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ふたり占め#1 ⑧

「ん、ぅ…あ、ふ」 答えたくても流風のキスで唇が塞がれていて答えられない。 ゆっくりと藍流の指がナカに挿入ってくるのを感じる。 変な感じがするけど、怖くはない。 指でそんなところをじっくりほぐされているのが、不思議。 流風が頬や耳にキスを繰り返す。 ふたりの優しさに、緊張が解けていく。 「奏、指二本挿入ったよ」 「ん…」 「痛くない?」 「平気…」 ほんとに変な感じ。 今、俺、藍流と流風に抱かれる準備してもらってる。 ナカで藍流の指が動く。 「ひぁっ!? あっ、え、ぅあっ!」 なにこれ、変な声出る…! 藍流の指が同じ場所をとんとんとするとその度に恥ずかしい声が出てしまう。 慌てて手で口を塞ぐ。 「奏、声聞かせて?」 「ぅっ、んんぅ!」 「手はこっち」 「あっ! やだ、はずかし、から…っ!」 藍流がまたとんとんして俺は呼吸が乱れて恥ずかしく喘ぐ。 口を塞いでいた手を流風に外されて、ぎゅっと握られる。 どうしよう、身体中の骨が砕けるみたいに気持ちいい。 口の端から唾液が零れて伝っていくのを感じていたら、それを流風が舐め取ってそのまま深く口づけられた。 「奏、指もう一本挿れるよ…流風」 「うん」 「…?」 流風が藍流の隣に移動して、藍流の指が挿入ったままの場所に流風の指が挿入ってくる。 もうそれだけで沸き上がる興奮を抑えられないのに、また同じ場所を刺激される。 今度は流風の指も加わって、ふたりの指が不規則に蠢く。 「ぁあっ! あ、だめ…それ、や、ぁっ!」 「ここもすごいとろとろ」 「ほんとだ。可愛い」 藍流と流風の低い声が色っぽく鼓膜に響く。 その間も指の動きで身体がびくんびくん跳ねる。 どちらの手かわからないけど、昂ったものをすっと根元から先端に向かってなぞられて腰が震える。 声が止まらない。 全ての動きにおかしくなる。 「あ…、あっ」 ぬるっとふたりの指が抜かれて、またびくんと身体が震える。 ようやくちゃんと呼吸ができる。 俺が息を整えていると、俺の頭の上に移動した流風が、俺の上半身を膝に抱え上げる。 両胸の突起を指で弄られてまた息が乱れた、ら。 「あ、ゴムない」 「……?」 「…え、ここまできてお預けなの?」 藍流の声に俺が『?』ってなって、流風が悲痛な顔をする。 「だってそんなの持ってないよ。まさか今日こうなるなんて思わないから準備だってできなかったし。流風は持ってるの?」 「持ってない」 またふたりがしゅんとする。 なんか今日、ふたりの可愛いとこが見られて幸せかも。 「…いいよ」 「奏?」 「…………そのまま、藍流と流風を感じさせて」 「でも…」 「俺も、ここでお預けは………やだ、し…それに」 「それに?」 「………一生大切にしてくれるんなら、なにしてももいい、よ…」 自分で言ってて恥ずかしい。 俺の気持ちが伝わればいいんだけど。 「………」 「藍流? 流風?」 「…くっ…可愛過ぎる」 ふたりがなぜかぷるぷるし始めた。 かと思ったら藍流に足を大きく開かされた。 腰をちょっと持ち上げられて、どきどきしてくる。 「奏、怖い?」 流風が優しく聞いてくれるので首を横に振るとあったかいキスをくれた。 キスが深くなってふわふわしてきたら、指と違う大きさのものがナカへとゆっくり滑り込んできた。 息を詰まらせる俺の胸の突起を指でくにくにと弄りながら、流風が蕩けるキスをくれる。 「っは、ぁ…っあ! あ、んっ…!」 「奏のナカ、すごく熱い…」 藍流の、甘さを含む声に背筋がぞわっとする。 腰を掴まれて、ぐっと奥を昂りで刺激されるとびくんとしてしまう。 快感に身体を捩ったら、流風の昂ったものが目に入った。 「っ奏…!」 手を伸ばしてそれに触れると、大きくてかたくて熱い。 そっとキスをしてみたら流風の吐息が甘くなったのを感じる。 どうしたらいいかわからないからキスを繰り返していると、流風が髪を撫でてくれた。 藍流の生み出す律動で押し出される恥ずかしい声は止まらない。 「奏、そんなに煽ってどうするつもり?」 「え…あ、あ! あいる…っ、やだ、それむり! ああっ!」 「これ?」 奥に擦り付けるように何度も動かれて、頭の中が真っ白になっていく。 出したいのに、うしろだけじゃうまくイけない。 切羽詰まる喘ぎを上げる俺にもう一度流風がキスをして、身体の位置をずらした。 「っ!? やだ、るか、あっ! だめ、だめ、あっ!」 