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第12話

「どうしたの、明?」  泣きそうな声になっている明を心配した新が顔を触ろうと手を近づけると、明はそれから逃げるように体の上から退いてベッドから出て立ち上がった。 「学校に遅刻しゃうから、そろそろシャワー浴びてくるね」  背を向けて顔を合わせずにそう言って、パンツを履いてパジャマに着替えようとすると、パンツを履いた新が近づいて来て後ろから強く抱きしめられる。  いきなりの事に明は何が起こったのか一瞬分からず、驚いて後ろを振り返る。  すると、新の濡れた瞳と目が合った。 「俺も、一緒にシャワー浴びていい?」  捨てられた子犬のような表情の新に、明は胸が締め付けられる。  自分にそっけない態度を取られたから、そんな悲しい表情をしているのだろうか。  今すぐにでも、首を縦に振ってしまいたい。  だけれど、この状態で一緒にシャワーを浴びるのはこれ以上好きになってしまいそうで危険だ。  この気持ちを早く抑えなければ。  そんな事を考えてしまい、明は新の目を直視出来なくて視線を逸らした。  そうすると、新は今度は寂しそうな表情をする。  その顔があまりにも切なくて心が痛む。 「明はちゃんとおちんちん洗えないのに、一人で入って平気なの?」  新がボソッと言った一言に、明は一瞬にして顔が赤くなった。  なんで、今そんな事を新が言うのかが分からない。 「ちゃんと、洗えるから」 「本当に? 昨日、おちんちんの皮剥いた時にちんちんのカス挟まってたけど?」 「そ、それは」  新に触られた時ほど丁寧ではないにしろ、ちゃんと自分なりに皮を剥いて、洗っていたつもりだったのに。  考え込みながら恥ずかしがっている明をうっとりと眺めながら、新は耳元に唇を近づける。 「恥ずかしがらなくていいんだよ、明。これまで性的な事に無知だったんだから仕方ないよ。俺がちゃんとおちんちんの洗い方教えてあげるから、一緒にお風呂入ろう」  甘く雄味のある声に理性が揺らぎそうになった。 「でも……」 「大丈夫だから。明は俺に身を委ねて」  後ろからさらにきつく抱き寄せられると、新の半分勃ち上がっている熱い陰茎が腰に当たりゴリゴリと擦れる。  これ以上何かされるとおかしくなってしまいそうになった明は大人しく降参した。 「あっ。わ……、分かったっ」

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