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ふたり占め#1 ⑦

「あの、奏さん」 「はい」 藍流と流風が正座して俺のほうを向くので、俺もなんとなく正座する。 「『俺の事より』って、もしかして…奏は経験あり?」 「え?」 「奏の初めては誰!? 前の学校の人!?」 急にふたりが詰め寄ってきた。 なに? 俺の初めて? 「俺、経験なんてなんにもないけど…?」 「!!」 「ふたりこそ、経験…あるんでしょ…?」 俺の問いに藍流も流風もきょとんとする。 「俺も流風も、なにも…誰かと付き合った経験さえないから、奏が離れてってめちゃくちゃ焦ったんじゃん」 「そうなの?」 「うん」 「…そっか」 嬉しい…。 ちょっと口元が緩んでしまう。 「じゃあ、三人で色々経験しようね?」 嬉しくてどきどきする。 俺の言葉に藍流も流風も固まった。 「どうしたの?」 「…奏、それは」 「?」 なんだろう。 と思ってたら流風と唇が重なった。 「え…あ、ん…っ」 ちゅ、ちゅ、と何度も唇が重なったかと思ったら舌が滑り込んできた。 舌で舌を擦られてゾクッとする。 流風の唇が離れたと思ったら、今度は藍流のキスが唇に触れた。 藍流の舌に呼吸を絡め取られていると、流風が俺のネクタイを緩めて首にキスを落とした。 「んっ! …ぅ、あ」 藍流の唇が離れて、どきどきしながらふたりを見つめる。 顔が熱い。 「奏は、俺と藍流…見分けついてる?」 「? うん」 「ネクタイの色で見分けてない?」 「そんな事ないよ? 疑うならネクタイ外してもいいよ」 「……」 「!?」 ふたりは同じ速度でネクタイを外してシャツを脱いだ。 俺は顔どころじゃなくて全身が熱くなってほんとに火が出そうになる。 「奏、目閉じて」 「? うん」 言われた通りに瞼を下ろす。 ふたりが何度も場所を移動してるのを感じる。 「目、開けていいよ」 「うん…」 瞼を上げると藍流・俺・流風の、そのまま並び。 「俺はどっち?」 「藍流。でこっちが流風」 迷わず答えると、ふたりは固まった。 「ほんとに?」 「うん。絶対間違ってない」 これは自信ある。 藍流と流風を見間違えるわけない。 「どうやって見分けてるの?」 流風が聞く。 「見分けてるって言うか…わかる」 「……」 ふたりはまたちょっと固まったあと、俺をぎゅうっと両側から抱き締めた。 「すごい、奏、すごい!」 「俺、自分でも、鏡見て藍流がいるのかと思う事あるのに!」 「? そうなの?」 なんでこんなに喜ばれてるのかわからないけど、ふたりが嬉しそうだからいいか。 でも、裸で抱き締められるとなんか…どきどきが異常になってくる。 「あの…離して」 「なんで?」 「だって…ふたりともシャツ着てない…」 「興奮しちゃう?」 「……」 こくんと頷くとなぜかふたりが俺のシャツを脱がせ始める。 「な、なんで!?」 「奏も脱ごう」 「どうして!?」 「…三人で経験するんでしょ?」 「そう。奏が言った通り、色々…」 「あ…」 するりと肩からシャツを下ろされる。 暖房がきいてるから寒くはないけど、藍流と流風の視線が絡みつく感じでどうしていいかわからない。 「あの…」 「奏、だめ?」 「え?」 流風が聞く。 だめってなにが? 「俺、もう限界」 「わ…」 藍流に抱きかかえられた。 そのままベッドに運ばれる。 「藍流…? …んっ」 甘いキスに脳が蕩け始める。 流風が俺の肌にキスを落としていき、その柔らかな刺激にどきどきする。 「あ」 流風が急に声を上げる。 なんだろう…。 「藍流、奏は倒れたばっかなんだからやっぱだめだよ」 「あ、そっか…」 ぽーっとする頭でふたりの会話を聞く。 藍流と流風が俺から離れてしゅんとしてる…可愛い。 「……俺、保健室でたくさん寝たし、お弁当もちゃんと食べたから…」 「?」 俺の言葉に藍流と流風が俺を見る。 どきどきして心臓爆発しそう。 「だから……いいよ…?」 声が震えてしまった…。 ふたりは俺をじっと見てる。 早くなにか答えて欲しくて、藍流と流風の手を握る。 「ほんとにいいの?」 藍流が聞くので頷く。 「やっぱりやだって言っても止まれないかもしれないよ?」 流風が重ねて聞くので、もう一度頷く。 「……俺がもし、やだって言っちゃっても、やめないで」 「……」 「わ…」 藍流と流風が、俺をぽすんとベッドに倒す。 「制服とか、汚すとよくないから脱がせるね」 「…うん」 藍流が俺のベルトを外してスラックスと下着を脱がせる。 恥ずかしくてなんとなく身体を捩る。 藍流と流風も身につけるものを脱いで床に落とした。 「えっと、俺、どうしたらいい…?」 こういう時ってされるだけでいいの? それともなにかしたほうがいい? 経験ないからわからない。 「なにもしなくていいよ」 「それに、なにも考えなくていい」 藍流が頬にキスをして、流風が首にキスを落とす。 「ただ、俺達を感じていて」 身体中に手が這って、俺を隅々まで知ろうとする。 全身がどんどん熱くなっていく、 流風の唇が胸の突起に触れて、それをちゅっと吸った。 「あっ…」 反対側の突起を藍流が舌でいじめる。 じんとした感覚が身体の芯に伝わっていく。 身体が震えるのが恥ずかしくて、でも確かにそこに快感の影があって。 「あ、あ、あ…!」 両側の尖りを同時にちゅうっと吸われてゾクゾクが駆け抜ける。 思わずふたりの肩に手を置いて、きゅっと力をこめた。 「奏、可愛い…」 「可愛いとこ、もっと見せて」 藍流が俺の足を開かせる。 恥ずかしい。 誰も知らない秘部を藍流の指がなぞる。 俺がちょっと緊張して身体を固くすると、流風が優しいキスをくれた。 「指、挿れるよ」

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