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第7話
ハッと奏多が目を覚ますと、目の前に泊まっている部屋の天井が映り起き上がり周りの確認をするとゆいがすやすや眠っており、時間を確認すると夜の10時になっていて、着いたのが夕方ですぐに撮影をしたからかなりの時間倒れてしまった事だと分かった。
ウィッグ等は外されていて、綺麗にされて机の上に置かれていた。
(どうしよう…とりあえず、汗かいたし…温泉入ろうかな…)
動こうとした瞬間、腕を掴まれてしまい「え?」と声が上がるのと同時に倒されてしまった。
一瞬何が起きたが分からないが、奏多を倒した犯人は浴衣を乱したまま覆い被さってきた。
「りゅ、琉斗さん?」
「おはようございます、奏多さん…何処に行こうとしてたんですか?」
ただの質問なのに圧を感じてしまい、奏多は目を逸らしながら答えた。
「お、お風呂に入ろうかと…汗かいていますし…」
「夕飯は大丈夫ですか?一応色々インスタント食品を買ってきましたが…」
「お、お腹は大丈夫です…だから、その…離してください…」
弱々しく言うと琉斗は退いてくれて、ホッと息を吐くといきなり抱き上げられお姫様抱っこをされてしまい驚いてしまった。
「あ、ちょ、琉斗さん!?」
「シーっ…騒ぐとゆいが起きちゃいますから」
ハッとして口を手で押さえ、ゆいの方を見るとすやすや眠っており起きそうな様子はなかった。奏多は小声で琉斗に向かって言った。
「あの、俺、1人で入れますから…下ろしてください」
「…一緒に入ってもいいですよね?男同士ですし、おかしなところは何もありませんし」
ニッコリ笑顔で言われた言葉に断れず、そのまま奏多は脱衣所に連れて行かれてしまった。
自分で脱げるが何故か浴衣を脱がされ、下着も脱がされてしまい慌てていたが琉斗は全く気にしていなく一緒に入ると頭からつま先まで洗われていた。
「ちょ、まっ!琉斗さん!!」
「はーい、メイクもちゃんと落としましょうね?」
「じ、自分でやりますから、って何処触っているんですか!?」
「何処って……そんな恥ずかしいこと言わせないでくださいよ、奏多さんのえっち」
意地悪な琉斗に、奏多は怒ろうとしたが綺麗でかっこよすぎる顔面で見つめられてしまい何も言えなくなって相手のされるがままになっていた。
際どいところを触られて奏多はビクビク体を反応させていた。
「…奏多さん、ただ洗っているだけですよ?」
「ぜ、絶対洗っているだけじゃないぃーーー!!」
やっと離された時には奏多はぐったりした状態で温泉に浸かっており、琉斗はニコニコと楽しそうに笑っていた。
「どうしました?奏多さん、大丈夫ですか?」
「…も、もう、こんな恥ずかしい事されるとは思わなかった…」
「ただ体を洗っただけなんですけど…」
「何処が!?」
ツッコミを入れる奏多に琉斗はクスクス笑っていて、奏多は相手に背中を向けた。
するといきなり肩を掴まれて「ひゃっ」と甲高い声が出てしまい、すぐに振り返ろうしたが琉斗に止められてしまった。
「奏多さん、お疲れですから…マッサージでもしますよ」
「いや、でも…」
「大丈夫ですよ、俺上手いってよく言われるんで、後でお部屋でもしましょうね」
「マ、マッサージだけですよね?」
奏多の問いかけに琉斗はきょとんとすると、少し経ってから後ろから抱き締めてきた。
「りゅ、琉斗さん!」
「マッサージ以上もしてあげますよ?」
「だ、駄目です!!大体、マルスみたいにそんなスキンシップしなくていいんですよ!」
そう言うと琉斗はピタリと止まって、奏多は首を傾げた。
どうしたのか、気になり振り返って相手を見ると綺麗な顔が目の前にありドキッと来てしまった。
すぐに、顔を逸らそうとしたが…顎を掴まれて固定されてしまい逸らすことが出来なくなってしまった。
「琉斗さん…?」
「いいんですね、マルス以上のことしても…」
「へ…んっ!?」
いきなりキスをされてしまい、奏多はすぐに離そうとしたが力強く抱き締められていて離せず深く深く口付けられていた。
「んっ、んぅ…っ…」
舌を絡ませあっていると、やっと口から離れると奏多は乱れた息を整えた。
「琉斗さん…何でこんな…」
「何で?マルスみたいな事しなくていいって…だからもう我慢しません」
そう言い終わるとまた口付けられてしまい、そのまま色々と手を出されてしまった。
「もう、琉斗さん…の馬鹿…」
温泉から上がり、洗面所の前に無理矢理座らされてしまい髪を乾かされていた。ぼーっとしながら奏多はボソッと呟いた。
「何で、こんな年下の琉斗さんにあれやこれやされているんだろう…」
「いいんですよ、好きだからしているので」
振る舞いが本当にマルスで、鏡越しで見つめていると目がバッチリ合ってしまい微笑まれてしまって奏多は目を逸らした。
「それで、奏多さん…
いつになったら俺の事好きになるんですか?」
まさかの質問内容に奏多は顔を俯いて考えると、ゆっくり顔を上げて鏡に映る相手を見つめながら真剣な声色で言った。
「ごめん…もう少し待っててください…やらないといけないことがあるからさ…」
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