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プロローグ(6)
こんなの嫌だ。
そう思っているのに、オレの身体は言うことを聞いてくれなくって、神楽の言うとおりの状態になっている。
おかげで妙な圧迫感も消えていく。
オレの中に突っ込む神楽の指が動くたび、卑猥な水音が耳に入ってくる。
痛みも、違和感もなくなるのは嫌だ。
だって、心から神楽を受け入れているみたいだから。
それなのに、オレはこんな奴に感じている。
蜜を溢れさせて女みたいな喘ぎ声も出して……。
「んっ……はぁ……」
「いやらしい身体だ……。そうやって、お前はこれから常に俺を感じて生きていくんだよ?」
冗談じゃない。
こんなのは嫌だ。
好きでもない。しかも、父さんと母さんを殺した奴の腕の中にいるなんて、そんなの嫌だ。
そう思っても、身体はオレの意に反して快楽を覚えていく……。
「さあ、もうひとつになろう。光栄に思え」
神楽は残酷な一言を口にした。
神楽のニヤリと見下したようなその笑いが、神楽を拒絶するスイッチを押したんだ。
「いやだあああああ!! だれか……いやああああ!!」
助けて!
今までにないくらい、ありったけの悲鳴を上げる。
だけど悲鳴を上げるために大きく開けた口は、神楽の手に塞がれてしまう。
オレの蜜を纏った四本の指が口内に入ってくる。
にがっ!!
「んぐっ」
やめろって言いたいのに、口は塞がれて、しかも指がオレの舌をなぞる。
「自分の蜜は旨いか?」
――っなわけないだろ?
神楽の気持ち悪い言い方に、ギリリと睨む。
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