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第33話 アユダルの思い

 ベッドに押し倒され、アユダルは額にキスをされながら、ポツポツとレウニールの話を聞いた。 「お前を、私のものにしたかった」 「レウニール様… それって僕のことを…?」  もしかして僕を娼館から買い取って、レウニール様の側に置いてくれるの?! 僕の夢は叶うの?!  アユダルは期待で瞳を輝かせて、レウニールを見つめる。 「だけど、私がお前を独占すれば… 宝の持ち腐れになってしまうとわかったよ… だから私のものにするのは止めることにした」 「そんな、レウニール…」  言葉を(さえぎ)るように、アユダルはレウニールに唇を(ふさ)がれ、手首にはめた抑制リングも外された。  「んんっ…! ふぅ…! んんっ!!」  僕は治療師見習いになれなくても… あなたの愛人になって、ずっと側にいられたら良いと思っているのに…? レウニール様! 待って、僕はもっと話をしたい! あなたに僕の気持ちを全部伝えたいよ!! レウニール様―――っ!!    自分の気持ちを伝えたくて、ほんの少しだけ、レウニールの愛撫に抵抗したが… すぐにアルファの強烈なフェロモンに包まれ、アユダルは目の前の快楽に夢中になってしまう。   手早く服を脱がされ、レウニールの唇は… チュク… チュクッ… チュチュッ… とアユダルの細い鎖骨(さこつ)へ走り、胸の真ん中を通って(へそ)まで下りて、舌先でクチュクチュ… と臍の穴をなめられる。 「んんっ… あっ…」  (つや)やかな茶色に近い濃い金の髪を、アユダルがなでると… レウニールは顔を上げ、ギラギラと欲望で光る青玉色(サファイア)の瞳と視線が交わる。   (みだ)らに動くレウニールの唇はすべり下り…   立ち上がり淫密(いんみつ)をこぼすアユダルの華奢(きゃしゃ)な性器に、ヂュチュ… ヂュチュッ… ヂュチュッ… 舌をからめながら吸い付いた。 「レ… レウニール様ぁ…!」  ああっ! だめぇ~… レウニール様!こんなの気持ち良過ぎるよぉ! 出ちゃうよぉ… ああっ… レウニール様のお口の中で出ちゃうよぉ~… レウニール様ぁ… ああっ! 出ちゃうっ~!  不意にレウニールはアユダルの性器を放してしまう。 「あっ?! んんっ…?」  あれ?! いつもなら気持ち良く、このままイカせてくれるのに? んんん~…??  ころりと身体を引っくり返され、アユダルがうつ伏せになると、オメガの性器を指で開かれ、レウニールの長大な性器が背後からずぶずぶと挿入された。  「もう我慢できない… アユダル…っ…!」  「ああっ…! レウニール様ぁ… んんっ… ふっ…!」   そうか! レウニール様も僕の中で早くイキたいのか!! 僕は本当に男娼失格だなぁ… お客のレウニール様を置いて、僕だけ先に気持ち良くなるなんて! レウニール様を気持ちよくするのが僕の役目なのに! ごめんなさい!!  反省したアユダルは… せめてレウニールが、気持ち良く奥を突き上げられるようにと、大きく足を開いてお尻を上げた。

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