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「はぁ……っ」
お尻を高く上げたユートに成吾がずっしりとのしかかり、再びお互いの身体を深く繋げた。成吾がユートの奥をマッサージするように小刻みに腰を動かし、ユートはその揺れに身を任せて両手で自分のお腹を探っていた。なんだか、おしっこが出そうなくらいムズムズして落ち着かない……。
「……どうした? 大丈夫か?」
痛そうにしているように見えたのか、成吾も動きを止め、後ろからユートのお腹に手を当ててくれた。温かな体温が伝わってくる。それでなにかがじんわりと溶けていった。
「ふ……♡ は……♡」
風船が膨らむようにみるみる奥が張っていく。肺が押し上げられて息が苦しい。酸欠で頭の奥がしびれていく。
ユートは力が入らない手足をだらんと垂らし、口から涎を吐いて、その場に転がった。ユートの肌を包んでいる甘いフェロモンが、目に見えるくらいの濃さで全身から立ち昇っている。真上に見える成吾は、狂暴な眼つきに変わり、力を持ち直した陰茎で今にもユートに襲いかかってきそうだ。
やっと発情できた……。初めてでも間違いないと本能的に分かった。
「成吾しゃ……♡ これ、キた♡♡♡……やっとキたよ♡♡♡ ……奥、ズンズンしてるもん……♡」
「ああ……その通りだね、よく頑張ったな……」
成吾はすぐにユートの足をつかみ上げ、上から体重をかけて勢いよく腰を沈めた。身体を2つに折り曲げられて、最奥まで一気に貫かれたユートの目にチカチカと星が散る。気づかなかったが、前からはピュッと精子が吹いていた。
「……は、ぁっ♡♡」
成吾は窒息していたユートの呼吸が回復したのを確認すると、肉厚の亀頭で壁の感触を確かめるようになぞり始めた。ある1ヵ所で止まってトントンとノックを繰り返す。
「やだ……こりぇなに…?♡、へんになっちゃう♡♡……」
目が開けれなくて手探りで成吾を探した。手が繋げてたことにほっとしたら、成吾が入りたがっている場所が膨れてきた。
入り口はあとちょっと上かもしれない。キュンキュンとうずいて成吾のことを待っている。
「成吾さん、僕のここに入ってきて……♡♡」
成吾の手を引っ張ってお腹の上から正しい位置を教えた。ユートの上にいる成吾が動いて、ポタポタと汗の雫が雨みたいに落ちてきた。
「成吾さん♡♡、そこっ♡、そこだよ……♡♡♡」
「ああここだ……。っ、すごい……あぁ、達く……っ。……いいよ。ありがとうユート、っ、……」
ユートの奥がいっそう膨らんだ。膜が破れて温かいものが溢れ出し、成吾に絡みついていく。
「愛してる、愛してるんだ……」
「僕も……僕もだいすき……」
成吾の動きが止まると、唇を重ねてお互いを深く深く味わった。あんなにした後なのに、成吾の射精は1度では終わらず2度、3度と放たれた。
しん、と寝室が静まる。ユートは幸福感の中で眠りに落ちて、念願の卵を産んでいた。
──気が遠くなるような痛みに耐えていた。
「あぅ……あぅ……」
「あと少しだよ、もう見えてるんだ。もう一息だよユート……」
ユートは成吾の腕に支えられ、腰を浮かせて前のめりの姿勢でもう一度力む。もうずっとそうしてるのに、なかなか出てきてくれない。体も徐々に弱って、もうだめだ、そう思った頃やっと、ユートの足の間から金の模様の卵が現れた。
取り上げてくれた成吾が、何も分からないユートのために「簡単には孵化しないから期待するな」ってしつこいくらい教えてくれる。それでも嬉しそうで、卵を抱えて横になったユートをそばで優しくいたわってくれた。
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