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【二十七】気持ちの確認(☆)

 こうして俺達は、魔王城へと戻った。手を繋いで。  帰還した俺達は、俺の借りている部屋へと向かった。中に入ると、ロイが俺を抱きしめた。 「ジーク、改めて聞かせてくれ。お前の気持ちを」 「……ロイの事が好きだ」 「そうか。俺も、ジークを愛している」  嬉しそうな顔をしているロイを見て、俺も泣きそうなくらい嬉しくなった。俺の好意を喜んでくれるのが、どうしようもなく幸せな事に思える。ロイは、俺の頬に手を当てると、俺の額にキスをした。それから、続いて俺の唇に触れるだけのキスをした。その後、少し屈んで俺の顔を覗き込む。俺は紫色の瞳をじっと見つめた。 「ジーク。お前が欲しい」  その言葉に、俺は真っ赤になったが、小さく頷いた。俺も、ロイと一つになりたい。  そうして俺達は、ベッドへ移動した。  ロイが指を鳴らして、小瓶を出現させた。それをベッドサイドに置いてから、ロイが俺の服に手をかける。何度もキスをしながら、俺は身を任せ、ロイに服を乱された。気づくと一糸まとわぬ姿になっていた俺は、再びキスをされ、そのままベッドに押し倒された。後頭部に枕がぶつかる。その状態でも、何度も何度もキスをした。 「んン」  ロイが、俺の鎖骨の少し上に、吸いついた。ツキンと疼いて、キスマークをつけられたのだと俺は気づいた。ロイは、俺の体に、沢山唇で触れ、どんどんキスマークを増やしていく。その内に、唇が、俺の右の乳首をはさんだ。 「ぁ」  舌先でチロチロと乳頭を刺激され、俺は息を詰める。自分でも信じられないくらい、甘ったるい声が漏れそうになる。左胸の突起は、ロイが指で捏ねた。左右の胸への刺激に、俺の体が次第に温かくなり始めた。フワフワした心地になってきた。まだ緊張がほぐれていないから、俺は、自分が変ではないかとばかり考えてしまう。 「んア!」  その時、甘く乳首を噛まれて、俺は声を上げた。その瞬間、ジンとした熱が、俺の体にしみこんできた。 「ぁ、ぁあ」  強く胸を吸われた時、俺の体の中に、熱が宿った。 「ん、ぅ」  ゾクゾクする。  ロイは、そんな俺を見ると、唇の両端を持ち上げて、楽しそうな顔をした。一度口が離れたからと、俺が気を抜いた直後、ロイが俺の陰茎を握りこんだ。 「ああっ」  そしてゆるゆると扱きはじめた。体の内側で燻っていた熱が、俺の陰茎に集まっていく。ロイの指先は俺の筋をなぞり、雁首を容赦なく刺激した。すぐに俺のものは、ガチガチに反応し、先走りの液を垂らし始める。 「んっぅ……ぁァ」  気持ちがいい。俺は涙ぐみながら、ロイを見た。すぐにでも、出てしまいそうだ。そう思った時、ロイが体を動かして、顔を俺の陰茎に近づけた。 「! ぁあ!!」  ロイが端正な唇で、俺の陰茎を含んだ。ねっとりと舌先で鈴口を舐めてから、唇に力を込めて、俺の陰茎を口淫する。沿えた手で側部を擦りながら、俺の陰茎を口に含んでいる。 「ダメだ、出る。うう、ぁ!」  そのまま俺は呆気なく放った。動揺していると、目の前でロイの喉仏が上下し、俺の出したものを飲み込んだのが分かった。それにまた羞恥を煽られて、俺は泣きそうになってしまった。 「次は、こちらだ」  ロイがベッドサイドに置いた小瓶を手に取り、利き手の指に液体を垂らしていく。俺も知識だけはある。性行為を容易にするための香油だ。ロイは人差し指の先端で、俺の窄まりをつついた。俺がビクリとすると、ロイが微笑し、それから俺の襞の一本一本をなぞるように、指を動かしはじめた。そしてたまに、窄まりの中央を指でつつく。それを繰り返してから、人差し指の先端を、少しだけ俺の中へと進めた。 「ァ……」  異物感が強い。ギュッと目を閉じた俺は、シーツを握って刺激に耐える。 「大丈夫か?」 「う、うん。平気だ、だから、あ、あの……ロイの好きなようにしてくれ」  俺が告げると、ロイが笑う気配がした。その後、人差し指の第一関節までが入ってきた。くるりと弧を描くように、ロイが指を動かす。そのまま、より深くまで指を進め、気づくと第二関節まで入っていた。ロイが、その時指先を折り曲げた。 「っく、ァ」  なにか、切ないような感覚がせり上がってきた。刺激が、中に響いてきた。  それからロイは、人差し指を根元まで挿入し、振動させるように動かした。次第にスムーズに指が動くように変わった頃、俺はビクリとした。指先が掠めた箇所から、全身に快楽が響いてきたからだ。 「ここか?」  ロイが、俺の体が変になってしまうところを、ぐりっと指先で刺激する。 「んンっ、ぁ」  そこを刺激されると、自然と俺の陰茎が再び硬度を取り戻した。内部で感じる未知の快楽が、少し怖いのだが、与えてくれるのがロイだと思えば、決して嫌ではないと思える。  その後ロイは、香油を再び手に取り、今度は人差し指と中指の、二本を俺の中に差し入れた。ゆっくりとゆっくりと、指が進んでくる。押し広げられる感覚に、俺は息を詰めた。 「ん、ぁァ」  指を開くように動かされた時、俺は震えた。 「ああ!」  それからすぐに、また感じる場所を二本の指の先端で嬲られる。そうされると頭の奥まで痺れて、真っ白になる気がした。三本目の指が入ってきた頃には、俺はすすり泣いていた。気持ちよくて、それが怖かったからだ。自分が自分ではなくなりそうで、必死に快楽に耐える。バラバラに動く三本の指は、俺の中をじっくりと解していく。 「あ、ぁ……ロイ、あ……ああ!」  ロイが、片手で俺の陰茎を握った。そして扱きながら、もう一方の手で内部の前立腺を強く刺激した。 「ああン、あっ」  前と中から与えられた刺激に、俺は堪えきれずに射精した。  肩で息をしていると、ロイが指を引き抜いて、俺の隣に寝転び、俺の頭を撫でた。 「ロイ……?」 「今日はここまでにしよう」 「でも、俺だけ気持ちよくなって……」 「焦る事はない。俺は、感じてくれたジークを見ているだけでも満たされる」  そう言って綺麗な笑顔を浮かべたロイの表情に、俺は気が抜けてしまい、ぐったりと体をベッドに預けたのだった。

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