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「俺、しおんにぃの役に立ってる?」 「もちろんだよ。もう充分に。いるだけでも役に立ってるよ」 「なにそれ、そんなんでもしおんにぃの役に立ってんの?」 おかしい、と笑っていると、朱音の上から横に抱いたまま寝そべった。 「そうやって笑っているのも、嬉しい気持ちになれる。もっと笑って、可愛い僕だけの朱音」 そう言って、額にキスをした。 照れくさくて、けれども、再び熱を持ち始めるほどに嬉しさを覚えていた。 ──それは、紫音も同じようで、密着しているものだから伝わった。 「······朱音。もう一回シたいのだけど、シてもいい?」 朱音のことを気遣っているのだろう、恐る恐るといったように訊いてきた。 たしかに、何度も快楽の境地に至り、安静にしていたいところだが、昔から自分のしたいことを口にしない紫音からの望みだ。叶えてあげたい。 「もちろん! しおんにぃのことを感じていたい」 二度目のゴムをする時に、着け合いをした。 着ける時に、朱音の時と同様、声を我慢する紫音にちょっかいを出したくなって、わざと指先で直に触れて、声を出させたりした。 それのちょっかい返しなのか、浅いところで、しかもゆっくり腰を揺らすものだから、たまらず「もっと奥を突いて」と言うと、その通りにしてくれた。 結局、朱音のワガママ優先にしてくれる紫音に、大好きという意味で、果てて、一緒に布団に入り、小さく寝息を立てる彼の頬に、軽く口付ける。 寝言で朱音のことを呼ぶ愛しき彼に、小さく笑って、一緒に寝に入った。 こうして、ときどきしか会えないけれど、十年近く会えなかった時と比べれば、ささいなことだ。 それにこんなにも愛してくれているのだから、どんなに離れていても、繋がっていることを信じられる。 だけど、大好きな人の温もりを感じていたいから、今度はいつ会えるのだろうとも思ってしまうのであった。

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