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第2話 猥談と夜のおふざけ?(2)

(下心あるってわかってんのかな。こう見えて、智也は結構天然なところあるし……)  無防備な姿にドキドキしつつも、内心でため息をつく。  どのような誘惑があろうと堪えてきたし、妙な気を起こそうとは思わない。  が、こちらの好意を知ってもなお、いたって平然とした態度をとられると複雑なものがある。変わらぬ付き合いができればいいと思っていたけれど、これはこれでなんだか釈然としない。 (俺のこと、どう考えてるんだろう――まあ、見るからに意識はしてないか。『落としにかかってこい』って言われても、今までずっと抑え込んできたのに無理あるって……)  そのようなことを考えていたら、智也が大きく欠伸をした。いつの間にか日付が変わっている。 「そろそろ寝っか」 「ん、賛成」  陽翔は頷き、客用布団を床に敷いた。智也もまたこちらに背を向けるようにしてベッドに横になる。  と、これまたいつもどおりではあるのだが、どうにも落ち着かない。電気が消されて、陽翔はしばらく目を閉じてみるものの、一向に眠ることができなかった。 「――……」  ふと智也が寝返りを打つ気配を感じ、軽く目を開ける。智也は暗闇の中でこちらをじっと見ていた。 「えっ、なに」 「あのよ、ハルって俺のこと好きなんだよな?」 「す、好き……だけど?」 「いつから?」 「……何これ。なんで修学旅行みたいなノリになってんの」  言うと、智也はあからさまに不貞腐れた。 「だって眠れねーし。いいから答えろよ」  突飛な言動は今に始まったことではないけれど、あまりに脈絡がなく戸惑ってしまう。が、智也が焦れったそうに頬杖を突いたので、陽翔はしぶしぶ答えることにした。 「えーっと、気づいたときにはというべきか――知り合ったときから、かも」 「マジかよ」 「あは、その頃はまだ恋とかよくわかんなかったんだけどね。ただ、純粋に智也のことが好きで……はっきり自覚したのは中学生になってからかな」 「は? なんかあったっけ?」 「……言わなくてもわかるでしょ」 「?」  智也は本気でわからないらしく首を傾げていた。言おうか言うまいか迷ったが、陽翔はおずおずと告げる。 「ぷ、プールの授業なんかで、裸……見たとき、ドキドキしちゃって……だから、ええと」  我ながら恥ずかしすぎて、顔がじわじわと熱くなっていくのを感じた。 《性の目覚め》とでもいうのだろうか。それからというもの、智也に対して性的興奮を覚えるようになってしまったのだ。  異性には目もくれず――それが異常なことであると理解すると同時に、自分はどこかおかしいのではないか、と悩んだ時期だってもちろんあった。あるいは、思春期にありがちな気の迷いかもしれないと。  しかし、今までともに過ごしてきた日々を思えば、不思議なことに妙に納得がいくもので、その頃にはすでに恋に落ちていたのだと思う。 (うう、さすがに引かれたかな……)  などと気になって智也の方を見やれば、何ということはない。彼もまた顔を赤くしていたのだった。

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