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第1話

中学一年の時だった。 ギャンブルに嵌り借金を作った親父(おやじ)を見限って母が出て行き、親父は俺を養護施設へと預けた。 『直ぐに迎えに行く』 そんな言葉を信じて待ち続けたが、一ヶ月経っても二ヶ月経っても迎えには現れず、半年が経った頃に漸く親父は来た。 その日は丁度二十四日だった為、これがプレゼントかと考え、やっと帰れるのだと安堵したが退所ではなく一日外泊だと知り陰鬱な気持ちになったのを覚えている。 親父に連れられたファミレスで遅めの昼食を食べながら、言い訳を聞かされた。 日雇いの仕事で食いつなぎ、まだ借金返済の目処がたたない事。 『早く迎えに行けるよう頑張る。だからお前も我慢してくれ。父さんに協力してくれ』 そう懇願する親父に『分かった』と渋々頷くしかなかった。 食事を終えるとそのままホテルに連れて行かれた。部屋に押し込めるように入れられ、ベッドに座る中年男の気持ち悪い笑みを見て漸く親父の言った『我慢』と『協力』の意味が分かった。 嫌だと、助けてくれと叫ぶより早くドアは閉められ、俺は……闇に捕まった。

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