ボフンっ、とベッドにうつ伏せで倒れ込んだ。 今日の午前中は文化祭の後片付けで、その後、閉会式があった。 片付けの最中の、イマイチ盛り上がってない雰囲気の気まずさよりも、閉会式の紫音のヴァイオリン演奏の出来事の方が、いつまでも話題が途切れることはなかった。 とはいえ、どちらにせよ、渦中は自分であるのではないかと思う。 何に対してもそつなくこなす紫音が、演奏程度で失敗するはずがないと思ったからだ。 そんな完璧超人の彼がそうなったのは、自分が怪我をしたせい？ いや、メイド姿を見て動揺していたな。 ──······可愛い。 仰向けになった時、堪えきれないといった声音で紫音が言った言葉がよみがえる。 瞬時に頬が熱くなり、身悶える。 いつもクールでツンとした彼からは想像できない言葉に落ち着いていられなくなる。 そう、そしてその言葉に促されて、足の間のがムズムズとし、足を擦り合わせる。 閉会式の時も、場にそぐわぬ、思い出してしまい、熱を冷ますのに必死だった。 けれども、今ならば。 体を起こした朱音は、ベッドのそばにあるクローゼットから、無造作に入れたあの服を取り出す。 見た途端、嫌なことがすぐさまに思い出され、つい、まだすぐには治る予定もない右手に力を入れてしまい、顔を歪めた。 ──⋯⋯俺が代わりになってあげたかった。 指先がピクリと動いた。 紫音の唇が手に触れたという、思わぬ行動をしたことも思い出してしまい、胸が高鳴った。 ──同時に、スラックスがキツくなるのを感じた。 もう、ダメだ。我慢の限界だ。 捨てようにも捨てられずにいたメイド服を持って、再び寝転ぶと、下着ごと雑に脱いだ。 ──⋯⋯自分だけが見たかった⋯⋯。 まるで、大切な物を壊さまいとする手つきが、頬に触れたような錯覚に陥り、肩が小さく震える。 触って。もっと触って。 たまらずメイド服をぎゅうっと抱きしめると、ふわっと匂いが漂った。 自身のと紫音のとが吐き出した精は出来る限り拭き取ったが、しかし、その匂いがまだあるようにも、そして、紫音の匂いも微かにし、その匂いを嗅ぎながら、前開きの下着から飛び出した朱音のを、指先で沿うように触る紫音と同じことをした。 「ふ⋯⋯っ、ん⋯っ！」