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ふたり占め#6 ①

今日は卒業式。 溜め息がひとつ。 来年は藍流(あいる)が卒業してしまう。 今から考える事じゃないのはわかっているけれど複雑。 うちの高校は卒業式に在校生は参加しない。 なので一・二年生は十三時まで自宅で過ごすように言われている。 流風(るか)も今頃家にいる。 藍流は生徒会長として送辞を述べる事になっているので式に出ている。 壇上に立つ藍流、かっこいいだろうな…いや、絶対かっこいい。 窓の外を見ていたけど、卓上カレンダーに視線を移す。 もうじき二年生。 藍流は三年で、受験だ。 新入生が入ってきて、クラス替えもあって、色々な事が動き始める予感。 流風とクラスが離れないといいな。 「もうあと一か月で四月かぁ…」 四月………ん? 「!!!」 四月って藍流と流風の誕生日!! どうしよう! プレゼント全然考えてない…!! 時計を見るとちょうど十三時を過ぎたところ。 「………」 『(かなた)、なにかあったら大変だから外出する時は必ず俺達に連絡する事。わかった?』 わかってます。 でも今は…ごめんなさい! 心の中でふたりに謝って家を出た。 自宅最寄り駅の改札を通ってホームへの階段に向かう。 ちょうど反対方面のホームに電車が来たばかりのようで人が多い。 ぶつからないように気を付けて歩く。 「奏?」 「!!」 聞き慣れた声が俺を呼んだ。 この、耳に心地好く響く声は間違いなく…。 「どこ行くの? 私服だから学校じゃないよね?」 「……藍流」 優しい笑顔がちょっと怖い。 ポケットからスマホを出してチェックしてからもう一度俺を見る。 「まさか俺にも流風にも連絡せずに外出?」 「えっと…」 「おいで」 「あ…」 手を引かれてふたりで改札を出る。 矢橋(やはし)家のある西口の出口から駅をあとにした。 藍流は俺の手を引いたまま、空いた手で流風に電話をかけて状況を説明している。 …これは怒られるな、絶対。 矢橋家に着くと、玄関のドアの前に流風が立っている。 「奏!」 俺を見てほっとした顔をしてる…心配かけちゃった。 やっぱりちゃんと連絡してから外出すればよかった。 藍流と流風に手を引かれていつも通り藍流の部屋に入る。 ちゃんと謝らなくちゃ。 俺が口を開くより先に、藍流に唇を重ねられ、首に流風の舌が這った。 「ん…っ」 壁に背を押し付けられ、少し強引に重なる唇にゾクッとする。 絡まる舌と喉仏の形をなぞる舌に快感が走り抜け、藍流と流風の腕を掴む。 「ん、あ…まって…!」 だめ…このままじゃ…。 でもふたりは離してくれない。 息継ぎもできないキスに身体が大きく跳ねて足の力が抜けた。 「…奏、キスだけでイッたの?」 「っは…ぁ、あ…」 藍流の問いに頷く俺を、流風が支えてくれる。 力が入らなくてひとりじゃ立てない。 「こんなに可愛い子がひとりで無防備に外出したらどうなっちゃうか…考えただけで気が狂う…」 「奏、お願いだからこれからはちゃんと俺達に連絡して」 「ん…」 流風も藍流も心配してる。 俺がもう一度頷くと優しく何度もキスをくれた。 汚れた下着が気持ち悪いと身体を捩ると、ふたりはそれに気付く。 「気持ち悪いね…脱ごうか」 「…ん」 「ほんと可愛い…」 流風が俺の身に着けるものを脱がせる。 その間も藍流はキスを続ける。 すぐにまた身体が熱を持ち始め、昂ってくるのを感じて恥ずかしい。 「奏、反省してる?」 「…してる」 藍流に聞かれて頷くと、流風が俺の昂りをなぞる。 「あっ…!」 「可愛い反省の仕方だね」 「あ…やだ…」 足の間に手が滑り、奥の蕾をなぞられる。 指先がナカに隠れただけで大きく喘ぐ俺にふたりは笑みを深くする。 「可愛い声」 「だめ…あっ!」 流風の指がいつもの場所に触れた。 身体を震わせながらしがみ付く俺を、ふたりがしっかり抱き留めてくれる。 鋭い快感が突き抜けていく。 「あ…あぅ、あ…! んっ!!」 呆気なくまたイッてしまう。 流風が指を抜いて俺を抱き上げ、ベッドに寝かせた。 身体中に藍流と流風のキスが降ってくる。 胸の突起を藍流が指と舌でいじめ、ナカの弱い場所を流風がいじめれば簡単におかしくなる。 「…っ!!」 すぐに達した俺の腰に流風がキスをする。 その柔らかい刺激にさえ目の前がチカチカして息が上がる。 もっと熱いものが欲しくてねだるけれど、ふたりとも意地悪に微笑むばかりで挿れてくれない。 指と舌で責められ続けて、俺はまた達する。 「可愛い、奏」 「ここも…とろとろでおいしそう」 「ひっ、あ! だめ!」 達したばかりの昂りを藍流が咥える。 ぢゅるっと吸われれば腰が浮いてぞわぞわが襲ってくる。 「藍流に食べられて、指すごい締め付けてる」 「あ…あ、だめ、やだ…あ…」 藍流の髪に触れるけど、解放されるどころかかえって深く咥え込まれた。 「ひぅっ!!」 ぢゅううっと更に吸われた刺激で藍流の口の中で潮を噴いてしまう。 昂りを咥えた口から零れ落ちる液体で、綺麗な唇がいやらしく濡れている。 「飲んであげればよかったのに」 流風が言うのをぼんやりした頭で聞く。 「そうしたかったけど、あんまりいじめると奏が泣いちゃうから…ああ、ほら」 「ほんとだ」 ぐずぐず泣く俺に、藍流と流風がキスをする。 そんなんじゃごまかされない。 今日のふたりは意地悪だ。 そりゃ連絡しないで外出した俺が悪い…わかってるけど! 「……っく、…うぅ…」 「奏、泣かないで」 「ごめんね、ちょっとだけ意地悪しちゃった」 「ちょっとじゃない…!」 流風と藍流が交互にキスをしながら俺をなだめる。 その思惑通りに俺は涙が収まってきた。 「……俺だけ脱いでるの、やだ」 「わかった。俺達も脱ぐよ。な? 流風」 「うん」 藍流と流風が服を脱ぐのを見ながら、身体を起こして自分の熱の先端に触れてみる。 ぬるぬるしてる…。 軽く握って扱くとゾクゾクッと背筋に快感が走った。 息を乱しながら、ふたりの大きくて熱い手を思い出して扱く。 昂りだけじゃなくて気持ちまでもう起き上がってる…。 「奏が可愛いコトしてる」 「ほんとだ…すごく可愛い」 流風が俺のしている事に気付いて、藍流とふたりで覗き込む。 見ないで欲しいけど見られるとゾクゾクする。 「ん…っ」 「じゃあ俺と藍流はこっちを弄ってあげようか」 「そうだね」 左右から俺の身体を抱えて、ふたりが手を蕾へと伸ばす。 藍流と流風の指が一本ずつ挿入ってきて弱い場所に触れる。 「っあ…あ! ぅ…あ…っ!」 自分で扱く手が止まり、ふたりの指の動きに腰がガクガクして奥が熱くなる。 意地悪な指は弱い部分を執拗に弄り、追い詰められた俺は簡単に達してふたりに体重を預けた。 ふわふわしながらふたりにキスをねだって先を求めると藍流も流風も微笑む。 「お仕置き、ちゃんと受け止めてね」

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