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プロローグ(4)
父さんと母さんは仲睦まじく笑って暮らせていたのかもしれないんだ……。
オレのせいだ。
オレが神楽を拒絶したから――。
恐怖と絶望。そして両親を見殺しにしてしまった罪悪感で身体も心も萎縮してしまう。オレはもうされるがままになってしまう。
太腿に顔を埋めていた神楽は、オレ自身を舐めはじめた。
だけど、……いやだ。
こんな奴に抱かれてしまうなんていやだ……。
そう思っても、神楽の舌はオレを舐めまわし、ねっとりとした口内にオレの全部が覆われてしまった。
「……っひ…………」
どうしようもない虚しさが悔しさへと変化していく。
唇を噛みしめ、嗚咽を殺した。
両手は握り拳をつくり、父さんたちが死んだことや、今ある現実すべてを拒絶しようとした。
だけど、そんなことはできるはずがない。
だって、だって……もう、いないんだ。
オレの浅はかな拒絶によって、二人はこの世から去ってしまった。
冷たい空気がオレの中に侵入してくる。
「中はこうなってるんだな。真っ赤に熟した林檎のようだ」
神楽の嬉しそうな声が聞こえる。
割り開かれた後孔の中――そこに、指が侵入してきた。
「すごい締めつけるね。俺を挿れたら、ココ、締めつけられて気持ちいいだろうね」
いやだ。痛い。
すごく苦しい。
オレの中は有り得ないほどの圧迫感と抉られるような激痛が襲う。
それなのに、中にある指は動きを止めてくれない。
それどころか、少しずつオレの中へ深く押し入ってくるし、指の数も増えていく……。
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