流風が俺の昂ったものを口に咥えて舌でいじめ始める。 前とうしろの快感にもうどうにもならない、どうしたらいいかわからない。 「ああっ! あ、やっ…あっ! だめ…でちゃ…から、あっ、あ!」 一気に絶頂に押し上げられる。 流風の口に白濁を吐き出した俺のナカで藍流が果てるのを感じる。 心臓がばくばく脈打って、身体の力が抜ける。 流風は口内のものをこくんと喉に通した。 藍流が身体を離し、藍流がいた位置に流風が移動する。 「奏、流風がまだだからもうちょっと頑張って」 「ん…」 藍流が俺の隣に動いて、俺の上半身を膝に抱え上げる。 今度は藍流が熱いキスをくれる。 達したあとだからか、吐息が熱くて甘くて、舌を絡め取られるとまた力が抜ける。 キスで力が抜けている俺の奥の蕾へ、今度は流風の昂りが挿入ってきた。 「んんぅ、んっ! ん、ふぅ…んぁ、あっ! あっ…!」 流風が動くと、藍流の時と同じように、やっぱり声が押し出される。 もう恥ずかしいなんて考える事ができない。 藍流が左の胸の突起に軽く歯を立てて、ぴりっと痺れるような感覚が走る。 突起を舌と指で責められて、流風が動いて奥を突かれて、次から次へと俺を呑み込もうとやってくる快感の波に呑まれて溺れて、また呑まれる。 また限界へ追い詰められていく俺に藍流がキスをくれて、更に蕩かしていく。 「…っ、奏のナカ、すごく気持ちいい」 「あっ! だめ、も、むり…むり! や、ん…っ」 今度は藍流が、また昂って熱くなっている俺のものを咥えた。 俺はもうなんにもわからなくて、ただただ流風と藍流がくれる快感に声を上げて身体を震わせる。 こんなの、おかしくならないほうがおかしい。 「っ! ああっ…!!」 押し寄せた波に呑み込まれた俺が藍流の口内に欲を放つと、流風が表情を少し歪ませて達した。 ナカでどくんと脈打つものにぞくっとする。 「ぁ、…はぁ…っ」 流風が身体を離すと、ナカから藍流と流風の名残が零れ出る。 藍流と流風に抱き締められると汗ばんだ肌が密着し合って、三人でひとつになったような錯覚を覚える。 ぽーっとしている俺をふたりが導いて、三人でキスをして舌の熱さと甘い吐息を味わう。 「奏、シャワー浴びに行こう?」 藍流が身体を起こして俺を抱き起こす。 「え、家で浴びるからいいよ」 「だめだよ、ちゃんとここ、綺麗にしないと」 流風の指が、先程までふたりを受け入れていた、濡れる秘部をなぞる。 「なんなら泊まっていきなよ」 「それいい。そうしなよ、奏」 流風の提案に藍流も声を弾ませる。 「でも、いきなりだとご両親に迷惑がかかるんじゃない?」 「大丈夫。うちの両親、お客さま大好きだから。俺達が友達のひとりも連れてこないからつまらないってぶつぶつ言ってるくらいだし」 藍流が俺を膝に座らせて言う。 「もちろん、奏のご両親がいいって仰ったら、だけど」 流風も身体を起こして俺の頬や首にキスをする。 俺もふたりとまだ一緒にいたいから、親に泊まってもいいかメッセージを送ったらすぐにOKの返信が来た。 「いいって」 「やった! じゃあまず俺と流風は責任持って奏のナカ、綺麗にするね」 「浴室行こう。奏は藍流のスウェット着て行けばいいから。あ、抱っこして行こうか?」 藍流がスウェットを出してくれて、ぶかぶかしているそれを着たら流風が本気で抱き上げようとする。 「大丈夫、歩ける」 「そう…」 流風は残念そうにまたちょっとしゅんとしたけど、さすがに抱っこされて行くのは誰もいなくても恥ずかしい。 浴室は広くて、三人で入っても問題ないくらいだった。 藍流が指でナカに残ったものを掻き出してくれるんだけど、悪戯に気持ちいい部分に触れるから、俺は足がガクガクして、支えてくれている流風にしがみ付く。 「奏、もう一回イく?」 「んや…やだ、むり…」 「でもこっちすごいよ。いっぱい溢れてる」 藍流が俺の昂りに触れる。 先端を指の腹で擦られて腰が跳ねる。 また絶頂に押し上げる波がやってくる。 「……じゃあ…藍流と流風でして…」 流風の手を取って、藍流の触れている昂りへと導いてふたりに触ってもらう。 「奏ってすごく可愛い事さらっと言うね」 藍流が俺の背中にキスをしながら言う。 「んっ、あ…」 「じゃあ、俺と藍流の手で可愛くイッて?」 藍流と流風の手が昂りを巧みに扱いて俺を更に限界へと追い詰めていく。 「あ、あ! も、でる…あっ…!!」 ふたりの手に包まれて俺は果てた。

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