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 8● 「せ、成吾さん……なに……?」  ほのかな明かりに照らされて、ベッドの上にユートのあばらが浮いた白い胸が浮かび上がる。 「ユートの身体をもっとよく見たい」  もう一度診察するんですか? 戸惑うユートに構うことなく、成吾の指がユートの乳首に触れた。  左右順番に念入りに、強くつまんでひっぱったり、固くなった突起を押し潰したりする。ユートは診察を受ける患者らしく、刺激を受けながらもじっと静かにしていた。でも成吾が大きな舌を出して、火照って汗ばんだ肌を舐め回したのには、もう耐えられなかった。 「こ、こんなのほんとに診察なんですか?? ♡♡ ……んっ、ン……ン♡、あっ! ♡ ご、ごめんなさい、うるさくて……。だって……っふふ、くすぐったいんです♡♡ あっあっあっ♡♡♡ 僕、乳首弱いんです、そんなに吸わないでぇ♡ ああん、ふぁっ♡♡」  うるさくしてはいけない。でもその理性がすぐに気持ちよさに上書きされて声をあげてしまう。 「目は閉じないでしっかり開けて。上目遣いの潤んだ瞳がユートの一番のチャームポイントなんだから」  前髪を手でかきあげられ、こわごわと目を開ける。成吾はユートの身体に覆いかぶさって、すぐ真上からユートを見下ろしていた。あまりに近くて少し怖い。でも両手で頬を包まれているから目がそらせない。 「ああ、ユートがすごく可愛い。でもそれだけじゃない。ユートにはまだ分からないだろうけど、俺たちの相性はこれ以上無いほどに良いんだ」 「ぼ、僕も……こんなにすぐに人を好きになったのは初めてです」  ユートは成吾の体の下で深く息を吸い込んだ。胸は成吾の唾液でべっとりと濡らされて、強い香りが立ち上っている。 「次は下半身を診るよ」  パンツを脱ぐように言われて、もぞもぞと足を動かしていると、成吾の手で下ろされた。久しぶりに人肌に触れて、勝手に目覚めていた性器がウエストゴムにひっかかり、ぴょんっと鳩時計の鳩のように飛び出した。 「あっ」  ユートは両手で顔を覆う。それでも、成吾の視線がそこに注がれているのをひしひしと感じた。 「驚いた。ユートのおちんちんってすごく小さいね。これじゃ全然、男の子とは言えないよ」  それはユートの一番のコンプレックスだった。 「使えんのか、こんなチンコ……」  成吾の独り言が聞こえて、顔から火が出そうだった。診察とはいえ今すぐ隠してしまいたい。 「あっ!? ♡ やぁ……」  今度はソコを成吾の指でつままれて、強引に包皮を剥かれた。ただでさえ刺激に敏感なソコを好きな人に触られては、熱がどんどん溜まっていく。成吾の指が濡れて感じるのは、おそらくユートの先走りのせいだろう。成吾は何も言わない。ユートはどうにか気を紛らわせようと、天井の花模様を数えた。 「良かった。ほんとに子どもちんちんかと思ったけど、ちゃんと頭が出てきた。それに元気いっぱいに上に反りかえって勃起してるのも、愛嬌満点だから良しとしよう。射精は勢いよく飛ぶ」  顔を真っ赤にしたユートは、こくこくと首を振った。 「じゃあ次は四つん這いになって。お尻を上げて、頭は枕につけて」  成吾がユートの口内を診たときと同じ薄い手袋をつけたところで予感はしていたが、やはりお尻を向けると後ろの孔にその指を入れられた。 「ああっ!!」 「あれ、とっても柔らかいんだね」  指が沈んでいく。成吾の指は関節がごつごつしているうえに、手袋のせいで滑りが悪い。内壁をこすられる強い感じに、ユートの背筋がぞくぞくと震える。 「このまま2本目も入れるよ」 「っ!?、成吾さん……、まってぇ」  お願いは無視されて、2本目も同様に、ずぶずぶと奥まで進んでいった。そして、指でつくったハサミがゆっくり開いて、中を広げられる。 「ひやぁあ♡♡♡♡」 「女の子のよりずっと狭いけど、すごくよく収縮してる」  感触を確かめるような軽いピストンがはじまった。甘い刺激に勝手に腰が跳ねる。診察中の射精なんて絶対にだめという理性と、快感を求める本能のせめぎあいで頭がはち切れんばかりだった。 「ん〜〜〜!! ♡♡♡ んんん〜〜〜!!! ♡♡♡ ぁあ、ごめんなさ……っ、ティ、ティッシュをくださいっ……っ!!!!」  結局、本能が勝った。恥をかくのは覚悟して発射を決める。早く出してしまいたいがせめて布団は汚さないというギリギリの理性で必死に我慢した。 「はぅ!!」  突如、腰ごと持っていかれるほどの勢いで指が引き抜かれた。予想外のことにユートの眼前に星が飛ぶ。その間にピュル、と少し精液が漏れ出てきて、股間をあわてて手で包んだ。 「ああっ!! あの、ティッシュどこですかっ!?」 「ははっ」  成吾の冷ややかな笑い声に、ユートは事態の急変に気づいた。  おそるおそる振り向くと、充血しきった猛獣の眼に射すくめられ、全身の産毛が逆立った。 「……その反応ってさ。ユートが男に抱かれるのはこれが初めてじゃなさそうだね。他の男の前にもこんなふうに尻を出したことがあるのか?」  ユートの顔面が蒼白する。成吾にとって、ペットは処女でないといけなかったんだと容易に察しがついた。 「ぼ……、僕は……」 「さっさと答えろ。言っておくけど、俺に嘘をついたら承知しないからな」  ユートはうなだれて、自分が処女でないことを告げた。  きつい舌打ちが聞こえる。 「なんだよ。あんなちっちゃなおちんちんじゃ絶対に童貞だし、そうでなくてもユートは清らかな子に見えたから、これから俺がひとつひとつ教えてあげて、ゆっくり楽しめると思ってたのに。まさかユートはもう開発済みで、たった3分でメスイキをキめようとするとはね。そんな身体にしたのはどこのどいつだ?」 「……あの、そ、それは……」  歯切れの悪さに、成吾からかばっていると疑われてあわてて首を振る。言いたくなかったのは、誰かの名前じゃなくて、数え切れないほどの男性と交わってきた過去だった。 「余計に呆れた。快楽さえ得られれば誰でもいいのか」  嘲笑を浮かべる成吾に、 「違う、違います……」  ユートは泣きながらこれまでの過去を洗いざらい白状した。

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