「俺も脱ぐから」 　もう余裕など欠片も残っていなくて、気が急いてしまう。 　ベルトをカチャカチャ鳴らしながら制服のズボンを脱ぎ捨てれば、智也も眉根を寄せながら従ってくれた。Ｙシャツ一枚になったところで、今度はベッドの上に座るよう促す。 「エッチな動画見ながらでもいいよ？」 「いらねーわ！　さっさとしろよっ」 　ムッとして智也が向かい合わせに座ってくる。 　視覚的に興奮するようなものを用意せずとも、どうやらすでに昂ぶっているらしい。半勃ち状態のそれへと手を伸ばせば、ビクッと智也の体が震えた。 「く、っ」 　そのまま軽く上下に擦ると、すぐに硬度が増していく。先端からは透明な雫が滲み、陽翔の手の動きに合わせてくちゅくちゅと濡れた音が響いた。 「先っぽ、もう濡れてきちゃったね。ちゃんと興奮してくれてるんだ？」 「うっせ……お前だって。つか、なんでこんなガチガチにおっ勃ててんだよ」 　智也が負けじと陽翔のものを握ってくる。そこは天を仰ぐほどの反り返りを見せていて、苦笑を返すしかなかった。 「そりゃあ、智也とエッチなことしてるんだもん。こうもなるよ」 「……学園の王子様がよく言うぜ」 「それってみんなが勝手に思ってるイメージでしょ。俺、どう考えても“王子様”なんて柄じゃないし」 　そう告げると、親指の腹でグリグリと亀頭を撫で回してやった。途端、智也の顔が快楽に歪む。 「ん、は……っ」 「智也はここ好きだよね。触るとすぐグショグショになっちゃう」 　鈴口を割るように刺激し、溢れ出てきた透明な蜜で竿を扱き上げていく。 　吐息がこぼれてしまうのが恥ずかしいらしく、智也は必死に押し殺そうとしていたが、それも長くは続かなかった。 「はっ……は、あ」 　智也が息を弾ませながら、陽翔の肩口に額を押しつけてくる。 　いつもはツンケンしているけれど、こうして素直に感じてくれる姿といったら、可愛らしくて仕方ない。陽翔は思いを抑えきれず、智也の体を片手で抱きしめた。 「ちょっ、なんだよ」 「ごめん。ちょっとだけ抱きしめさせて」 　腕の中で戸惑う智也をよそに、陽翔は抱きしめる腕に力を込める。 　智也は一瞬体を強ばらせたものの、意識を逸らすように手淫を強めてやれば、すぐに腰砕けになった。肩を揺らしながら、時折気持ちよさそうな声を小さく漏らす。 （ああ、可愛い） 　もっと自分の手で乱してやりたい――互いのそれを扱き合いながらも、嗜虐的な衝動に駆られて生唾を飲み込んだ。 　目の前にあるのは、ピアスの付いた形のいい耳朶。赤く染まっているのがやたらと美味しそうに思え、堪らず舌先で舐め上げる。 　すると、智也が一際大きく肩を跳ねさせた。