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メイ エピローグ

 気が付けば自分の部屋のベッドの上。隣には俺を抱きしめるイツキが居る。お互い裸のまま・・・ 「うわぁっ!!」 頭がある程度覚醒するとさっきまでの痴態を思い出し、頭を抱えてしまう。 イツキに快楽地獄を味わわされ、知りたくなかった自分の性癖を自覚してしまった・・・ そう、俺って実は結構なMっ気があったみたいなんだよな。 そしてイツキは普段は大型犬のように俺にまとわりついて来るのに、SEXとなるとなかなかのドSだったようで・・・しかもかなり饒舌になるヤンデレ風味。 「・・・マジで無理・・・」 「何が無理なの?」 その無理の権化が俺に問いかける。 「だからぁっ!こんな濃いSEXを高校生がするなんて、完全にキャパオーバーなんだよっ!!俺のメンタルが無理っ!!!」 「無理ってどこが?あんなによがってたじゃない。風呂場で精液を掻き出してる時にも欲しがって・・・」 「うわっ~うわっ~!!」 ヤッてる最中に母さんから「今日はマミちゃんの所に泊まりま~す」ってメッセージが来たから、安心して夢中になっちゃったんだよなぁ。 それを見たイツキは、当然のように俺の家に泊まるとイツキママにメッセージを送り、そこからは更に容赦なく俺を責め立てたんだ。  意識を飛ばした俺を洗い、風呂場からまた俺の部屋に運んでくれた事には感謝するけど・・・ 「いや、やっぱり無理!色々とヤリすぎだって!!」 「・・・メイ。どうしてこうなったか覚えてる?生ハメ中出しは、メイがアズサに誘惑されかけたお仕置きだからね。 流石に毎回ここまではヤラないよ?」 「お、おう・・・」 そうだった。お仕置きだったんだ。あぁ、ある意味ものすごくえげつないお仕置きだった・・・最後のあれは特に。快感もすぎると苦痛になるんだな。 けど・・・めちゃくちゃ気持ち良かったのも確かだ。本気で死ぬかと思うほどに。う~ん、毎回は無理だけど、たまになら生でヤッてもいいかも・・・って、いやいや、あの準備も込みだからなぁ。 一年に一回、いや、半年・・・三か月に一回くらいなら・・・ 「メ~イ?何考えてるの?生ハメがそんなに気に入ったのかな?」 「い、いや、そんな事はない!断じてない!!」 「そう?まぁ、オレとしてはメイが女子になんかに目もくれないようになったなら、それでいいけどね。もう分かったと思うけど、女子にはあそこまでメイを満足させる事は出来ないから」  それはもう充分過ぎるほど分かっている。だって俺はもう突っ込まれないと満足出来ないだろうから。けど、そうは言ってもイツキ以外の男に突っ込まれるなんて、死んでもごめんだ。 いや、それは最初に抱かれた時から分かってたんだけど、女子とヤル夢は捨てきれてなかったしさ。 けど、あーちゃんに迫られて、それも無理だと自覚した。 あぁ、もう俺はやっぱりイツキ以外は愛せないんだ。この完璧に整った顔をした残念なポンコツ野郎に、身も心も完全に堕とされてしまった。 でも、それは決して嫌ではなくて。 寧ろイツキ以外を受け入れられない俺に安心したりして・・・ あぁ、そうか。俺はその事実に安心しちゃうんだ。  俺には昔からイツキ以上に好きなヤツなんていなかった。けど、周りには女子も居て。男か女かって聞かれたら女の方がいいから、思春期になってからはとりあえずヤリたいなって。だってヤッてみたら、その子の事をイツキより好きになれるかもしれないから。 男を愛する自分を認めたくなくて、女子とヤル事ばかりを夢見てたけど。 男っていうよりイツキ個人が好きなんだって気が付いた。だから、ここまで体を堕とされて・・・イツキにしか満足出来ないから、イツキを愛してもいいっていう状況になって安心したんだ。 あぁ、やっと、やっと俺はイツキを愛してるって自覚したよ。 何というか、自分の今までの感情がストンと腑に落ちたような感じ。  「・・・なぁ、イツキ」 「ん~?」 俺は隣に横たわるイツキに何気ない口調で言う。 「俺、お前の事好きだわ」 「・・・えっ?!」 案の定、イツキの目からブワッと涙が溢れる。しかも今回はそこから号泣し出した。鼻水も垂れまくり。それでもカッコいいんだから腹立つよな。 「ぼんどうに~(本当に~)」 「あぁ、本当だから泣くな。ほら、鼻かめ」 「ん」 ティッシュを差し出すと、ズビーとデカい音をたてて鼻をかむイツキ。 改めて俺に抱きつき、頭を胸に擦り付けてくる。ほんと、こういう時は大型犬みたいなのに・・・そう思っていたら、ペロっと乳首を舐めやがった?! 「ひゃんっ?!!やめろバカっ!また腫れたから痛いんだって!先週と同じパターンやめろやっ!!」 「・・・うん、ごめん。目の前に美味しそうなご馳走があるから我慢出来なくて。けど、メイの為に我慢するね。 それより本当の本当にオレを好きになってくれたの?」 「あぁ、そうだって言ってるだろ?しつこいな」 「そっか~嬉しいなぁ。やっぱり体から堕とすのが正解だったんだ。オレ、メイに満足してもらえるよう、もっともっとテクニックを磨くね!リョウくんに連絡しなきゃ」 「待て待て待て!もう充分だから!充分過ぎるからっ!!これ以上は無理だってさっきも言ったよねっ?!」 「え~でも、メイはオレに生ハメ中出しされて好きって思ってくれたんでしょ?気持ち良かったから、女子よりオレがいいってやっと分かってくれたんだよね?毎回生だとオレは嬉しいけどメイが大変だから、ゴムありでも満足させられるように頑張る!」 「いや、まぁ、そうだけど・・・体だけじゃないから!色々俺なりに考えて出した結論だから!極論に走るなっ!!」  何とかイツキを宥めたけど、また暴走しそうで怖い。こいつ、中学生の頃から寝てる間に俺の乳首を育ててたんだよなぁ。こうなったきっかけも、俺の朝勃チンコがフェラチオされてたからだし・・・って、見た目が完璧美形のイツキで、相手が俺だから成立したけど、普通は完全に犯罪だからねっ?!  う~ん、何だか不安になって来たが、俺はイツキを選んだんだ。 ちょっと残念なポンコツイケメンだけど。 俺はイツキが好きで、イツキも俺のことがとんでもなく大好きなようで・・・ それはきっと揺るがない。 だから・・・ このまま俺たちは幸せになるっ! はず?! 「寝る前に自家発電して下半身丸出しのまま眠ってしまった俺が、朝起こしに来た幼なじみに美味しく頂かれてしまう話」  完 ーーーーーーーーー  最後までお読みいただき本当にありがとうございました。 最初のシュチュエーションの妄想から一気に書いたお話でしたが、何?このやり切った感w  本編はこれで完結ですが、この後番外編「イツキは勉強熱心」を数話公開予定です。これまたタイトル通り、お勉強して来た(実戦はなし。座学のみ)イツキが、メイにガッツリとその成果を発揮しちゃいます。   みなさま、もうしばらくお付き合いいただけると幸いです。 ルコ

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