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☆第70話
「さすがにここにはねぇけど……際どいとこにあんのはエロいな」
「もうっ、そんなとこじっくり見ないで」
翔護は、まだほくろ探しを続けるつもりらしい。
腰を高く上げられて、開かされた脚の間を覗き込まれて、千聖はカァと顔を赤らめた。
ここ、と触れられた千聖の性器は、もう随分前から熱を持って勃ちあがっている。少し触れられただけで、そこはとろりと蜜を零した。
「前世の俺はキスしたとこなんだから、いいだろ」
「あっ、やだ……っ」
翔護のいう際どいところは千聖には見えない。見えないけれど、べろ、と生温かい何かが触れて、否応なしにその場所がわかってしまう。
「やっ、翔護……舐めないでったら!」
お尻なんて、舐めないで!
そう脚を閉じようと抵抗するのに、強い力で押さえつけられてびくともしない。
「やら」
「あっ、ん……ンンッ」
舐めたまま返事をされたかと思うと、にゅく、と舌先が中に入って来るのを感じて、千聖は踵で思い切り翔護の背中を叩いた。
「も……っダメ……」
「いって、わかったよ。じゃあ、指な」
ヌチヌチ、と粘ついた音をたてて温められたローションが、とろりと尻の奥を濡らす。
ほくろの在り処を知らせるようにトンと穴の縁を叩いた指先が、ゆっくりと中へ潜り込んでくると、今まで感じたとこのない感覚にぞわぞわと肌が粟立つようだ。
「ふっ……あ、ァ」
にゅく、にゅく、隘路を広げるように解されて、ひっきりなしに熱い吐息が溢れてしまうのが恥ずかしい。
ちょうどお腹の下あたりを擦られると、より一層熱っぽく濡れた息が零れてしまいそうで身を捩る。
不安に胸がドキドキしてきて、千聖は助けを求めるように翔護の腕を引いた。
「……きす、して」
「はいはい、ちょっと待って」
舐めたことを気にしたのだろう。一度部屋の外に出た翔護が、口を拭いながら戻って来るのを、千聖は手を伸ばして迎えた。
「……はやく」
「わがままだな」
「……嫌?」
「全然。もっと言っていいよ」
ちゅっと触れた唇は、濡れていて少し冷たい。
「ん……翔護のも、触っていい?」
「あー、それはダメ」
翔護の昂ぶりに伸ばした手はぐっと掴んで阻止されて、千聖はむくれ顔になる。
「どうして?」
わがまま言って良いって、言ったのに。
あまり子供じみたことはしたくないのに、無防備な姿でいるせいか心のままに反応してしまう。
「……わかんだろ」
同じようにむくれ顔をした翔護に握らされた彼の性器は、パンパンに張り詰めて触ってもいないのにすでにぬめりを帯びていた。
わあっと、感嘆の声が漏れてしまいそうになって、さすがにそれははしたないと、千聖はこくんと喉を鳴らす。
「限界なんです~。ちょっとでも触られたら出ちまいそうだから……って、嬉しそうな顔すんなよ」
声は我慢したけれど、表情に出てしまっていたらしい。
だから、ダメ。と千聖の手をそこから離した翔護は、千聖の顔を見て唇を尖らせた。
◇◇◇
WEB上での更新はこれにて終了となります。
完結までのお話とえっちメインの小話を収録したものを同人誌として発行していますので、興味があれば是非お手に取っていただけると嬉しいです。
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