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体がひどく、重い。 億劫そうに瞼を開けた葵人は、眉根を寄せた。 見慣れてしまった囲まれた木組みの中、どうしてこんなにもひどく疲れているのか、覚め切ってない頭で考えていた。 何度目かの「兄さん」と呼んでしまったことで、兄の怒りに触れてしまい、"お仕置き"を気が遠くなるまでさせられたのだ。 そして、ようやく解放された直後のまどろみまでは憶えているが、その後のことは一切憶えてない。 その出来事が昨日のことだと思えるかもしれないが、断言できないとも思った。 考えに耽っている中、無意識に足を動かそうと思ったようだ。だが、思うように動かせないことに気づく。 それを確かめようと布団を剥いだ。 「⋯⋯え?」 思わず声が漏れた。 足をぴったりと閉じられ、太ももから付け根まで菱形縛りのように縛られていた。 しかも全裸であった状態に、さらに混乱を極める。 このような姿を憶えてないだなんて。 言い知れぬ不安が襲ったが、ふとあることが浮かんだ。 全身の倦怠感、特に後孔が悲鳴を上げているのは、途方もなく性行為を強要されている可能性もあるが、他の可能性もあった。 それは、恐らく⋯⋯──。 突然、扉が開かれる音が聞こえてきたことにより、思考が遮られた。 反射的に、顔を向けた。 「おはよう、葵。どう? 調子は」 目が合った途端、目尻を下げて声を掛けてきた。 恐ろしくも愛さないといけない相手が、葵人の食事であるお膳を持って、そばに座った。 徐々に感じていた心拍数が急に上がる。 「葵、布団どうしたの? 暑かったの⋯⋯?」 「⋯⋯ぁ、ううん⋯⋯。足が動かないから、どうしてだろうと思って、見てみたの⋯⋯」

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