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第6話

コラボカフェから数日が経ち、そろそろコスイベが近づいてきていた。 愛佳から次の衣装について色々聞かれていたが、奏多は体調が優れないからと言ってコスイベの参加を断った。 はじめと会うのが難しいからだ。 あの告白の後、どう返事しようか悩んだがはじめは「返事は次会った時でいいので!」と言って去ってしまい、その返事がまだ決まっていないのでコスイベに参加出来ずにいた。 (返事…どうしよう…別に嫌いじゃないけど、恋愛的な意味だと…俺が好きなのは…) 目を閉じると出てくるのは……… そこで携帯が鳴り響き、確認をすると琉斗からでドキッとしてしまい何とか落ち着くとゆっくり通話ボタンを押した。 「も、もしもし」 『奏多さん、お疲れ様です。今、大丈夫ですか?』 「う、うん、大丈夫……あれ?」 琉斗後ろからぴちゃんと水音が聞こえて、奏多は不思議そうにしていると琉斗が『どうかしましたか?』と聞いてきたから思い切って聞いてみた。 「あの、琉斗さん…今、何処から電話かけているんですか?」 『今…風呂場ですが』 まさかの場所に驚くと奏多はアワアワしながら「何でそんな場所から!?」と問い掛けてしまった。 『あー…忘れないうちに聞こうと思ったのと…奏多さんの声が聞きたくなって…もしかして俺の裸想像してしまいましたか?』 「っっっ…!!からかわないでください!!」 頭にポンと琉斗の裸姿を想像してしまい、すぐに首を横にブンブン振って消していると画面の向こう側からクスクスと笑う声が聞こえて顔を真っ赤にして、とりあえず話を聞こうとした。 「そ、それより俺に聞こうとしていた事は何ですか?」 『ああ、次のコスイベ、どうしますか?』 “コスイベ”という単語にドキッとなったが何とか平静を保って「ごめん、参加出来ないんだ」と言うと落ち込む琉斗の声が聞こえてきて、ズキっと胸が痛んだ。 『仕事が忙しい感じですかね?』 「え…あ、そうだけど…そこまで忙しいって訳じゃないから…次のは行けると思うから…だから、その…」 『なら、時間ある時でいいんで…ゆいの我儘に付き合ってくれませんか?』 ゆいの我儘に奏多はきょとんとしながら首を傾げた。 そしてとある日のこと。 奏多は琉斗とゆいの2人と一緒に郊外の温泉宿に来ていた。 立派な旅館で、部屋には露天風呂が付いており奏多は荷物を持ったまま驚いていて、ゆっくり振り返り仲居さんとの話を終えた2人に問い掛けた。 「これはいったいどういう事ですか?」 「ああ、私が現代パロのマルスとレオンの温泉写真を撮りたくて!!琉斗と奏多さんに是非と思いまして!宿取っちゃいました!」 ウィンクをして親指をグッと上に上げて見せてくる相手に、はえぇーとなっていると琉斗が荷物を置き中からマルスのウィッグとメイク道具を取り出した。 「奏多さん、浴衣姿でゆいは撮りたいみたいなんで、とりあえず準備しましょうか」 「あ、う、うん」 荷物を置いてレオンのウィッグを取り出すとテキパキと顔部分だけ作って、衣装はゆいが持ってきた浴衣に着替えた。 いつもと違う雰囲気に自分で「おー…」と感心していると、琉斗も着替え終わり振り返るとそこには浴衣姿のマルスがいて、奏多は顔面を真っ赤にして心の中で叫んでいた。 「奏多さん、どうですか?似合っていますか?」 「似合ってる!浴衣凄い素敵!浴衣も黒色に黄緑色のワンポイントが入っていて、もう本当かっこよくて…」 そこでハッと我に帰り琉斗を見ると嬉しそうに笑っていて、奏多は自分の顔を隠した。 「2人ともー、着替えた?」 カメラの準備をしていたゆいがやってきて奏多と琉斗を見ると、うんうん!と頷いていたが、何かを思うと奏多に近づききっちり着ている浴衣の前をガバッと開けた。 一瞬の出来事で何が起きたか分からなかったが、すぐに腕で前を隠しながら叫んだ。 「ゆ、ゆいさん!?いきなり何をするんですか!?」 「いやぁー、レオンの性格的にちゃんと浴衣着ないと思うので乱した方が良いと思いまして!」 ゆいの言葉に確かに!と思うと、奏多は隠していた腕を退かして堂々とした。 こうして撮影が始まり、3人は表に出ると露天風呂だけではなく足湯がある事に気付き、奏多と琉斗は足湯に入る事にした。 ゆっくり足を入れて丁度良い温度にホッと一息ついていると、隣に座った琉斗が肩を抱いてきてビクッと体が跳ね上がった。 「え、え!?琉斗さん!?」 「撮影なので」 「いや、撮影って…こういうのは…」 「良いじゃないですか…見ているのはゆいだけなんで…」 チラリとゆいの方を見ると真剣な表情でカメラを見ていて、奏多はドキドキしながら撮影に挑んだ。 どの撮影も密着度が高く、疑問に思った奏多はゆいに問い掛けた。 「あ、あのゆいさん?こんな密着していいんですか?」 「ああ、これは私の趣味の撮影なんで、マルレオをお願いします!」 まさかのカップリング呼びを出されて奏多はようやく意味が分かると、琉斗の手が浴衣の中に伸びてきて奏多は体を捻って逃れた。 「ちょ、りゅ、琉斗さん!?」 「言ったでしょう?マルレオをお願いしますって、つまり…こういう事ですよ」 「え、あ、で、でも…」 「見ているのは俺とゆいだけなんで」 トンっと肩を押されると、足湯の座る部分に押し倒されてしまい琉斗が覆い被さってきてドキドキしているとだんだん頭がクラクラしてきて、そのまま奏多は気絶をしてしまったのであった。

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