのネックレスは誕生日にあげたし、流石に指輪はなぁ・・・と、色々と悩んだあげく、無難なところでキーホルダーにした。シンプルながらも、凝ったデザインの銀細工とレザーが上手く調和しているなかなかおしゃれな物が見つかって満足。
買い物を終え、スマホで時間を確認すると夕方の六時。学校が終わってから来たので、まぁそれくらいの時間だろう。ちなみにメイはバイト中。終わる時間に迎えに行くとしても、まだ三時間くらいはある。
腹も減ったし、軽く何か食おうかと考えて、ふと従兄弟のリョウくんを思い出した。リョウくんは、ここから自転車で十分くらいの場所にあるバーの雇われ店長をしている。その店「パラノイア」は、週末にはクラブとして賑わっているが、平日は隠れ家的なバーらしい。そんなに客も多くないので、基本的にはリョウくん一人で営業しているって言ってたな。
メイを落とす前はよく会って相談していたんだが、最近はメッセージのやり取りしかしていない。
そうだ、せっかくここまで来たんだから、リョウくんの店に行ってみよう。まだ開店前だけど、店には来てる時間だよな?
母方の従兄弟のリョウくんは三十代前半。端正な顔をしているのにどこかワイルドで、昔から独特の雰囲気があるお兄さんだった。子どもながらに色気のある人だなって思っていたな。そんなリョウくんはバイだ。今は大学生の男の子と付き合っているらしい。
オレは、メイに対する恋心を自覚してからは、よくリョウくんに相談していた。何となくリョウくんなら分かってくれる気がして。それは正解で、バイのリョウくんは、男相手の時にはタチ専門だったんだ。
それからは、リョウくんがオレの師匠。男の抱き方を事細かに教えてくれたのもリョウくんだ。非常に助かった。本気で感謝している。
そんな事を思い返しているうちにパラノイアに着いた。まだ表の看板に電気はついていないが、中に人は居るよう。オレは重い扉をそっと開けた。
薄暗い店内を見渡すと、バーカウンターの中にリョウくんが居た。何か作っているのかいい匂いがする。
「まだ開店前・・・ってイツキ?高校生がこんなとこ来たらだめだろ?」
「まだ六時だし、酒飲まなきゃいーんじゃない?リョウくんって保護者も居るし」
「まっ、そうだな。店開ける前には帰れよ?」
「うん、分かった。ねぇ、何作ってんの?オレ腹減ってるんだけど、何か食える?」
確かパラノイアでは、軽いおつまみとは別に、一日一品、飯的な物があるはずだ。簡単なメニューをリョウくんが作ってるって前に聞いた。
「あぁ、今、牛すじシチューが出来たところだ。食うか?米はないがパンならあるぞ」
「食べる!あっ、ちゃんとお金は払うからね」
「はっ、高校生の従兄弟から金なんて取れないでしょ。奢ってやるよ」
「ほんとに?ありがとうリョウくん」
リョウくんが作った牛すじシチューは、思っていたよりも本格的で美味くてびっくりした。更にジンジャエールまで入れてくれたので、ありがたくいただく。
そしてオレはここぞとばかりに、メイの事を相談した。週一でしかヤラせてくれない事、もっとイチャつきたい事、付き合って一周年だから心に残る何かをしたい事・・・
リョウくんは開店準備をしながら、オレの話を聞いてくれた。
「あ~週一しかってのはしょうがないんじゃないかな?まだ高校生でしょ?受け入れる側は正直つらいよ。逆にメイちゃんがそれをはっきり言える子で良かったと思う。
だったらさ、普段のイチャイチャをもっとスムーズにして、そこである程度発散出来るようにしたいね。
オレならまず、人前では嫌がるなら無理強いはしない。その代わり、二人の時にはデロデロに甘やかすかな。自分本位じゃだめだよ?相手がして欲しい事をしてあげるんだ。
本物を挿れなくても、それなりに満足感を与えてあげれば『中に欲しくなるから嫌』なんて言われないと思うけど」
つまりオレのテクニックが足りないって事か・・・
「オレなら普段はずっとひっついてて、たまにキスするだけでも充分だけどなぁ。で、週一でめちゃくちゃ濃いSEXをするとか理想じゃない?って三十過ぎのおっさんと、男子高生の性欲を一緒にしちゃダメか。
とにかく、二人っきりの時にはメイちゃんがしたい事をしてあげたら?」
メイがしたい事・・・
「聞いた限りではメイちゃんも性欲が薄いってわけじゃなさそうだし?案外毎日自己処理してんじゃないの?なら、そのネタと同じ事をしてやるとかさ」
あー、最初のきっかけもメイの自家発電の後処理?だったもんな。あの時見ていた動画は確か「せーえきごっくん♡まりあちゃん」で、結果的にそのフェラ願望を叶えたんだ。
そうか、メイの性癖をもっともっとリサーチしなきゃ。
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